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─回想・アニュエラの道具屋─
そう。アナタなの。
[泡をくった情報屋から、TVをつけてみろと連絡を受けて、そこに写る少女を見て]
[いつもの微笑を消して、どこまでも無表情でつぶやく]
納得がいくわ。
成る程確かに、アナタはあたしを怨んでるし、あたしを恐れていないし、あたし以上に恐ろしいでしょう。
そう、アナタなの。
不足はないわ。るーこ様の仇として。
アナタから何もかもを奪い、思いつく限りの目に合わせてあげる。アナタが何をしたのか、思い知らせてあげるわ。
[そこに、カンナギがやってきて]
[最初は邪険にしたものの、NOAHへ行くのだと言われればパーツを出してきた]
[乗せていく、という提案には首を左右にしたが、代わりに鐘のようなものを渡した]
アナタはジンロウ町最速の人。でも、魔力ではあちらの方が上だわ。
だからこれをあげる。沈黙の鐘よ。これを鳴らせば、わずかの間だけど、魔法効果を打ち消せる。魔法の炎や雷を向けられても、無効化できるでしょう。
でも、気をつけて。
魔法で持ち上げた岩とか、実体のある剣とかを魔法で飛ばされたのなら、これでは防げない。物体そのものは、魔法じゃないから。
それとコレを。
[と言って渡すのは、すごく短い鉤爪のようなもの]
魔法の鉤爪よ。すごく長く伸びる上に、けして切れない。
中についたら、これを折れたり砕けたりしないようなところにひっかけて、後は爪を地上に向けて下ろして。
あの箱舟とやらを、係留し、引き摺り下ろしてやるのよ。
[その時のアニュエラの微笑みは、邪悪だったろうか]
[鐘のようなものを渡されて。『あげる』と言われて。ぱちくりと鐘とアニーとを見比べる]
…ありがと。
でも…『あげる』って、『あげる』ってこと?
[たしかに魔法に対抗する手段は、あるに越したことはないのだけれど。
思わず間抜けた問いが口をつく。
なんだろうこれ。『タダより高いものはない』類の品か、はたまたなんかの死亡フラグかと、怪訝な目でアニーを見つめる。その視線は、いつだったか、苛立っていたアニーに、らしくないよ?って声をかけたときと、同じもの。
ただ。まぁ。くれるっていうなら。もらっとくことにする]
ンじゃ、ゆー、持っといてくれる?
使うタイミングは、任せるから。
[魔法を使うという意味なら、ユーリも使うのだし。それに…あるいは魔法めいた存在の、いまのユーリに、何か影響が出ないともかぎらないから。
使うタイミングは、任せておくことにする。『世界』なんて規格外の魔法なのだから、たぶんだいじょうぶだろうとは、思うけれど]
―ヒーロー協会第11支部―
[シャルロット(今はルピナスだが)の言う通り、他の皆が駆けつけているのか隕石や落雷による被害からの応援要請は来なかった]
まあ1人で100万馬力な行動を取るのがヒーローだと聞いたことがあるしな、あいつらは全てを護る事が出来るだろうよ。
[上空から入り口を確認して高度を下げた時、こちら側へと飛び出してくる人影が見えた]
ドンファンではないか。何故あいつが此処に…?
シャルロット、このまま合流しても大丈夫だろうか。向こうでも何か情報を得ているかも知れん。それも合わせて得られたらどうかと思うが…いじげんてくのろGの件やあの機械についてはどうしたものか。
[ゆっくりと降下しながらシャルロットに問うた]
ん。了解。承りました。
[続いて渡される魔法の鉤爪も、特に何かに気を払う様子もなく受け取る]
…ああそうそう。係留するにしても引き摺り下ろすにしてもかまわないけど。
もう人が乗ってるみたいならあんまり無茶しないようにね。
あにゅーがそっちに手出すようなら、そっちはそっちでジャスティスしなきゃいけなくなるから。
[それはつまり、非戦闘員が戦闘に加わるなら無理やりにでも外へと連れ出すということ。意識するつもりはなかったけど。遠まわしに、信徒の人たちを戦闘に加えることに、釘を刺すことになっただろうか]
メイアの声明は、何度も見たわ。
でも、あれは嘘よ。お為ごかしだわね。
[断言]
[なぜなら]
この町は、必要があってこういう事情になってるの。この町が嫌なら、町を出て他に行けばいいのよ。
ここにいる人たちは、ヒーローも怪人も、一般人ですら、ここにしかいられないから、ここにいる。
百歩譲って、「ヒーローと怪人をいなくする」なら、賛成する一般人もいるでしょう。
住み慣れた場所に住み続けたい、でも暮らしは更に良くしたい、というのは自然な感情だわ。
でも。
自分がどこかへ行く、ならば結局は同じこと。
違う。
メイアは、一般人の気持ちは分からないし、一般人のことなんてこれっぽっちも考えていない。
乗ってるという一般人だって、本当に生きてるかどうか。
― ヒーロー協会第11支部 ―
[高度が下がって来ると、ドンファンの姿が見える]
あらら〜、よりによってこんな所で一番警戒しなくてはいけない相手に出会ってしまいますのね。
[グラジオラスに意見を問われると]
私としては、合流すること自体は問題ないと思います。ただ、喫茶まろんで見つけた機械の事だけは、秘密にしておいた方が良いかも知れませんね。
ドンファンさんが合言葉をご存知のようですから、両方のパーツが揃ったところで『バルス!』みたいな事を言われてしまうと大変な事になりそうですから。
