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”盟譜学園”
創始者ダーナ=メイフィールドによって建立された、初等部から高等部、大学までを有するミッション系の学園である。
創立100年を迎える2012年、文化祭を目前に学園内はにわかに賑わっていた。
1人目、用務員 栗栖 源一郎 がやってきました。
用務員 栗栖 源一郎は、村人 を希望しました。
−金曜夜・高等部一階−
[私の名前は栗栖源一郎。
いつの頃からか、この学園におけるマスター・オブ・用務員を務めている。ようするにこの学園には用務員と呼ばれる人物は名実共に私だけという事である。
今夜も初等部から大学までの校舎の見回りの任についていた]
へ・・・・・・へーっくし!
さすがに少し肌寒くなってきたな。
[そんな私の肌を温めてくれる家族は側にいないのだが、それは今は語るべき物語ではないだろう。
今夜も夜な夜な懐中電灯片手に夜の校舎を探索する]
[文化祭も近づいて来ているのか、高等部の校舎の中には派手な看板やら張り紙などが放置されている]
ゴミなのか大事なものなのかさっぱり判らんな、せめて歩きやすいように通路に置かないようにしてもらいたいものだ。
[そう愚痴りながらも、はたと高等部教室棟の一階で立ち止まる]
・・・・・・ん、誰かいるのか?
[奥のほうから、物音が聞こえる気がした。
栗栖源一郎たる私は、恐る恐るその方向へと足を運んだ]
2人目、杏里 メイフィールド がやってきました。
杏里 メイフィールドは、C国狂人 を希望しました。
−同時刻/高等部校舎一階−
[いつの頃からだろうか。
この時刻に、この用務員室に通うのが日課となっていた。
自分が何者なのか、もう擦り切れてしまいよく覚えていない。
そんな自分に何を為すのかを教えてくれるものがここにあるから、彼女はここに来るしか無いのだ。
静かな校舎に、がらがらと扉を開く音が響く。
誰も入ることの出来ない部屋。生徒の間では”開かずの間”と呼ばれるこの用具室に、彼女と神父だけは入ることが出来た。
簡単な結界が張られているだけではあるが、この学校の生徒に対してはそれだけで十分有効であった]
ダーナ、私を導いて。
[彼女に自分がどんな感情を抱いていたのか、それすらも朧気だ。
もしかしたらそれは慕情だったのかもしれないし、怨念だったのかもしれない。ただ、彼女の令呪によって縛られていただけなのかもしれない。
だが、少なくとも彼女なしではもう杏里はこの輪廻の輪から出られない。それだけは知っている。
かつて、彼女はダーナの召喚したサーヴァントであった。
今は、人間である。それは願いが叶った結果ではなかった。
この学園の創始者ダーナ=メイフィールドの復活。
それが、残された彼女に課せられた使命だった]
[用具室の中にはテーブルがひとつあり、その上には一冊の本がぽつんと置かれている。
その背表紙には”ダーナ・メイフィールドの日記”と書かれていた。
読む人など杏里と神父くらいしかいないその日記には、死んだはずのダーナの日記が毎日更新されていた。
杏里はそっと、その日記を手に取りページを捲った]
3人目、ダーナ メイフィールド がやってきました。
ダーナ メイフィールドは、おまかせ を希望しました。
[2012年 10月 12日
今年であれからもう100年になる。
聖杯戦争の準備は進んでいるか。
今度こそ、私の復活と、そして第三魔法の成就を。
杏里、私の願いが叶う時が、貴方がその永遠の迷路から解放される日である事を忘れてはいけませんよ。
多くの生贄を代償に、私は蘇り、永遠の命を手に入れるでしょう。
呼び出されるであろう英霊のうちいくつかには、私の意思を植えつけています。
貴方はそれをうまく誘導し、願いを成就するのです]
・・・・・・判りました、ダーナ。
[そっとその日記を机の上に置く。
この日記は結界の外には持ち出せない。読むにはここに来るしか無い。
今日の日課を終え、そっと用具室を出る。
この後、聖杯戦争の開始を見届ける為に。]
−廊下の隅−
・・・・・・ゆ、幽霊?
[物陰に隠れていれば、まるで幽霊であるかのような女性が開かずの間から出てきた。
一体、どういう事なのか。
彼女が去った後、恐る恐るその扉に手を掛ける。
だが]
きょ、今日のところはこの辺で勘弁してやろうじゃないか。
[急に、この扉を開けることに躊躇いを覚えた。
悶々とした気持ちを抱え、そのままこの夜私は他の施設の見回りに戻っていったのだった]
4人目、神父 荏嶺聡一郎 がやってきました。
神父 荏嶺聡一郎は、人狼 を希望しました。
−同時刻/教会 礼拝堂−
――――、
[ステンドグラスより差し込む淡い月明かりに照らされる、十字架に掲げられた聖者の像を見上げていた青年は、聞こえた微かな物音に振り返った。]
おや、今晩は。
このような時間にどうかいたしましたか?
[礼拝堂の扉を開け、入ってきた人影を見て柔らかな笑みを浮かべ荏嶺 聡一郎(えれい・そういちろう)は落ち着いた声音で語りかけた。]
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