情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
[ばさりばさりと羽ばたくたびに、力無くぶら下がっていた灰色の羽根は抜け落ちて、終わりをもたらす灰とともに、ふわりふわりと宙に舞う。]
───マイダ。
[礼拝堂へと戻れば、マイダは、微笑みを浮かべているかのようにも見えた。]
マイダ、これを。
ドワイトが───おれの親友が、咲かせてくれた花だ。
[やわらかな笑みを浮かべ、金色の髪に降り積もった灰をそっと払い落として。
薄紅色のリボンの花を、マイダの髪に飾り付ける。]
[生きているって、すばらしい。
それはたとえどんなことでも。
殺しても、他人を虐げても、憎んでも、悲しみしか生まなくても。
「生きるため」につながる行為と信じて行われたものなら、全てがいじらしい。
そんな可憐な人たちの思いをつなぐため、そして己が生きるため、きれいなことも汚いこともなんでもやった。
嘘と花を飲み込んで生きてきた。
だから、目の前の諦めが許せない。]
[地を蹴り相手の喉めがけて矢を向けたけど、避ける仕草がない。
せめて欠片でも正気のあるうちに殺してやりたいけれど、抵抗されないのはさらに悲しくなる。
諦めているんだ、と思い知らされて、それが悔しくて悔しくて涙があふれる。
全く、鹿狩人に転職する気はないと言ったのに―
親愛なる鹿、変わってしまった鹿の胸に飛び込んで、ありったけの思いを込めて貫いた。]
私、は!
―回想―
[随分と時間は過ぎ、二人で漬け込んだ花を取り出す。
赤い花は見事に白く変化していた。
感嘆の声をあげながら、
それを大事そうに青い空へ掲げてみる]
…トロイ、僕、実は研究所を出ていくことになったんだ。
政府からお達しがきたみたいでね。
戦争する人手が足りないから、
此処からも誰か差し出せってさ。
[白い花は雲一つない青空に、よく映えた]
所長は無視しようとしたらしいんだけど。
そんなことして、研究所が潰れたら困るし。
だったら僕が行くって、言ったんだ。
愛してるんだ、いとおしいんだ、信じてるんだ!
だから、さいごまで、あきら、あ―
[濁った返り血を浴びながら、相手に抱きとめられながら、激情のまま喚き立てる。
そんな言葉も、噛み付かれて先を紡げなくなってしまった。
死ぬのか。
必死に片手を動かして、ポケットの中、スーからもらった小瓶の中の呪符を―
森に入る前に書いた手紙か、先ほど拾った手紙か、それともいっそ、関係ない何かに押し付け―
壊れかけの友人、スーの元へと、転移…………]
―回想―
まぁ、俺は知識ぐらいしか武器がな…
[博識と褒められて、若干ニヤケながらうんうんと頷いていると・・・
綺麗に胸に右ストレートが決まりました。
直後、トロイが綺麗に倒れるくらいに。]
ああ。確かに、隙を見つけて打つのは大事だ。
俺も思いっきり隙だらけだったしな。
・・・急所を狙うと言う意味でも、
呼吸が狂う胸を打つのは良い判断だよ。うん。
だからって、説明した相手で試すなっ!
[…気合を入れたお説教も、倒れながらでは締まらなかったとか。]
研究所の人には世話になってるし、さ。
僕なんかが役に立てるなら、それも良いかなって。
ほら、ここにいても僕にできることあんまりないし。
[白い花から青年へ視線を移して]
この花、貰っていくよ。
無茶なこと言ってごめんね。
さすがに一人で出ていくのは心細くってさ。
…何か"お守り"が欲しかったんだ。
[空と同じく曇りない笑みを見せた]
ありがとう。
トロイは立派な研究者になれよ!
今度戻ってきたときには、
また無茶なお願いするからな!
[次の日、少年は研究所を後にする。
そして二度とは戻ってこなかった]
――神の命?