[と、自身の意見を述べた]
あたし達がメイアと戦った時、彼女は躊躇無く町へ、火炎流や電撃を放ったわね。
あれが彼女の本性だと思うわ。
彼女が大事なのは、自分だけよ。あの影の男には、少し入れ込んでいたようだけど……。あれは特例だと思う。
だから……。
彼女こそ、一般人の敵。
正義の敵は悪で、悪の敵が正義であるように。
彼女は、力無き者の敵。
[言外の]
[信徒にも戦う権利があるという意味は、伝わっただろうか]
[ただ。もちろんそれだって]
[お為ごかし]
[自分だけが大事なのはアニュエラも一緒。ただ、今はそれがたまたま、正義や一般人に都合のいい方向に向いているだけ]
んんー…いや、難しいことはよく…分かんないけどさ。
[言って、頬をかく。おためごかしって言われても>>73>>75、なんというかその、困る。ただ、一般人の敵って部分は、分かった。自分も目の前で見てたから]
まぁ。でも。
力なき皆様方が戦わなくてもいいようにいっつもジャスティスしてるっていうかー…
うん。そう。
[こうやって言うのがしっくり来るかな]
町民の皆様方にジャスティスされちゃったら、ジャスティス急便は商売上がったりだよ。
[言って]
ただ…んー…まぁ。
戦いたいって人引き止めるのも、ジャスティスとは違う、かな。
[だったら、日夜戦い続けるモブヒーローまで止めなきゃならなくなるし。それはまたちょっと、話が違う。
彼らを止めるとするなら。戦いに敗れ、死にそうになったそのときくらいだろうか]
[シャルロットから意見>>74を聞くと明らかに眉間にシワを寄せた]
厄介だな、そもそもあの機械が大きく関わって来る事を訊ねに来たというのに。
その「ばるす」とやらは良く解らんが、多分我々自然界に生きる者の脅威「めがんて」と似たようなものなのだろうと推測しておく。
今そのような事になってはたまらんな…済まんがあいつと情報をやりとりする事になったら少し口添えを頼む。
何処まで話して良いか・何処からが駄目なのか明確な線引きが出来ておらんでな。
[ふわりと地上に降り立ち、ドンファンが駆けて来るのを手を振って呼び止めた。そこで初めて箱舟についての話を聞く]
箱舟?いや、私はテレビを見ておらんのでそのようなニュースは耳にしていない。何があった?
[あれだ、と中心部上空を指されたならば巨大な箱舟の存在にようやく気付いただろうか]
―回想・喫茶まろんを出る前―
い、いえ、その、ほんとに、ごめ……
[グーを握ったまま、わたわたしていると。なぜか撫でられて。>>30]
え、……あ、……
[なぜか、なにやらこそばゆいものが、浮き上がってきて。 薄薔薇色に染まった顔をそっと伏せて、はにかんだ。
そうこうしているうちに、カンナギも亭主の不在に気がついた様子で。]
あ……、そう。店主のおじ様も、お留守みたい。
お買い物にでも行っちゃったのかな。
でもそのうちきっと、「バカモーン、廊下に……(以下略)」って言いながら、帰ってきますよね。
[なにかツッコミを入れられたかもしれない。
ふと、見上げた天井も、寂しげで。]
…っと。長くなったかな。
[受け取った鉤爪があるなら、ドンファンからの連絡を待つこともないだろうと]
もしもしドンファンくん?
こっちはこっちで目処が立ったから。乗り込むつもりだったら中心街までおいで。
あにゅーの道具使わせてもらうから、きちんとお礼言っとくようにね。
[一応、あらかじめ電話だけしておいて]
ンじゃあ行くけど…
ゆー、だいじょうぶ?
…きっとまた、助けてもらうと思うけど。無理だけはしないでね?
[がしゃりとジャス天号のスタンドを上げながら。走り出す前に、ユーリに言っておく。自分が痛いのより、ゆーが痛いほうが、辛いから、と。くしゃっと一回、その頭をなでて]
では。ジャスティス急便。
行きます!
[一声上げて。飛空挺に乗り込むべく。ジャス天号は一気に加速して行った]
[>>76カンナギの様子に、ついムキになって、味方に引き入れようとしすぎたようだ、と反省する]
[無理に黒塗りしなくても、普通に考えてメイアルは悪。ほうっておけば、メッキは剥がれる]
簡単に言えば。
一番足の速いアナタが、先に行ってジャスティスしておいて。
あたしも必ず後から追いついて、一緒にジャスティスするから。
ってことよ。
[にこりと、微笑んだ]
行ってらっしゃい。
あたしが行くまでに、倒れちゃダメよ?
[手を振って、見送った]
[グラジオラスが眉間にシワを寄せながら話した言葉>>77に対して]
問題は、ドンファンさんが私達の味方になるか敵になるかがわからないと言う点です。
「見かけたけれども今は持っていない」と言ってしまって、ドンファンさんがどういう反応をするのかを見るのも一つの手かも知れませんね。
あの方、思った事を正直におっしゃってしまいそうですから。
よっ。
[燃え落ちた教会に残った鐘楼を踏み台に]
ほっ。
[廃墟と化したジンロウTVを跳び移り]
はっ。
[ジンロウ町駅の高架で助走をつけて]
よいしょっ…っと。
[中心街のビルから一気に、跳び上がる]
…まいどっ!
あなたの町のジャスティス急便、ジャスティスの配達があると聞いて伺いました!!
[ざしぁっ]
[飛空挺の甲板に。能天気に告げる声が響いた]
責任者の方はいらっしゃいますか?
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