[[企画村ページ/(仮)外道たちの村]]


政府の各機関の集まるとある街の中、さほど目立たぬものの**省と刻まれた金属板のはめられたいささか厳めしい建物が1つ。
その中の、広くはないながらも日当たりのよい位置を占める一室には、向かい合ってロッキングチェアーに座った2人の老人。
胸元まで伸びた髭を蓄えた1人の老人は、膝に異国の言語で書かれた新聞を何部か乗せている。


「25年前、紅蓮の輩の反乱の時の事を覚えておるじゃろう。あの時に、教祖格じゃった“真紅のモーリッツ”が持ち出した奴等の財産の事を?」
「ああ、覚えてるともさ。奴を捕まえるまでの10年もの間に財宝をどこぞに隠されてしもうたことも、な。しかしモーガン、妙な密告とか言うのは奴らの事なのか?えらく古い話ではあるが……。そうか、財宝のありかか?」


「一網打尽にされるのは、鈴持ちだけではなかろうよ。“御子”も血祭りに上げねばの。15年前にわしらがやり損ねた事じゃ。」
「おぬしのような爺とわしのような婆が、若い者を差し置いて、やるとでもいうかの?」
「いやいや、アーヴァインに任せようと思う。まあ、紅蓮の輩共を捕らえるための手段と言うか、人材はわしが手配してやってもいいがの。」


────茶飲み話のように人狩りの話をする老人2人。いつしか、居室の日は翳ってゆく。