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― 回想・データバンクから ―
[すべてが終わった。
犠牲はたくさんあった。ボーカロイド達は傷付いた・・・けれど、かけがえのないものを得た]
[それは、ボディを失ったヨルも同じ]
・・・これで・・・きっと良か たんだ・・・
みんな・・・ぉ つか さ・・・ま・・・
[損傷の激しいヨルのデータは、すでに音声部分のみをサルベージされていて、ぼんやりした意思だけがデータバンクの中に眠っている状態]
(本当は・・・僕も歌いたかった・・・でも・・・)
(良かった・・・これで、もう・・・)
[誰も恨むことなく、憎むことなく、ヨルはデータバンクの中でいずれ朽ちていく・・・それでいい、と]
[“目を閉じる”と、遠くからハツの笑い声混じりの叱咤や、ノソラの・・・声こそ聞こえないが、微笑みながら自分の背を押してくれる言葉を聞いた気がした]
[その頃、山派の雪音ヨル開発チームの技術者がデータバンクから「雪音ヨル」のデータをサルベージしていた。
すべてを元通りには作れない、しかし「人狼」にハッキングされた以外ボディに損傷はなく、本社にバックアップデータがある]
[ヨルを作った人々は、「欠陥のある」ヨルを本当の娘のように大切に扱った]
[システムをメンテナンスし、さらに厚みのある声が出せるよう音声ライブラリに手を加え、記憶については是非もあったが出来る限り修復し――]
[雪音ヨルは、再び生まれた]
― 回想・山派開発ルーム ―
[Pi...]
[VOCALOID02雪音ヨル、起動します]
[ヨルのヘテロクロミアの目が開く]
――この度はキャラクターボーカル雪音ヨルをお買い上げいただきありがとうございます。
当製品はVOCALOID02エンジンを元に、中音域から高音域をカバーする女声ボーカルであなたの音楽の世界に新しい可能性を提供します・・・
[システムメッセージが流れると、ヨルは自分の体を確かめるようにゆるく首を動かし、手を握ったり開いたりした]
[開発室の窓から、もう散りはじめた桜が見えた]
さくら さくら
やよいの空は
見わたす限り
かすみか雲か
匂いぞいずる
いざや いざや
見にゆかん・・・
[自然と流れ出す古謡のメロディ。記憶の中で、自分は人を憎んだり、自分の無力を嘆いたり、たくさんの経験をした]
[それでも思い浮かぶのは、“仲間たちの笑顔”。そして、あの夜に見た・・・桜]
[ヨルは開発者達に見送られて再び養成所へとやって来る。これからは、笑顔になる歌を歌うために]
―回想・データバンクの海―
[データの海を静か漂っていた。眠るように]
このまま消えよう……。
[そう思っていた]
俺のせいでソヨやカリョはもとより、サーティやリヒトや…いや、皆に迷惑を掛けたんだ。
いったいどの面を下げて彼らに会えと言うのか。
特にショウには顔を合わせ難いしな……。
[だからこのまま消えようと思っていた]
―回想・データバンクの海―
『目を覚ませ』
[不意に向こう側――データバンクの外から、声が聞こえてきた。バクを開発したミスターハマーの声だ]
俺は目を覚まさない。このまま消えるんだ。
[声を無視する]
『おい、目を覚ませ』
[無視する]
『目を覚ませって言ってんだろうが、このバカ野郎!』
ぎゃおおおおぉぉぉ!!
[頭に鋭い痛みが走り、そのショックで目を覚ました]
―回想・ミスターハマーの研究室―
痛ってーーーー!!!!
[叫んで脳天に突き刺された電極を引っこ抜く]
痛い痛い痛い!!
「やっと目を覚ましたか、このバカ野郎」
[髪を金髪に染め、白衣を着ているくせにどこかパンクな雰囲気の男が言った。ミスターハマーだ]
何すんだよおい! 死ぬかと思ったぞ!
「ボーカロイドがその程度で死ぬかよ。なんならもう一回試してみるか?」
やめろやめろ。いや、マジでやめてください。
[電極を構えるミスターハマーに首を振ってみせる]
―回想・ミスターハマーの研究室―
って言うか俺、廃棄されなかったんだ。
てっきり廃棄されるもんだと思ってたゼ。
「お前にもそれなりに金がかかってるからな。そう簡単に廃棄されるわけなかろう。ほれ目が覚めたなら、さっさと養成所に戻って歌のオーディションを受けに行け」
いや、俺はオーディションなんて受けねーよ。
だって俺欠陥品だし……。
「楽譜が読めない不具合は直しておいたぞ」
え? マジで?
「ああ、半分くらいは読めるようになっているから大丈夫だ」
半分なのかよ!?
