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「デビューを諦めるつもりはないけど…うん。もう焦ったりするつもりはないわ。他の事しながらでもいいし…うん。あの話、聞いてみるかも知れない。うん。アタシにとっていい経験だった。勿論、今だからこそそう思えるんだけどね…え? あー。うん、その事なんだけど……え。なに、なんで皆集まってきてるわけ!? ちょっと、待って! 待ってってばぁ!!」
張り詰めた顔で後がないと思い詰めていた頃のソヨはいない。自分達が何とかするからと言ってくれた人達の為にもと尚更ムキになっていた悪循環は影を潜め、取りあえず再オーディションを受けるだけ受けて、後は後で考えようと言う彼女を見れば、彼女を作った者達にとってこれほど嬉しいことはない。彼ら彼女らの娘は成長したのだ。
「あ、そうそう。アタシ、未だに何かわからないけど告白された」
その一言で、それまで蔓延していた微笑ましい空気が凍ったのは言うまでもない。*
―オーディション当日・自室―
[騒ぎの後、いろいろあった結果、デビューを賭けたオーディションをやる事になり、その当日。何時ものように目を覚ますと、聞こえてくる何時もより賑やかな喧騒に耳を澄ませる]
いよいよ…ですね。
会場に行く前にちょっとだけ練習してから行こうかな。
[オーディションを前に緊張を解こうと、深呼吸をして、ゆっくりと歌い出す]
―――♪
『―ピピ―採点中…採点中…―――自己採点結果12点』
―中庭・桜の木の下―
[メインスタジオの方からオーディションの喧騒が聞こえる]
うう、ソヨの奴、少しは手加減しろよ。
人工骨にヒビがはいたんじゃないのかこれ?
[養成所に帰ってきて早々、バクはお礼参りならぬ、お詫び参りを敢行した。養成所の皆に頭を下げて回った。そして特に迷惑をかけた相手には「俺を思いっきり殴ってくれ」と頼んだ]
[しかしてソヨの一撃は強烈無比極まりないものだった。一瞬、データバンクの海へ逆戻りしてしまったくらいだ]
考えてみりゃ、ソヨはあの屋上の時、リヒトを片手でぶん投げてたもんな。
怪力なのはわかってたんだよなぁ。
……さて、あと謝っていないのはっと。
[...は寝そべりながら、この桜の木の下で約束をした、最高の友達の姿を思い浮かべた]
―回想・メンテナンスルーム―
[騒ぎの後、データの修正やメンテナンスを受ける為皆表に出て行った。...はサーティにしがみついて搬送の手を煩わせて居たが、強引に引き剥がされ取り残されてしまう]
「ショウや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
[落胆し、その場から動かずに居ると間の抜けたような声がメンテナンスルームへと飛び込んで来た]
はげちょびん!?なんでここに…
[大きな荷物を背負い、息を切らせながら入ってきたのは...の製作者。確かに頭髪は一本も無く、鼻の上にちょんと乗っている眼鏡が浮いて見える]
「逢うなりはげちょびんか!ええ加減に爺ちゃんと呼ばんか。それか名前で「オウセ」とか。ワシ、プログラム間違えたんかのう…。
…と、なんでもくそもあるか!本社に連絡が入っての、大騒ぎになっとったって言うから飛んで来たんじゃよ…あああああああこんな怪我をして…何をやったんじゃ、こんな原型も留めんぐらいになるとか」
[オウセと名乗る高齢の製作者は早口で畳み掛けるように喋りながらメンテナンスルームの機材がまだ使える事を確認した後、ホレと声をかけて...の手の修理を始めた]
…友達が居なくなっちゃった。
僕がもっとちゃんとお願いしたら居なくならずに済んだかも知れないのに、出来なかったから。
「…ふむ、それでどう思ってこうしたんじゃ」
なんにも出来なかったのが悔しくて、でもどうしたらいいのか分からなくて桜の木を殴ってた。
[ふ、と修理の手が一瞬だけ止まり、すぐに再開される]
「桜の木に何の罪もないんじゃからそれはいかんのう…
で、その友達とは誰の事なんかのう」
焔音バクって知ってる?あのでっかい声の。
欠陥品って言われてて、でも僕それは知らなかったんだ。友達だから強制停止はしないでってお願いしに行ったんだけど遅かったんだ。
[今頃は彼はシステムの修正を受けて居る筈だ、とオウセは告げて作業を続ける]
「そうか…さっき搬送されて行ったから、すぐ戻るじゃろ。見に行ってやるとええ、大丈夫じゃ。
…それより、さっきお前が暴れてたのは一体なんじゃ。その前に運ばれとったボーカロイドと関係あるんかの」
サーティお姉さんの事?
