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そうだよ、ここは聖杯の中だ。
しかもこれは言わば僕の所有物とも言える。
既に聖杯は英霊たちの魔力を取り込んで満杯状態だ。
それを僕が取り込み、ただ放出する。
放出したマナはまた抽出すればいい。
この聖杯の中では、僕は神に等しい存在なんだよ。
さて、甚振られて死ぬのがいいか、それとも一思いに死ぬか。
どちらか決めさせてやるんだね。君らのマスターに。
[詩人が召喚した2体の騎士は、アサシンへと斬りかかる。
だが次の瞬間、その二体の胴体は突如現れた槍で貫かれた。
崩れゆく二体の向こう側では、白銀の槍と軽鎧に包まれたアサシンがいた。]
悪いけど、僕は肉弾戦が出来ないとも言っていないし、武器も鎧も持っていないとは言っていないよね。
君たちの宝具ほどの力は持たないけど、偽物の騎士を殺すくらいは出来るみたいだね。
増幅礼装とは、いわゆる魔術師が持つ魔術具(礼装)の中でも、魔術そのものを強化する役割を持つものを指す。
対して限定礼装とは、礼装そのものが単一の魔術理論を保有し、術師本人の魔力を起動キーとして魔術を発現する礼装のことを指す。イメージとしては「形になった魔術」「スイッチ一つで魔術刻印以上の複雑な魔術を発動する道具」と捉えてもらえればいいだろう。
シェムハザは限定礼装を用いて大気中の魔力を吸収し、吸収した魔力を増幅礼装を以って自身の魔術の強化にあてているようだ。つまり、シェムハザは、大気中にガソリンが存在する限りガソリン切れを起こさない擬似的な永久機関を体現しているというわけだな。
――あれで手加減ありとは。
……ああ、でも、そうでしょうね……!
[ 彼はほとんど消耗せぬままここにきたはずだ。加えて震えるほどの神性の高さ。高まる魔力は湧き出す豊かな湖、浪費と呼んで差し支えない注ぎ込みは、流れ落ちる瀑布のようなものだ ]
[姉、ゆりにはその声が幼い頃から聞こえていた。
同じように、妹の声も聞こえていた。
術を扱う為に必要な魔力は同等、けれど持つ属性も起源も反対の双子。
「さくらちゃんは、神様と同じ声をしてるんだよ」
嬉しそうな声が、さくらに届く。
それは果たして、本当に神の声なのか、それとも、刻印に秘められた誰かの言葉か]
ねぇ、さん。
[教会の奥、眠るさくらが呟く。
一体、何を願うはずだったのか、姉は、聖杯に何を]
[対になった羽から伝わる魔力の量は計り知れない。
>>194 続く言葉に、焦りからから、
それとも、時の迫りからか、額に汗が滲む。]
っ、マナが永久的に循環すると…、
[ただ、彼の言う言葉が真だとするなら、と、
クレティアンが囁いた言葉が甦る。]
…、武装まで。
[学者の装備といえば生前の白衣程度しか思い浮かばず。
ふと眼前に浮かぶ色褪せた地球儀を見下すが、
いやいや、と心で否定した。いやいや。]
―――…、ならば、抽出の間を与えなければ
多量召喚だ。
1体1体の致命傷が100%フィードバックではないと思うが…。
[でも大変だろうな。とは。]
制限(3)騎士が受けたダメージは全てではないにしろ物語の主たるクレティアンに伝わる(完全な肉盾にはできない)
うむ。どうやら全てではないようなので大丈夫だろう。
[「ねえ、聞こえる?」
「さくら」
「眠ってるの?」
「聖杯と、繋がっているのね」
「大丈夫だよ、さくらなら。
さくらが覚えた呪術を、ほんの少したけ変えてあげるの。
そうすれば、禁呪は禁呪でなくなるから」
「「のろい」なんて言うからいけないんだ。まじないって言えば良いのにね。
だって、「おまじない」は女の子の味方だもの」]
…、私の魔術でそれは―――
[時間は有限だ。けれど思考を止める事は、死に値する。
自分だけではここまでこうして戦い抜けなかった日々を思い出す。
共に戦い、その力を最も見た英霊は今、目の前にいる詩人その人で、]
クレティアン。
[―――託すなら、]
…あなたの、あの円卓の騎士たちの力、
私も信じさせて 貰えませんか。
[彼以外には、あり得ない。]
――っ、く……!!
[ 胴を貫かれた騎士の傷、
その跳ね返りの痛みに半歩よろめいた。
されどこれは物語の円――]
途切れなければ……私のものだ……!
[ 矢を番えるのは無駄なしの弓の騎士、トリスタン。
かの足利尊氏との戦いでそうしたように、
放つは矢の雨である。]
っ、ああやって武装してはいるが
・・・ ・・
実体は、ある。
届きさえすれば、……この、音が!
[ 異様に高い神性、
それに反するような気配の手触りがある。
天使なのに、まるで人間のようではないか、と――]
[「私たちは、のろいを、いわいに変えてきた。なら、残った禁呪だって、変えられるよ。
だって、今のさくらには全部揃ってるんだから。
魔力を増幅させる刻印も祝術も禁呪も、それを扱う為の性質だって」
「目が覚めたら、さくらの声が、ききたいな」
途切れる声は、さくらの頭にだけ響く。
眠りに落ちているさくらには、聞こえないまま――]
――、キャスター……?
[ この戦場にあって、
静かな、凪のような声がかかる。
それが、何の意味を持つことばなのか――咀嚼するように一拍の間を置いた。]
……、
物語は、……聞いて
心に残してくれる人がいて
初めて力を持つ。
――信じてくれるなら、応えよう。
……騎士、なのだから。
[ 己も、――物語の、彼らも。 ]
ではあなたの紡ぐ物語に、
私達が生きるこの大地の恵みの色を添えて下さい。
やだな、信じますよ。
だから、―――…少し、耐えて下さい。
―――、すぐ、慣れます。
[ぱちり][じりっ、]
[世界図に再び手を添えて、龍脈の力を感じ取る。]
地とは、数多の生を生み出し源
地とは、数多の死を受け入れし母
地とは、時に怒り、鎮める厳しき父
[一重の魔方陣が展開し、]
地なくして星はなく、
地なくして命なし。
地は如何なる死も拒まない。
地は如何なる生も差別しない。
[二重、そして―――]
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