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[ロザリンドは碧(あお)い眸をゆっくりと伏せた。
彼女は、見守り続ける存在。
彼女が、直接干渉を行うことは出来ない。
彼女の役目は、ウォッチャー。
見守ることに縛られる]
[彼女に出来ることは、出来て、誰かの前を横切るくらい。
3ヶ月前のように、例えば幽霊のように>>0:349**]
ドーム消滅の回避にはドーム住居者同士の協力は不可欠。
退けられない相手ではない。
だが侮るな、慢心は身を滅ぼす。
情報を寄越した奴が言ってたことだ。
信じる信じないは任せるぜ。
[加えて伝えたのは情報ネットワークにも載せたものの一端。
あちらには載せなかった忠告の言葉も加えた。
言葉はやはりゲイルが受け取った意味での変換になったが、多少の意味合いの違いはここでは瑣末だろう。
人間、自分にプラスのある可能性があれば奮い立つというものだ]
[他に問われることがなければ、ゲイルはスラム街を後にする。
ふらりと足を向けるのは下層区域**]
ー 青年の表情の話 ー
[青年は基本的に無表情で淡々とした言葉遣いをする。語彙も少ないため下手をすれば『愛玩用ロボットのほうがまだ生き物らしい』と感じさせるような男だろう。]
[しかし、青年にも感情が無い訳では無い。全く知らない事象に対しては驚くし、多少は思考のうちに感傷に浸るくらいする。]
[ただ、青年自身がその感情を感情として認識出来ないだけなのである。独りで能力を抱え込むことに慣れすぎていたせいではあるが。]
[だから驚き以外の感情が表情に出にくいのは、しかたのない、よくある話。]
[しかし、流れ星が落ちた次の日、確かに氷の目を溶かす何かが起ころうとしていた**]
/*
ゲイルさん、本当に犯罪者?ってなる…
スティーブと普段普通に仲良さそうだよ…
なんか感じ取って、苦手だったりするんじゃないかなぁとか思ったけど、よくよく考えたらこの人、普通にそういうの鈍いんだった。
慢心、ね。
ぜってぇ、死なねぇっていう自信はありますけどね。
[慢心。そんなもん、少しでもあってくれたほうがいい、と思う。あれば、怖いなんて思うこともないだろう。]
よぉく、心に刻んどきますよ。
…にしても…子供が言ったにしては、随分。
[物言いが、大人びているというか。
セーガが言ってた通りなら、情報源はイギーという子供だったはずだ。
まぁ、どれほど小さいかは男は知らないし、
ゲイルが難しい言葉で言い換えているのかもしれない。
それに子供が言うことは案外貫いてくるもんがあったりもする。]
ま、ガセなら、ガセで構いませんよ。
そっちのが良いですけどね。
ドーム消滅とか、とんでもねぇこと言われても正直、ピンと来ませんし。
[男にとってはそもそも、ドーム消滅を恐れているのではなく、失うことだ。
バグ野郎を止めず、全部任せ、全て逃げてしまえばいいと、思う。
外は危険だ。だが、ドームが消滅したとしても、死ななければ、どうにでもなるだろう。
だが『バグ野郎』が関わってくるなら、あいつを、止めようがないのは分かっている。]
んじゃ、またのお越しをお待ちしております。
[そう言って、笑い男を見送る。
その『ゲイル』こそ、男の嫌う『死神』であることを、知らず。]
今後共、ご贔屓に。
[そんな言葉をかけて**]
─ 回想 ─
[まだ警察機構へと加入するしばらく前、自立にはまだ少し年齢が足りなかった頃。
早くに両親を亡くしたリルは当時孤児院で世話になっていた。
そこで起きたのは小さな騒ぎ]
はぁ!?
またそんなことで喧嘩したの!?
[年下の孤児達が、御伽噺にある願いが叶う花があるだのないだので口喧嘩になったのだと言う。
いつもはその場でお互い謝らせてお終い、にしていたのだが]
しかもジンの奴出て行ったなんて……あんのバカ。
[その花を探しに出て行ったと聞いて頭を抱えた]
アンタ達はここにいな。
アタシが探してくる。
[子供達に待機を厳命して、リルは出て行った子を探しに出たのだ]
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