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ベルナルト…っ!
っ…っ!
[走り出したベルナルトを止めようとすると、走る痛みに思わず動きを止めてしまう。
傷はそれほど深くないだろうけど、ぬるりとした感触と、鉄に似た臭気は不快きわまりなかった]
なんで、あの二人は殺しあっているんだ…?
もうすぐ、約束の地に着くのに。
[思わずナタリーを見る。彼女はどうするのだろうか]
……かっこいい
[完全に狼の姿となったユーリーに楽しそうに触れる。
しばらくは黙々と没頭していたけれど。]
……ベルナルト!
[鳴らない銃声が事態を告げれば弾かれたようにそちらを向いただろう。
下の獣からぐえとかいう声が聞こえたかもしれない。]
[嗚呼、あの子はまた探されている。守るためのそれは功をなさず、殺すためのそれも一度は阻まれ。そして今度は。]
……おねがい、ベルナルト。
[自分を殺した人に望みを託すのも変な話。けれど彼を憎む気持ちがないのも確か。下手人が彼だっただけで、自分はシャノアールの作り出した状況に殺されたのだと、本能で理解している。]
……しなないで。
[生者に願いを託すしかないから、同じことを繰り返し願い続けるしかないから、死者はいつか祟りと化すのかもしれない。そんなことを一瞬だけ考えた**]
[列車の前方から、何者かの悲鳴が聞こえたような気がした。それによりベルナルトは探している人間の場所の検討が付くだろうし、己の迂闊さで死体がもう一つ増えてしまった事にも気が付くだろう。これで、文字通り―――列車の中の生存者は、たった四人だけになった。]
細工は流々、後は仕上げをご覧じろ。さてさて一体、どんな顔をしてくれるやら?
[それだけ云うと、鮮血に止まった場所で……ぺたりと。まるで糸が切れたように、座り込んだ。]
[ユーリーからの申し出を、それはそれは丁重にお断りした。
――ものの、視線を外す事は出来ぬまま、彼の動向を目にしている]
…………っ。
[再び獣に変ずる彼と、彼の毛皮を楽しげにグルーミングするサーシャの姿。
一見すると微笑ましくも見えるその光景に、胸の傷を押さえて]
……サーシャ、くん。
[距離はたっぷり取ったまま、控え目に声を掛ける。
彼等の注意が此方に向こうと向くまいと頓着はせず、戸惑いがちに言葉を重ね]
君は……。
ユーリー君個人を、好ましいと感じているのかい?
そうだと言うなら、私は何も言わない。
けれど……違うと言うのなら、そんな謂われの無い奉仕のような真似は、止めたほうがいいよ。
[彼が狼を崇拝している事を差し引いても楽しそうだと言う事には気付かないから、気遣わしげな表情で水を差した]
放蕩息子 ベルナルトは、沈黙の カチューシャ を投票先に選びました。
[ユーリーの「潰れ方」と云う表現には顔を歪ませる。]
問題は、損傷具合ではないわ。
……冷蔵庫を、選びたくなかったから……いいえ、違うわね。人間にも人狼にも絶望したから列車を降りたの。
わたしは……みんなのように、乗り合わせた人と新しく人間関係を作る気がなかった。
物語の登場人物になれない存在は紙面から消した方が映えるでしょう?
[自嘲の笑み。]
―少し前―
そろそろ目的地に到着するのですねぇ。
[などと持ち前の貧乏性を取り戻して、再び列車内の設備を眺めて回っている。
そのまなざしは、「おーかみさま」と囁くサーシャに、よく似通っていたかも知れない。
そんな時ふと、ユーリーの尻尾をもふっているサーシャと目が合い、軽く溜息をつく。]
不憫ですねぇ。
いくら狼好きと言っても…、森林警備隊ぐらいで留めておけばよかったものの…。
[とかぶりをふっている。
しかし列車"マニア"も立派なマッドネスの範疇であることには気づいていない。]
……ユーリー君もユーリー君だよ。
[胸の爪痕を抱え、震える声で告げる]
エーテルさんは、自分から望んで死を選んだ。
……でもそれは、君を想ってのことだったのに。
[獣の寛ぎ切った姿に、痛みだけではなく眉を顰める。
震える息を吐き出し、もう一度死んでしまうのではないかと思うくらい痛む胸を押さえて]
薄情だ、君は。
………………酷いよ。
[息と共に吐き出した憤り。
彼に言葉が届くとも思えないけれど]
しかし君は、実に無神経ですねぇ。
[>>+72ユーリーがアナスタシアにかける言葉に、眉を跳ね上げて抗議している。]
標本が嫌なら…、剥製という手がありますよ。
どうですか?
