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ー オークション会場 ・ 展示エリア ー
[一方その頃、展示エリアの隅の方を歩く黒髪がいた。]
[輝くような銀の目でケースの中を見下ろして、ケースに優しく手を添える。 ふと視界の端に泣きじゃくる子供を見かける。 一人で入れるとは思えない年の少女。 親に抱き抱えられていたはずが迷ったらしい]
『大丈夫? …ほら、これあげる』
[銀の目は胸ポケットの花を引き抜き目の前に差し出す。
…かと思えば、ポンッ!と目の前でぺろぺろキャンディへと変えて魅せた]
[輝くような目に変わる少女。そんな少女をスタッフに預けてまたブラブラ。]
[銀の目の青年は、そうやって舞台を歩き回っているだろう*]
─ オークション会場 ─
[見物客としてオークション会場に紛れ込んだ『影身』は、ぷらりと適当に歩き回る]
ふーん、前文明時代のものが多いかな?
プレミア人形なんてのもあるんだ。
『アーイシャの歌』は……あっちか。
厳重だなぁ。
[例に漏れず見通すのは千里眼。
怪盗の予告状にあった品物はオークション会場隣の倉庫で厳重に保管>>2:149されていた]
あっちに直接行く、とは考えにくいかな。
となると。
[視線はオークションが行われる舞台へと向かう]
予告状に美しさは無かったけど、まぁお手並み拝見かな。
[怪盗の犯行を阻止する心算は毛頭無い。
監視者から怪盗捕縛の指示がないことから、手を出す必要は無いと考えていた。
思惑はいくつかあるだろう。
その詮索はせず、『影身』は自身が動かない理由のみを胸に抱く]
[曰く、犯罪とはエンターテイメントである]
[曰く、犯罪は絶対悪ではない]
[特に今回の怪盗であれば、”悪から盗み出す悪”である可能性は多いにあった]
─ 上層 公園付近 ─
いーえ、特に何もヴェスさんに謝ってもらうことはありませんが。
[謝罪するヴェス>>12に対して不満気に返事をする。]
…そんなに怒ってないですって。
[重ねて平謝り>>13をするヴェスが少し面白かったのか。少し笑みをこぼす。]
ちなみに、前回も言いましたが移動時間は含みませんからね。
これから13分です。よろしいですか?
[思考を読んだわけではない。目の前のヴェスの表情がまさしく「顔に書いてある」といわんばかりのものだったのだ。]
じゃあ、少し歩きましょうか。
[そう言えば公園の外周を歩き始める。ハロルドは気を使ったのか、少し離れたところで待つらしい。]
─ 上層:公園外周 ─
では、まず友人を一人思い浮かべてください。
…よろしいですか?
そうしたら、今度はその人の良いところを一つ私に教えてください。
好きなところとかでもいいですよ。
[公園は鮮やかな緑の木々の下に色とりどりの花が植えられている。時間になれば地下に張り巡らされたパイプから散水され、落ち葉やゴミは一つ残らず清掃ロボが回収していく。気温や湿度は最適に保たれ、どんな時でもここは晴れている。自然に溢れた癒しの空間を人工的に作るというのは特に矛盾しない。]
たまのお散歩も気持ちのいいものですね。
私、実は今まで歩きながらというのはやったことなくて。
カウンセリングを教えてくれた人は色んなアプローチを持ってたんですけど、なかなか。
[質問に挟んで、そんな言葉を口にする。自分の話を挟めというのもその人物からの教えだったか。*]
─ カジノ ─
じゃあそっちは頼むよ。
[掌に拳を打ち付けるスティーブ>>20と、彼に添うユウヅキ>>16を見遣り、オークション会場へと向かうのを見送る。
踵を返せば、リルは賑わうカジノの方へと歩き出した]
「ところでたいちょー、仕事って?」
お前に調べてもらった組織絡みだ。
大きな金が動くならカジノだろう、ってことで先ずはここを当たることにしたのさ。
[歩きながら、ドライに対して声を潜めながら内容を伝える。
念話を使わなかったのは、今はスティーブと繋いだままにしているため]
「つまり、たいちょーが追ってるあの事件絡み?」
まだ推測の域を出ないがな。
スティ達はオークションの方を、アタシはカジノの方で情報収集することになってる。
[大まかな説明をして、さてどうするか、と辺りを見た*]
[外周をゆっくりと歩けば>>21>>22、公園の景色が広がり、目を喜ばせる為の、心身を癒やす為の光景が、移り変わってゆく。
ゆるく歩調を合わせて歩けば、胸の内に何か形容し難いもやつきを覚えた。
しかし、そのうち問いかけが始まれば、言葉に従って思い浮かべる]
[脳裏に浮かんだ姿はスティーブのもの]
……
良いところは、優しいところかな…
お人好しなんだよな……
時々、色んなこと我慢してるように見えるけど
それに…泣きそうなようにも見えるけど…
……
強くて優しい
[優しいのは誰にでも、ではある。
何時の間にかセーガと仲良くもなっていた]
─ 回想 中層・ヴェス宅前付近 ─
[ヴェスとハロルドの関係性はイマイチ掴めないところであったが、周囲の人間に話を聞ける機会というのは収穫があることが多い。カウンセリングに対して嫌悪感を示しているようでもなかったため、歩きながら念話を送ってみる。]
あの、ハロルドさん。ちょっと念話で失礼しますが。
ヴェスさんって、昔からあんな感じだったんですか?
それとも、最近酷くなったとか良くなったとか。
ここ数年の傾向とかでもかまわないんですが。
[初対面の相手にいきなりこんな質問をぶつけるのは失礼かとも思ったが、次の機会がいつあるとも限らない。あまり読めない顔色を伺うようにちらりとハロルドの方へ視線を送った。]
投票を委任します。
カウンセラー ベルは、P13警察機構 リル に投票を委任しました。
― 回想:5年前 ―
[とある男が逃げていた。手には"金属"を持って。
聞こえるのは多数の騒がしい足音。
スラムの路地裏へと身を隠し、ぜぇぜぇと肩で息をする。
くそっと悪態をつき、男は近くのゴミ箱へと"金属"を突っ込む。
後から回収に来るつもりだった。
しかし、]
『どうしたの?』
[ひょいっと、路地裏の片隅から、顔を覗かせたのは女。
ドタドタとまた足音が聞こえる。
チッと舌打ちする男の手を突然に掴み、]
『こっち』
[そう言って、ぐいっと引っ張る。
スラムに詳しい人間でなければ、知らないであろう抜け道へと駆け抜ける。
なんで助けたかと聞けば]
『……だって、ゴミ箱にちゃんと捨ててたし?』
[女は首を傾げて、そう答えた。
それを聞いた男は、キョトンとした顔を見せ、
そして声をあげて笑う。捨てたわけではない。
だが、それでもいいか、と思った。]
『ねぇ。逃げてるなら、良い人、紹介しよっか?』
[女が、そんなことを言った。]
……
…………
[泣きそうな落ち込むような気持ちを感じた。
それはセーガとの事ではなく、別の事由来の感情だ]
…そう
[ベルの語りを聞き終えてから]
まあ…明るいし、花も多いし…
そうなんじゃねーの
[『たまのお散歩も気持ちのいいもの』という言葉に、まるで他人事のような返事がかえされる]
……
教えてくれた人ってのは
[それは、ベルからの返答を期待しての問いというよりかは、会話をとりあえず返しておくか、といったような言葉だったが、ベルから答えはあったろうか?*]
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