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羊飼い カタリナ は、パン屋 オットー を占った。
青年 ヨアヒム は、楽天家 ゲルト を占った。
行商人 アルビン は、パン屋 オットー を占った。
仕立て屋 エルナ は、村長 ヴァルター を占った。
村長 ヴァルター は、楽天家 ゲルト を占った。
司書 クララ は、シスター フリーデル を占った。
パン屋 オットー は、楽天家 ゲルト を占った。
シスター フリーデル は、楽天家 ゲルト を占った。
次の日の朝、楽天家 ゲルト が無残な姿で発見された。
《★占》 パン屋 オットー は 人間 のようだ。
《★占》 楽天家 ゲルト は 人間 のようだ。
《★占》 村長 ヴァルター は 人間 のようだ。
《★占》 シスター フリーデル は 人間 のようだ。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、人狼 ダンテ、羊飼い カタリナ、青年 ヨアヒム、行商人 アルビン、仕立て屋 エルナ、村長 ヴァルター、司書 クララ、パン屋 オットー、シスター フリーデル の 9 名。
―帰り道(ゲルト家)―
[なんとなく嫌な予感がしてゲルトの家を覗き込んだのが、全ての間違いだったのだろう]
[目の前にあるのはゲルトの無残な死体。足が折られており、胸のあたりに致命傷と思われる深い傷が残されている。そして腹部には、それが人狼によるものだと一目で分かる大きな爪痕が残されている。寝ている間に一息、とは行かなかったらしく、その顔は恐怖に歪んでいた」
ゲ、ゲルト?嘘…だよね、冗談だよね!?ちょっとした悪戯なんでしょう!?
[勿論、本当に悪戯だなんて思ってはいない。人狼の出現を聞いてから、いつかこうなると思っていた]
でも、なんで!?なんで今日、それにゲルトなの!?
[前日、受付に髪飾りを置いていった青年の笑顔が思い浮かぶ。明日山に行くことは無くなったな、なんて。そんなことを考えている場合ではないというのに」
人狼って怖いよ…私には無理だよ…お父さん…お母さん…
神様…助けてよ…
[いざ傷跡を目の当たりにすると、人狼の凶暴性が痛いほどに伝わってくる。両親の仇である人狼は、既に自分達の誰かとすり替わっていたのだという事実が、重くのしかかってくる]
…このまま、村を出れば。一番近い町の酒場には知り合いがいる。そこで働くんだ。時には酔っ払いに絡まれたりして。それで、年を取ったら小さなレストランを開くんだ。
[人狼騒動とは無縁な生活。町には自警団もいるし、きっと一生を安穏と過ごすことが出来るだろう。そんなことを考えているうちに、手に持っていた形見の本から、声が聞こえてきたような気がした]
(クララ、あなたそれでいいの?私達の仇を取ってくれないの?)
え!?お母さん!?お母さん!会いたいよ!お母さん!ねえ…
…私はこれからどうすればいいのかな。
(いい?一つだけ教えてあげるわ。人狼は村の人達の中に紛れてる。これは紛れもない事実よ。ここまで言えば、賢いあなたならわかるはず)
分かんないよ、お母さん…。私はどうすればいいの?
(簡単な話よ。あなた以外の村の人間が全員死んでしまえばいいの。そうすれば、絶対に人狼はいない。私達の仇を討てるの)
(おねがい、クララ。私達の仇を討って)
[そうして、声は聞こえなくなった]
…そっか。
お母さんの為にも、私が生き残る為にも、人狼を…村の人達を全員処分しなくちゃね。
[そこで冷静になって、今の自分の状況を振り返る。スコップを持って、こんな夜中に死体を前に佇んでいる状況は明らかに異常だ。誰かに見られたらまず疑われるだろう]
…取り敢えず、図書館に戻ろう。
羊飼い カタリナは、行商人 アルビン を投票先に選びました。
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