[これが自分を殺した男であるらしい。―いや、狼か。
生前、その気負いのなさに少し心を許した相手であるので、悔恨にも似たような負の感情を抱くのであるが。
―目の前の相手は変わらず気負いがないので、なんとした物やら、と、やはり眉間に皺を寄せて溜息をつく。
(本当に剥製にされてしまうがいい。)
最終的にそう思いつくと、昏くにたりと笑った。]
>>+94
いや、なんでもない。
[内容は剣が入っていても、口調はほんのり柔らかになった気がする。
そんなロランをまた包むように抱きしめた。]
態度で表現するべきなんだろ?
[そして、こちらを見上げれば、またその額に口付けを落とす。
もう何かいろいろ、観念したわけで、
いやそれは観念というものではないんだろうけど…。]
列車降りたら、どうなるんだろうな。
[それから、ロランが生ける者のほうを見るのに倣った。
賢者の女が、逃げていく。
ジョーカーと自称する女が。]
[言い切ると、ずるりとその場に座り込む]
[激痛も、冷や汗も、浅い息も。
全てが生の記憶から来る幻覚だとは、理解しているつもりだけれど]
…………つらい。
[へたりとへたり込んだ。
その直ぐ傍――或いは、重なり異なる空間――を、死の隠れんぼに向かう小さな足音が、通り過ぎた]
[四人のうち誰のものでもない悲鳴に、ことり、首を傾げた。
やがてそれが哀れな運転士のものであることに気づけば、忘れてた、と呟いて。
名も知らぬ誰かの死を悼むような高度な機能は青年には未だ未搭載。]
―少し前―
好ましく?
[ダニールの言葉をオウム返し。一瞬手が止まるけれど、熟練の編み手が手元を見ずに作業を続けるように、すぐに再開。]
ユーリーが、おおかみさまじゃなかったら?
[思い出す。軽薄な様子に好感を抱いた覚えは……ない。]
う……。
[口ごもった。]
……運転手。
[忘れていた。
――訳では無いけれど、人狼は彼を襲う事は無いだろうと無意識に思い込んでいた]
駅まで、あとどれくらいなんだろう。
[列車を停めれば、目的地に着く事は無い。
生存者が揃って北の地を踏む事は]
…………どうするつもりだ?
[床にへたり込んだ格好のまま、前方へと意識を向けた]
……悲鳴?
[扉に掛けた手が止まる。
列車前方の闇に目を凝らした。]
………誰の?
いや、前に居るとしたらシャノアールか……
[その筈なのだが。嫌な予感が拭えない。
後ろの車両にちらと目を向け、それから前方車両へと走る。]
今にして思えば、やはりあなたを冷"凍"庫に捕縛しておけば良かったですねぇ。
その方が、安全だったかも知れません。
[>>+100 アナスタシアの言葉に、そちらへと向き直り、自嘲的な笑みを認めて眉を潜める。
表層的な現象に惑わされて、彼女を糾弾した筆頭は自分であったから。
彼女を突き落としたのは、自分だったのかも知れない、と気づいてしまった。]
あー、だめです。
死んでは、だめなんですよ…。
[彼女を冷凍庫に保存しておけば。
生き延びられれば、何かのきっかけで人生、どうなる物かは解らない。
それは、今こうして皆にお茶を淹れてくれている彼女を見れば、よく解る。]
生前に、こうしてたくさん言葉を交わせなかったことが悔やまれます。
[やっとそれだけ搾り出すように言った。]
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