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[呆気ないものだと思う。
払われた犠牲と、越えてきた幾多の超常的な戦闘からすれば。
ただ、終わったのだと。
なんとなく実感のないまま、佇んでいた。
境内を中心に重苦しいほど渦巻いていた甚大な魔力は、残滓も霧散し悉く消費されたようだが。
それ以外は何も変わらぬ。打ち捨てられ朽ちた阿須乃神社。
人の気配は周囲になく、忍神町の人々が還って来たのかも、三年前の聖杯戦争すら起こらなかった並行世界に単身飛ばされたのかも、皆目見当がつかない。
――そもそも、あの不公平極まりない願いが叶えられたのかさえ定かでなく。
人が作る兵器ですら、広範囲を壊すことは容易くとも、創造と復興には破壊とは比べ物にならない膨大な年月と労力が必要で。聖杯の奇跡、蓄えられた魔力が如何ほどに見合うのかも。増して、その聖杯の魔力を無頼陣たちが好き放題使いまくっていたし。
どうなったのだろう、と。
見上げた空の淵、投げかけられる光が眩しくて。――いや、耳朶を掠めていった風の中に、小さく小さく、懐かしい声が。名を呼ぶ声が。確かに聞こえて]
[視界が滲んだ。
嗚咽を堪えようと口元を覆った指先が、しょっぱい液体で濡れた。
振り向けない。
振り向いてはいけない。
自分の望みは、かの人が自分と関わったせいで命を落とさず、生きてくれることだったのだから。
喉まで出かかった、はるか、と呼ばわる声を封じ込めて。
光射す方へと、足音もなく歩み出した]
[地に長く落ちた影は、消えることなく。
それは自分の一部にして、自分のすべて。
その後も、望月胡蝶は、一人の忍者として魔術師として、夜の世界に生き続けるだろう。
どれだけのことが為せるのか、為せぬのか。
その名が歴史に残ることは、決してなく。
『音もなく、臭いもなく、知名もなく、勇名もなし、その功天地造化の如し』
そう志す通りの生き方を貫くのみ]
[しかし、本人の思惑と異なり残ってしまったものが一つだけある。
聖堂教会の管理する聖杯戦争の記録、その勝者として綴られた名。
最初はアーチャーの、後にセイバーのマスターとなった、望月胡蝶。
魔術師たちの間でも謎の存在であり、後世の誰も気に留めることなく、埋もれていく一途。
ただ知るのは、共に聖杯戦争の夜を駆けた、八騎の選ばれし英霊と魔術師だけ。
その幾らが、この世界に生き残っているのかは、定かではないけれど**]
………。
[胡蝶が出ていく様を見送って。
聖杯の前へとどかりと腰を下ろす。――左腕が灰となって崩れ落ちた。]
長かったものであるな。
[聖杯に呟けば、聖杯から闇のようなものが滲み出る。]
ふむ、これはね…。
僕の中に在り、また、僕を包みこんでいる闇だ。
君に見えているのはナルキッソスの姿だろうけど、今話している僕は、聖杯の意思…みたいなものだと、思ってくれ。
こっちの概念で話すには、都合がいいんだ。
君は、僕やナルキッソスが世界を…「滅ぼす」ことを望んでいたと知っているはずだね。
それを僕らが決意したのは、この闇に絶望していることを互いに確認したからだった。
人も願望機も、この闇に希望を見出せなかった。
そしてこの闇自体もまた、世界を滅ぼすというベクトルを持っている。この闇に喰われたものは、そういうベクトルを持つことになる。
この闇が何かを話す前に…
世界について、話をしよう。
生あるものが、死を望むことはない。
それは、ごく当たり前のことだ。
誰も、最初から滅びを望んでなどいない。
それは僕もそうだったし、僕と重なった彼…ナルキッソスにとっても同じことだった。
僕らにとって、世界は愛すべきものだった。
決して、憎むべきものではない。
我々が住んでいるこの世界は…ガイアよりも広い意味でのこの世界は、ただあるがままを望む眼差しを、すべてのものに向けている。
ただ自分を守ろうとするガイアにも、狭量な神々にも、愛なき人々にも、失われゆく文化にも、…生まれてくる生命にも。
例えば、世界が、人が何かを望むのと同じように、世界を滅ぼそうと「望む」ことなど、断じてありえることではない。
逆に、世界が滅びを「憎む」ということも、同じようにありえないことだ。
ただ世界は、あるがままであろうとする。
世界のありようが変わったと感じる時、それは自分自身が変わったということだ。
世界が滅びを望むように僕は感じたけれど、僕はどこかで、自分が滅びを望んでいたことを思い出すことができる。
僕がそれを意識し、決定的に意思を持って闇に抗い、世界を作り変えようと決めたのは、ナルキッソスが光と闇について知るべく僕に接触した時だった。
あの時、闇が噴き出したのは、僕らの願いが噛み合ったからだったんだろう。
彼は愛のない男だった。
多くの人々と、同じように。
ただ、彼は飛び抜けて美しかった。
彼の美しさは、神々をも惑わせた。
多くの人が彼の前に無条件で膝をつき、その手に口づけすることを求めた。
しかし彼は、愛するということをしなかった。
彼は綺麗な自分が好きで、その自分に何を知ろうともせずに群がる神や人を嫌悪していた。
彼が自分の役に立つものだけを選り分けて自分の傍に置くようになるまで、大した時間はかからなかった。
やがて、彼に向けられた愛と欲望は嫉妬と憎悪へと変わる。なぜ、彼だけがあんなにも美しいのか。なぜ、彼は自分のものにならないのか。なぜ、彼を自分の思うままにできないのか。
人々は彼を傷つけるようになった。
神々は彼を呪った。
傷付き呪われた彼は、その容姿と引き換えに、愛という感情を知ることができないという枷を与えられることになった。
それは、絶望だ。
人の愛と欲望を一身に受け、しかし自分は誰を愛することもできない。
やがて彼は孤独になり、自分の姿だけをその目に焼き付けて、死んだ。
彼は愛を知ることを望んだ。
それは光と闇を知ること。
彼は誰かを愛することを望んでいたし、愛することができると思っていた。
「だって、それは当り前のことじゃないか?」
だが、旅を続けた彼が見たのは、ほんの少しの「愛らしきもの」と、多くの「愛ではない何か」だった。
彼は多くの人と神から直接呪いを受けていた。
自分が人を愛せないのはその呪いがあったからだと思っていたし、事実そうでもあっただろう。
だが、多くの人と神は、彼と同じように、自分しか愛することができない。
それを僕は身にしみて知っていた。
彼はいつしか、僕に辿り着く。
遠く世界の根源へと至る門。
でも、彼がそこで見たのは…
人の心の闇に飲まれぽつりとたたずむ、聖杯という名の、世界を構成するちっぽけな一要素だった。
それが僕だ。
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