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[淹れられたハーブティーを口にしながら、伊達の話に耳を傾ける。
手の中の優しい熱に、緊張が少しずつ解かれていく様に感じた。
しかし、強烈な疲労感と眠気に、その場から離れ壁の近くに寄ると眠ってしまうのだろう。
肩に負ってきたナバールの背嚢は、彼が目覚めた時には、そっと彼の隣に置かれていた。**]
[私は今、夢を見ている]
いやぁ……みないでッ!
[全身<きずあと>そのものを「侵入者」に見られている夢]
おねがいだから、みないで……!
[首筋をいじっている姿を「持ち主」に見られている夢]
いやぁぁっ……こんなことしちゃぁ、いけないのにぃ
からだが、勝手に……なんで、とまらない、の……!?
[首筋を掻き毟っている姿を「屍野郎」に見られている夢]
やめてっ……そんなに、くさいんだったら
これ以上は、もうやめてぇぇ……!
[くすりのにおいがする私の身体を「ロリコン」が臭がっている夢]
[すべてが悪夢だった**]
メイド シンデレラは、ここまで読んだ。 ( b10 )
今なら見物料はイラナイ。ジャマだ、立去れ。
[見てたらいけないの?に眉をひそめ。
どっちかが死ぬだけ、には明らかな嫌悪を示した]
イ尓瘋了… (バカか)
オマエも吸血鬼と同じか?
[そして持っている柘榴石が「おばちゃん」の物と聞いて、
伊達からもらった情報を頭の中でひっくり返す。
吸血鬼に攫われたシンデレラ。
そして、行方不明ときいたアシュレイ。
他に「おばちゃん」と言われそうと言えば、
シェリーに、アレクトーという色素の薄い彼女もそうか。
一瞬その皆が吸血鬼化していたら、と想像してぞっとした。
しかしそうにしても、エルクの持っているのは探しているソレではない]
[カークがエルクに向ける言葉からは、
エルクが吸血鬼だとも取れるが、それには疑問が残る。
吸血鬼は同胞意識が強い。
過去の経験でわかっている。
しかしこの二人にはそれは見受けられない。
稀に同胞を食らう、殺めるものもいると聞くが、
もしカークがその類になってしまったのなら、あるいは。
開く傷口がドクドクと疼くように痛む。
扉のところに立っているエルク、ナイフを構えたカーク、
どちらからも距離をとるようにして、頬を流れる鮮紅を手で拭う。
手の甲に付いた赤に眉を寄せ、
拭き取るかわりに、ぺろりと舐め*取った*]
[アシュレイの言葉――幸運を>>2:209。あれが最後の会話になったらしい。
助けられなかった、忠興の言葉>>85に、ああ。と短く返す。
右手で前髪を弄りながら、口中に広がる苦みをハーブティーで流した。熱が舌に沁みる]
…その二つ目の心臓は、シェリーが吸血鬼を狩りとったのを、彼女が奪い去って行ったもの…と思われる
[決して、同胞を喰らい殺したのではない。
忠興の巨な傷の上に、どれ程の慰めとなろう。ただ情報の一端としてそれを伝えた]
[記憶をたどる…――]
“ノスフェラトゥ…”
[始祖を呼ぶ声>>4:83]
誰ぞ…――?
[聲の主を“探すために”動き出す]
メイド シンデレラは、ここまで読んだ。 ( b11 )
― アレクトー ―
[首をゆると傾けた彼女>>86へ、何でもないと笑った。
クラウスの晩年――というには若過ぎたが――は、己が怖れていたよりは。
訃報を風の噂に聞き、白蛇のペンダントを相手に弔い酒を献じた日、想い嘆いたよりは。
ひょっとしたらずっと幸せだったのかもしれない]
[彼女が壁際で仮眠につくと、意識を入り口の方へ向けた。ベースに向いた地形、見張るのはそちら側だけ。
ナバールを生きたまま捕縛出来たのは、アレクトーの奮戦によるところが大きい。
強烈な虚脱を伴う吸血をその身に受けて、気丈にここまでの移動も助けてくれた。 ただ、少しでも休まって体力が戻るよう、願っていた]
―B1F 水場―
[抵抗する吸血鬼は、いずれ傷が癒えると知られれば
運ぶ為に相応の強引な手を使われていたろう]
[封魔師により、胸の傷から穢れが吸い出されて
消耗した男は短い間、意識を落としていたが]
……――
[瞼が動き、琥珀が開く
胸の傷口は無血のままだが、少し色が鈍っている]
伊達!
[震えて瞳をぎゅっとつぶって身構えた。
先ほどの態度とは、うってかわっていたのはなぜだろう]
!!
[しばらくして鞘に納まる刀の微かな音が響く。
「一緒にいてくれ」と声が聞こえるのがわかって、目を輝かせた]
ありがとう…ありがとう…
[伊達と側にいたその相棒の男に、感謝してやまない*]
―地下1階 水場―
[アシュレイを殺した侍と封魔師たちの話す場に、自分を呼んだ主が居ると知る>>88]
あれか…
[周りに人がいては話しもできない。
眠るアレクトーを姿を隠したまま瞬時にその場から連れ去る。
他のものからは霧がアレクトーの周りに纏わりついたようにしか見えないだろう。]
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