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うん。ロラン、女の子でも友達、だから。
[こくこくと、首が吹っ飛ぶんじゃないかという勢いでうなずく。……彼にとっても、初めての友人なのだから。]
慎ましいのは、いいことだよ。
[かつて聞いた教会のお説教を思い出して、フォローしたつもりだった。他意はない。]
髪……長かったんだ。
[そのときの様子を想像するように、じーっとロランを見つめた**]
……そうだな、
君はずっとそう言っていた。
狼に食べられたい、と。
それが幸福だと――、けれど私はそれは悲しい気がして。
君は私の望みが叶うと言ってくれたのに、
私は君の望みが叶わないことを願ってた。
[少しそれにはすまなそうな顔をして、
べつのこと、とひとつ言葉を繰り返す]
変わったかどうかはわからないけれど……
もう、それを取り戻す機会もないけれど。
でも君がそんな仮定を考えてくれるのは、
……なんだろう、少し救われる気分がする。
[...の口から漏れるのは、いつかの言葉]
貴方が真実に、私を愛したいというのなら…
私は貴方の言葉に応えましょう。
貴方が恐れる全ての者を、私が取り除いてあげましょう。
…でも、今の貴方は真実の貴方では無い。
貴方は貴方を恐れている。
貴方が真実に私を愛さなければ
私は貴方の言葉に答える事が出来ない。
教えて…
貴方は、何を求めているの?
私の体が欲しいのであれば、いくらでも差し上げるわ。
私の心が不要なら憑依すれば良い
でも…それは、真実の私の愛を手に入れた事にはならない。
――――ッ!!!
[じわりじわりと力を篭める指先は緩やかな死を齎す為でなく、自身の迷いに依るもの。
子供の細い首を手折るのは容易いだろう。
だが、今自分の腕の先に居るのが、殺めようとしているのが、なぜあの少女なのだろうか。
救おうとしていた少女を、殺すのか。分からない。分からない。]
………お前が死んでも死ななくても、
戻ることはないんだろ。
[悪霊のその笑顔は、全てを見透かすかのようで。]
狼様と、一つになりたかった。
[彼女の言葉を、肯定する。]
占い師、騙ったりするほかにも、役に立てると思ったから。食べてもらえたら、ずっと幸せなままだと思ったから。
[肉体を失ったせいか、妙におぼろげなかつての感情。それをなぞるように。]
……でも。
おれは、ロランが撃たれて、すごく泣いたから。
おれが喰われたら、ロランも悲しかっただろう、って、今思う。
[ミハイルと話したとき──狂人の貌を見せたとき、必死に止めていた姿を思い出す。]
食べてもらえなくていいから、ロランのとこに行きたいって、さっきは思ったけど。
よくわかんないけど、それとも、違う気がする。
[ロランとともに生きてみたかったのだと。その思いに青年が気づくのは、もう少し先だろう。]
>>183
在る……ぞ……。
[息苦しそうに、それでも笑顔を崩さず、そう云う。]
条件次第で……出て行ってやってもいい……。
[多分町では。
それぞれの人の位置がもう既に決まってしまっていて。
自分が入り込む余地などなかったのだと思う。
―もしくは。
この少年と同じように、努力を怠っていただけかも知れない。
サーシャの「おおかみさま」に当るのは、写眞店の男にとっての「仕事」と「列車」か。
列車の不確定な状況は、固まり切らない砂岩のようで、各々の配置が容易く変化していたけれども。
自分も、それに助けられたのだけれども。]
やっと、何か掴めると思えた時にはこのザマですからねぇ。
[人生実にままならない、と、皮肉な気持ちで、サーシャとロランをかしゃり、とフレームに収めてみた。]
[そして一方では、ベルナルトが苦境に立たされていた。]
本当に、趣味が悪いったらありゃしませんねぇ…。
[そこに居られない事は、幸運か、不運か。
幾度目かの問いを自分に課す。
…不運だ。]**
………何だと?
[「条件」―――以前の騒動で幾度も耳にした言葉だ。
手を離さぬまま、小さく舌打ちをする。]
一体、何をしろってんだ?
[瞳を伏せる]
…まって。まだ、貴方の答えを…聞いて…いな…
[ナイフは思いのほか深く突き刺さった様。ユーリーの手当てを受けて尚、傷口から溢れる血液は、どす黒く、とめどなく、...の服を赤く染めていく。
...は、そのまま瞳を閉じ、意識を失った**]
>>185
代わりの躰を見つけるまで、私を護衛しろ。
早い話が、この列車の中にはもう私が使えそうな躰は存在しないんだよ。
ついでにあいつらは、割と見境が無いからな。私が入ってるのに、この躰を「美味しそう」と襲って来たりしたんだぞ? いやあ、あれは。死ぬかと思ったな。あの頃は近くに都合の良い躰が在ったから、別に死んでも良かったんだけどな。
さて、どうする?
このまま力を込めれば、私とカチューシャは死ぬ。私はまあ、そうだな……こんな処で放り出されたら、適当な躰を見つける前に消滅してしまうだろうね?
全く、困ったモノだよ。
そう、あの男が好いたあの女を……散々汚してやると云うのも、実に愉しそうだったし、な。
[それはとても邪悪な笑みで。決して世の中に解き放って良い存在では無い事が解るだろう。]
それで、お前はどうする。
気になる女の為に、気に入らない女の言いなりになり、自らの手を汚す覚悟は……在るか?
[その目は、紅茶色に燃えていた。]
お前の覚悟を。選択を―――聞かせてくれよ、ベルナルト。
[サーシャから頭突かれたデコと蹴られたわき腹を自分でさすりつつ、
ロランは、それでも傍に来て、そこをさすってくれた。]
お前、優しすぎだろ。
まぁ、こんなんたいしたことねぇよ。
[そして、サーシャの元に行くのには行け行けと手をひらひら振る。]
………護衛。
満身創痍の怪我人に護衛をさせてぇってのは、また随分だな。
……、確認するぜ。
代わりの身体を見つけるまでってのは、北に着くまでって意味か?
んで、「あいつら」ってのは人狼か。
人狼から護ってやりゃ、四の五の言わずにカチューシャから抜けてやる、と。
全てが終わったら、魂は戻ってくるんだろな?
使われるだけ使われて、死体が残りましたってんじゃ引き受けらんねえ。
[問い詰める様に、更に指先に力を篭める。
白い肌に食い込む自分の指から、そして少女が浮かべる邪悪な笑みから――目を逸らした。
それは、殆ど肯定に近い、弱すぎる抵抗。]
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