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ー アリスの部屋 −
[何処かでカタカタと何かが震える音がする。
俺じゃ無い、私じゃ無いと命乞いの声がする。
最後に人狼だったと言う客に辿り着いても、
その客に爪や牙は生えなかった。
爪が生える筈の手には松明が炎を孕み、
自ら惨劇のあった宿と共に燃え尽きて逝った。]
[あの客が燃え尽きてから、人喰い事件は起きなくなった。
だからあれが人狼なのだと結社は言った。
本当だろうか。
死者を見る能力者しかいなかった村。
占い師がいればもう少し早く何とかなったかも知れないと
呟いた結社員の言葉が忘れられない。
そんな能力者がいるなんて、全てが終わった後に知った。]
う……ん? あれ、寝ちゃったか。
アリス?
[自分の魘される声で漸く目が覚めた。
アリスを撫でながら気付けば自分も転寝をしていたらしい。
ベッドに寝ていたのは自分だけ。
サイドテーブルには空の皿があった。]
アリスを見舞いに来たのに。
あたしがこれじゃ、駄目だねぇ。
[張り付いた髪が、汗を掻いたのだと教えてくれる。
べたつく不愉快さに、今まで見ていた悪夢を思い出し、
誰もいない事を良い事に溜息を吐いた。]
全く……生きる為には、
誰か死ななきゃいけなかったんだよ。
[苦虫を噛み潰した表情をしているだろう。
だが今はそれを見る部屋の主もいない。
何処へ行ったか探しても良いが、その前にもう一度顔を
洗った方が良いだろう。
不自然に音を立ててでも歯車を回し続ける為に、
空の皿を手に部屋を後にした。]
あたしがしっかりしなきゃ。
[手首にアリスが付けただろう、掴んだ手の痕が残る。
痕が付くほど握り締めたアリスは何を思っているのか、
他の皆も心配だが、後で話を聞いてあげよう。
部屋から出ると不安を掻き鳴らす様に、
ガラス窓がカタカタと震えていた。]
− 廊下 −
[カタカタと震える窓から空を見上げると、
朝よりも雲は厚く、風も強い。
本格的に嵐の訪れを予想させる。]
こりゃ今の内に脆そうな所を補強していた方が
良さそうだねぇ。
[牧師様が滞在した時は屋根や壁の補修をお願いしたが、
彼にばかり頼るのも申し訳ない。]
ランスやマコトも頼りにしないと。
[1人にばかり頼り過ぎてはいけない。
喪った時に倒れてしまうから。
戻らない思い出に引き摺られない様に、
今生きている者達へ想いを向ける様に目当ての男達を探す。]
[親しみこめて牧師様、先生、と呼ばれていた老牧師に、自然と語られるまで時を待ちなさい、と教えられていた。キリクの身の上については然程詳しくない。ねだって聞いた村の外のこと、兄弟がいたらしいことくらいか。
いずれ、聞く機会もなくなるだろう。
結社員が来たら、或いは結社員になれたら。
ふいに現れた牧師。
住人同士というふうには見えない男と修道女。
彼らが何に導かれ何を思おうと、結局騒ぎは避けられなかったのだから、深く考えるのはやめよう。神様と"聖職者"の記号を恨んでいなければ、芯をなくした自分一人で抱えきれないから]
― 食堂 ―
[卵を焼く事にはそんなに時間はかからない。
人数分のオムレツを焼き上げ魚の身を散らして、人数からひとつ引いた分を食堂へ運ぶ。
今日はまだ姿を見ていないアリスとレーナの分も。
マコトはきっとまた台所で食を摂るだろう。
彼の分の食事は台所の机の上に置いておく。]
デザートに苺の砂糖がけもありますので、食事が終わりましたら仰ってください。
お出しします。
[食堂へ来た者には順次そう告げて、ある程度人が集ってきたら再び台所へ引っ込むつもり。]
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あぁ^〜〜^マコト様のロールきゅんきゅんするんじゃぁ^〜〜
さりぷるがちょろすぎるせいでこいつすぐデレちゃいそうなので気を付けよう
距離感が重要だと思うのです
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