[少女に、聞き返す。
少女がただの少女でないことはもう分かっていたが、認識はそれでいい。
ぴしり。
返事の前に、少女にひびが入る。]
……あたしの、未練。
それは――
[唇を動かした。
乾燥でひび割れたそれから、血は滲むことなく。]
………………それは。
[とっくの昔に、どこかに捨ててきたみたい。]
―回想、数日後―
…人が相手の戦争、か・・・
[教えた体術は結局の所、全て「魔物と戦う」為の物。
人との戦いに使うには、余りに雑にすぎるモノ。]
…だからって、お前が行くことも無かったろ。
人は、魔物とは違う。
力任せじゃなく、効率的に殺しに来る。
…魔物より、よっぽど厄介な相手だ。
[皮肉な話もある物だ。
今魔物より恐ろしい敵は、自分達と同じ人なのだから。]
[くしゃくしゃに握りつぶしてしまった手紙を開けていたならば――
その中身に、くわえた煙草を落としかける。
早く中身を教えてくれと急かされて、
盛大な溜息を一つ落として、
あー、と前置きに態とらしく発音練習をして、
そして。]
[唇を噛みしめて空を仰ぐ。
埃と灰とが浮かんだ空気を、ステンドグラス越しの光が貫いていた。
ひび割れた少女と、ひび割れた唇の感触。]
いつだって――未練は残るからさ。
[だから、進んで残そうとは思わない。]
[翼あるものが、灰よりも軽く舞い降りた。
その羽が抜け落ちて照らされている。
少女に飾られた花は鮮やかで、胸を刺すようで。]
……しあわせだね。
[くるりと踵を返した。]
…護りが欲しいんなら、そう言えば良かったんだ。
煙幕でも薬品でも、「生き延びる」為の物が用意できたってのに。
[…綺麗な笑みが、今は腹立たしい。
生きて帰れる可能性なんて殆ど無いのに、
どうしてこいつは笑えるのか、と。]
だったら、絶対生きて帰れ。
どんだけ卑怯な手を使っても良い。
戦場から逃げ出したって構わない。
・・・だから、絶対に死ぬな。
でないと、無茶ぶりなんざ受けてやらんぞ。
[・・・翌日、彼は出て行って。
そして、帰っては来なかった。]
[くしゃくしゃに手紙を握ったままの遺体と、抱きしめられる紅い鮮血の滲んだ遺体だけが、廃屋にひっそりと、残されていた。
その二つが、どんな貌をしていたのか、この場所に確かめに来る物好きなどもう、きっと存在しない。
ただ、愛おしいものを諦めた意識が途切れ、愛おしいものを諦めまいとする意識も、途切れ。
緩やかな風通り抜け、星の元へと。
世界の終わりの終わりが近いのだと、告げる**]
[教会を出て空を見上げる。
灰はまだ降り続いていた。
――帰ろう。
誰もいない、自分だけの家へ。
家から持参した傘を広げるが、もう穴が開いていた。
洗濯物を干すまではそんなこと考えなかったのに。]
……あーあ。
お気に入りのブラウスも、多分破けてるね。こりゃ。
綺麗に洗ったのに、さ。
[それでも傘を広げる。
柄を持って一度回してから、歩き出した。]
……。
[向き直ったナデージュを見て、最初にしたのは、
とにかく涙を拭いて視界をはっきりさせることだった。
上着の袖で顔をこすって、瞬きひとつ]
…ほうたい。
ちゃんと、まけてない。
[ナデージュの頬を――正確には、包帯の隙間から覗く、白く乾いた肌を指差して告げる。
空から降る、滅びの欠片に似た色に、
目が離せなくなる]
さかばのおねえさんは。
まものにならないで、はいになるの?
[からりと、割れたステンドグラスの破片が、また落ちる。
灰に覆われた空でも、微かな明かりがそこから差す。
まるで、魂を天へと導くかのように。]
セルマは───
[踵を返す彼女に、もう帰るのかと声をかけようとしたが。
言葉は出ぬまま、その背を静かに見送った。]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新