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みんなと別れて一人街を歩く。すっかり見慣れてしまったけど、いつもは人が途絶えない駅前も今はとても閑散としていた。
ここの世界もあと少し、ここで過ごした記憶も、あと少し。
初めて認識したみんなと同じ色、きっとこれももうすぐ忘れてしまう。
黄緑、赤、浅葱、青紫。紫、茶、白、黒、灰桜、ターコイズ、パパイヤホイップ、金、水色、黄色、青、茜、心のどこかに残っているのだろうか。16色だけでも眩しすぎた自分の目ではそれくらいで十分なのかもしれない。
すっかり戻った世界はいつも通りで安心する。無意識に鼻歌を歌いながら通い慣れた花屋に着いていた。
モノクロの薔薇を手に取ってくるくる回すと、落としきれていない棘が手に刺さる。
「いたっ」
見慣れた少し濃い色の血が指から流れる。舐めると鉄錆の味がした。
「良かった。また、この世界にいられるんだね」
「これからもよろしくね。トセとサヨ」
薔薇をバケツに戻してカウンターに座る。世界が変わるのであれば、座り慣れたここで迎えたかった。
藤の宮個人しめ!!!
ご挨拶。
ろあくん、本当に色々とお疲れ様でした。村中忙しかっただろうに、めっちゃめちゃ壁打ちさせていただいて本当に助かりましたありがとう!!
狐で占い騙りして、しかも狂人騙りまでできるとは楽しかったです。まさか勝てるとは思ってなかったので、相方のゆきっちゃんに大感謝
あたらめて素敵な村をありがとうございました。あと藤の宮に優しくしてくれた皆さん本当にありがとう……
凪さん……大好きだ……
色彩を忘れた祇崎駅のロータリーをビデオカメラ片手に一人歩く。
車も通っていないのに信号機は入れ替わり点滅して、踏み留まらせるための赤色がその存在を主張していた。
もうすぐ世界には色彩が戻る。
形を変えて、そのことにも気付かぬままに。
それでも自分には確信があった。
道標が色を変えて、約束を忘れて、言葉を交わした誰かとすれ違い別れても。
新たに照らす道の先に、今目指す未来と交わる場所があるって。
虹色のイルカに乗って、赤色のペンライトを握りしめて。紫の蝶を追いかけて、茶色のチョコミントを頬張って。想像もつかないような花を夜空に咲かせて見上げる。
不安がないなんて言ったら嘘になる⁇
でもわくわくしていないっていうのも嘘になる。
無限の可能性を信じてこそ、ううん、信じさせてこそ、アイドルですから‼︎
てことで、本日も🌟太陽系地下アイドル🔆晴陽ふれあでした‼︎
まったね〜‼︎
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一目惚れしたキャストドールは、滑らかな銀髪に濃紺のシックなドレス、透き通るような碧眼で私に微笑んでくれます。こんな私にも、笑顔を向けてくれる。外に連れていくには難しいと分かる年頃でしたし、家の中では常に一緒に過ごしていました。
そんな生活は思春期になると気味悪がられ、お人形遊びは卒業しなければならないと言い聞かせられました。表向きは従うフリをして、こっそりお部屋で話し相手になってもらったり、いつも通りに過ごしていました。
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元の世界に戻って──────
『ねぇシスター?珍しいね、一緒にお絵描きなんて!いつもは絶対しないって言うのに。』
(いいでしょう?私だって本当に、たまーーに、お絵描きしたくなる事だってあるんです。)
『あたしねー、シスターと一緒におえかきできて!うれしい!』
『わたしもー!』
『おれがシスターのとなりでかくんだ!』
(あらあら、もう困った子達ね。皆用意はできましたか?)
はーい!と子供達は口を揃えて返事する。
画用紙を準備して、画板にそれを敷く。
シスターはイーゼルにキャンバスをセットしてパレットを開く。
絵の具に書かれた色の名前。
馴染みのある色ばかり。
締め間に合った………改めて狐陣営おめでとうございます!!
村たてのろあくん、参加者の皆さま、見守ってくれた皆さま、ありがとうございました!!!🔆
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部活動は美術部を選びました。芸術鑑賞を行ったり、花を愛でたり、「美」を追及する部活と思ったのです。けれど思っていた様な活動はなく、すぐに辞めました。
それからは手芸部に入ればミシンを使えたり、簡単な小物を作れる事を知り、あの子のドレスを作りたいと入部して。
そこから細々と趣味は趣味のまま、また、自分でドールを作れる事を知り、ドールディーラーになってみたり、有名なドールメーカーのドレスデザインの一般公募で賞を取ってみたり、会社を企業したり、ドールデザインで生活していくような毎日。
そんな毎日はきっとこれからも変わらないのでしょう。
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少し経って1人の子供がシスターの絵を覗く。
うーん?と首を傾げて問い掛ける。
『それ、何かいてるの?』
「これはね、空、だよ。」
『へんないろー。空はあおいんだよ』
「ううん、これでいいの。
これは私だけに見えてる空。」
「ある写真音楽家も言ってたわ。
パレットの上にある青色じゃとても、晴れた空は描けない。ってね。」
「さて。」
伸びをひとつ。
「記憶もすっぱりなくなっていつもと変わらない毎日がやってくるわけだ。」
色鉛筆の箱を開けて、そのうちの何本かを取上げて場所を入れ替える。
「まあね。並べてある順番が変わるってだけよ。
……その『だけ』が狐さんチームにとっては違ったってこと。人の数だけ受け取り方はあるし、人の数だけその、理由があるのよね。」
細く長い息を吐く。
「やることは変わらないわ。アタシにはアタシの世界があるからね。みんなそれぞれが自分の世界を彩り鮮やかに染めながら生きていくって訳だ。」
そう言って、箱を閉じた。
移ろう季節のように、世界の常識は当たり前のように塗り変わる。その中で得た感銘も思い出も何もかも、初めからなかったかのようにまっさらに塗り替えられる。
その中にも、“元の世界”にあった常識が溶け込んでいけば、どこかでノスタルジーに浸るかも。
【パパイヤホイップ】に黄色を足した着物に、【紫】の帯を想像して。金の蝶々の簪をいっそデザインするか、なんて前向きに思いながら月を眺めます。
私の好きな肌の色。人の色は、きっと新しい世界でも好きなれたらいいな。なんて白い息を吐きながら思うのです。
凍えるような寒さを、深く肌に刻みつけて。骨に彫り込ませて。忘れたくないと強く願って。
本当に数日で色んなことがあった。目まぐるしい程の変化。初めて見た色鮮やかな世界と、憧れていた青紫色。
本当に綺麗だった。
今となっては…世界をモノクロに……いや、前の色?に染めなくてよかったのかもしれないと少しだけ思った。
次に染め上げられた世界はどんな色なのだろう。
今のことは忘れてしまうらしいけど。鮮やかな色彩の中を大事に生きていきたいな。
「綺麗、だったな」
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