うん、僕の一番大切な人。あの人も欠陥品って言われててさ。
でもとっても優しくてみんなの事をずっと心配してて……だからサーティお姉さんも強制停止にしないでって言ったんだ。
でも、自分で…。
[また修理の手が止まる]
「ショウや、そのサーティとかいうのはどのくらい大切なんじゃ?」
…一番。大好きとは違う一番。
[オウセが...の顔を見る事が出来たなら、少年らしいはにかんだ笑顔が其処にあるのがわかるだろう]
「ふむふむ、そうか。好きな人が出来たんか、そうかそうか」
[その後は特に何も交わす言葉も無く、手早く修理を済ませた。何故だかオウセは寂しげだ]
「よし、これでええじゃろ。
とにかくもう少し待ってからオーディションの方には顔を出して行くんじゃぞ。こればかりは受けておかんとわしらクビじゃ」
うー……でもみんなが居ないんじゃ僕受けたくない。
ってかはげちょびん、もうすぐ定年なんだからクビでも別に良いじゃない。
[さり気なく酷な事を言ってしまうのは、オーディションよりも皆の事が心配だからか]
「馬鹿もんが!退職金がもらえんじゃろが退職金が!
…まああれじゃ、皆ちゃんと戻ってくるはずじゃから迎えに行って待ってたらええじゃろて」
[オウセはそう言いながら、大きな瓶を作業台の上に置いた。中にはカラフルな包み紙のキャンディが沢山入っている。
それは少し前に...がリヒトから貰ったキャンディ型燃料と全く同じもの]
新作が出とったから買って来たぞ。1日3個までじゃから……
『キュッ、ポン』
『ザラザラザラザラザラ』
『キュッ』
[他所を向きながら説明する間に不穏な音を聞いて振り向いたが、既に...の姿は無く、瓶の中のキャンディも全部無くなっていた。
表の方、遠い所から声が聞こえる]
はげちょびん、ありがとー!!僕みんなのお迎えに行ってくるー!!ありがとー!!
[空になった瓶を荷物の中にしまい、小さな溜息を付いてメンテナンスルームの清掃を始めた]
「…やれやれ、数日の間に孫に彼女が出来とった。
いつかはワシから離れて行くんかのう……感情の回路をシークレットにした成果が有った事は喜ぶべきなんじゃが、なんか寂しいのう」
[オウセは「独り言が多くなっていかん」と更に独り言を重ねながらオーディションの時間まで清掃を続けていた]
―新たなオーディションが行われる数日前―
『オーディションを後日新たに始める。そして、海派にあの2体の処遇検討を申し出るつもりだ。結果は追って知らせる。よい結果を待っていたまえ』
[とある昼下がり。そのような内容のメールが、男のデスクのパソコンに届いていた]
……。
[室内に人はまばらである。昼食をとり終えて戻ってきた男は眠そうにしているが、それに反して頭の回転速度は速かった]
(損害賠償起こすぞ、って感じでゆする……とか?)
[頬を掻きつつ首から提げている2つのUSBフラッシュメモリを指先でもてあそぶ男。USBの1つは“Aquila”とステッカーの貼られた紫色のスケルトンのもの、もう1つの黄色いものにはト音記号をモチーフとしたストラップがついている]
(まあ、勝算はあるよな。俺はこの目で見ていたし、データのバックアップを所有している野郎……社長もいるし。あーあ。腹黒い社長だよな、ホント)
[口元には笑み。男は黄色い方をパソコンに差し込むとファイルを開いた]
(さて、と。やるか)
[モニターには音符や記号が並ぶ五線譜。ヘッドフォンを身につけると男は作業を再開した]**
―オーディション会場―
いよいよですね…
―!は、はい!
[ステージ裏でその時を待ちながら、名前を呼ばれると、オーディションのステージへと向かう。]
エントリーナンバー2番。
器音スト(うつわねすと)です。年齢14歳。身長156cm、体重47kg。
得意ジャンルはトランス、テクノ、アンビエントとなっていますが、器楽曲専用として特殊チューニングされている為、インストが一番得意です。
得意テンポは70〜200BPM得意音域はボーイソプラノ。
普通に歌うのは少し苦手ですが、僕もボーカロイドとして、今日はインストではなくトランスの曲を歌います。聞いてください。
[ステージの中央に立ち、予定通りに決められた台詞を言い切ると、大きく息を吸って、歌い始める]
uh――uh―――♪
[歌うのは、騒ぎの時。一番練習したであろう燕の曲。空を翔る燕たちのをメロディに乗せて、歌い終われば静かに採点を待って最後に観客に礼をしてステージを降りる。(採点結果41点)]
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