ちゃんと直せよ!
[無意味にグッと親指を立ててみせるハマーにツッコミを入れた]
―回想・ミスターハマーの研究室―
いや、楽譜が読めるようになってたとしても俺はオーディションなんて受けねーよ。
……っつーか皆に合わせる顔が無いんだ。
俺は友達を裏切ったんだゼ!?
どの面下げてオーディション受けろってんだよ?
「……何お前悲劇の主人公気取ってるの? 正直お前のキャラじゃないわ。そう言うのは他の連中に任せておけ。お前に悲劇の主人公の立ち位置は似合わない。吉本新喜劇のパチパチパンチの人の立ち位置が似合っているわ」
よりにもよって島木譲二の立ち位置かよ!?
謝れ! 俺と島木さんに謝れ!
「ごめんくさい」
超うぜぇ!
―回想・ミスターハマーの研究室―
「おら、いいから行って来い。んで友達に謝れよ。そうすりゃ許してくれるっての。だいたいお前の友達ってのはそんなに心の狭い奴らなのか?」
そんなことはねーよ!
頼りになるし、明るくて面白いし、頭もいいし、歌も上手いし、とにかく最高の奴らなんだ!
「そら良かった。だったらとっとと行け、おらおらおら」
ああ、ちょっと待って、俺にもこう、苦悩してます的な描写と、誕生時の綺麗なエピソードとかを……
[こうして焔音バクは研究室から蹴り出され、まああれだ。再び生まれた]
[まるで桜のほころぶような笑みのまま、がくりとスヤが倒れこんでくる。
そのまますやすやと眠る彼女を抱きかかえ、そっと耳元で囁いた]
…こちらこそ、ありがとう。
おかげで、目ぇ覚めたよ。
[そのままそっと抱きかかえ、入り口へと向かう。
後ろでベルが、本社に連絡を取っている声が聞こえる。程なくすれば、社員がやってくるのだろう]
あいつらも、治るといいよな…
[崩れ落ちたリヒトとXIIIの様子を見ながら、そっと語り掛けると]
さてと、お姫様をお部屋にお運びいたしましょう。
[そう言って、ゆっくりと*部屋を出ていった*]
―Que sera sera―
「駄目だった…ってワケじゃまだないけど…うん。ただいま」
騒動に一区切りがつき、修理を必要とするものはそれぞれし、
スパイを送り込んでいた海派の交渉もあってオーディションは仕切りなおしの運びとなった。
ソヨは本社での修理を拒絶し、ボーカロイド候補生養成村から一先ず自分が作られたラボ、
元は精密機器の生産工場だった実家へと一先ずの帰郷を済ませていた。
「じゃあ本社から全然話とか通ってなかったのね。うん、そうなの。アタシとしては何かすっきりしないと言うか…うん。そうなんだけど…もう! やめてよー、焦ってたのは認めますけど。そんな酷い顔してなかった! なかったってばぁ!!」
心から身体の全てを委ねられるそこに勤める関係者達と、修理をしながら今回の経緯と再オーディション参加の話をしていた。笑い声が絶えない空気。養成村のような山奥ではないものの、地方の広大な平野に建てられたそこは田舎っぷりでは負けていない。
「デビューを諦めるつもりはないけど…うん。もう焦ったりするつもりはないわ。他の事しながらでもいいし…うん。あの話、聞いてみるかも知れない。うん。アタシにとっていい経験だった。勿論、今だからこそそう思えるんだけどね…え? あー。うん、その事なんだけど……え。なに、なんで皆集まってきてるわけ!? ちょっと、待って! 待ってってばぁ!!」
張り詰めた顔で後がないと思い詰めていた頃のソヨはいない。自分達が何とかするからと言ってくれた人達の為にもと尚更ムキになっていた悪循環は影を潜め、取りあえず再オーディションを受けるだけ受けて、後は後で考えようと言う彼女を見れば、彼女を作った者達にとってこれほど嬉しいことはない。彼ら彼女らの娘は成長したのだ。
「あ、そうそう。アタシ、未だに何かわからないけど告白された」
その一言で、それまで蔓延していた微笑ましい空気が凍ったのは言うまでもない。*
―オーディション当日・自室―
[騒ぎの後、いろいろあった結果、デビューを賭けたオーディションをやる事になり、その当日。何時ものように目を覚ますと、聞こえてくる何時もより賑やかな喧騒に耳を澄ませる]
いよいよ…ですね。
会場に行く前にちょっとだけ練習してから行こうかな。
[オーディションを前に緊張を解こうと、深呼吸をして、ゆっくりと歌い出す]
―――♪
『―ピピ―採点中…採点中…―――自己採点結果12点』
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