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―回想・睡眠ルーム付近の廊下―
[スイレンの苦笑>>4:172に見送られながら植物園を後にしたナギは、ショウと共に睡眠ルームに戻る。
今頃になって気がつくショウの左腕の布にサフラーの香りを感じた。]
…それ、サフラーさんが?
[ショウは返事はあったろうか。布は丁寧に染色されており、とても綺麗に仕上がっていた。作っている時のサフラーを思い浮かべ、目が潤む。
睡眠ルームの前に着くと、ナギは部屋に入るのをやめた。二人きりの方がいいのだろうと思ったから。]
…ショウさん、後で何か差し入れ持ってきますね。
[そう言って扉を閉めた。]
言語学者 ビョウ=ヤ=ナギが「時間を進める」を選択しました。
[――この基地は、近日中に、全滅します…。数週間か、数ヶ月か、もって、数年…。>>4:114
彼女はキチェスの力を持って予言した。悪戯な言葉のはずはない。
一体”それ”はいつ来るのか。
3人が眠り続けるこの部屋に、同じように自分が来る未来は安易に想像できるが、受け止め難い。
扉の向こうでショウはどうしているのだろうか。
こんなに近くにいるのに見えない二人に、自分たちの運命が重なる。
ナギは音を立てないように扉に頭をつけ、目を閉じた。]
―回想・了―
―睡眠ルーム―
[扉を閉めれば…、また生者の世界とは無縁になる。
まず、サフラーのカプセルをのぞき込む。時間を止めれられたサフラーの顔は、ずっと平穏に眠っているかのようだ]
─医務室─
…………。
[キサナドが響く。>>4:186
植物が、テレパスを通じ合わせる二人を取り囲むように伸びていく。
──あたかも、緑の結界のように。]
[機材を植物が埋めていく。
苦い表情でそれを見遣ったが、ローズを止めることはない。
うつくしく、かなしい祈りが小さな部屋に響いていた。]
……、逝ったか…。
[モニターが無情にも、生命の停止を告げる。
片手を、ぐっと握り締める。
沈黙は、悲痛な叫びに打ち破られた。>>0]
ッ、ローズ!
やめろ……
[遺体に取り縋る彼女の肩に手を添える。
今更感染を気にしたところで、何になるのだろう?
けれど、見てはいられなかった。
取り乱す彼女の拳を黙って受け入れ、やがて泣きじゃくる彼女を抱き締めた。]
……、何もじゃない。
お前が、傍に居てくれることが彼女の望みだったはずだ。
────…お前の所為じゃない。
[言葉の無力を噛み締めながらも、声を掛ける。
彼女の耳には届いていただろうか?
泣き続ける彼女を、そうして暫くの間黙って抱き止め続けていた。]
…………。
[空色の髪を撫で梳き、彼女が落ち着くまでどれ程の時が流れたか。
静かに彼女の顔を覗き込み、頬の涙を指先で拭う。]
…キィ=キョウは、幸せだったんじゃないか?
[何か言いかけたローズの唇を、人差し指の先でそっと押さえる。
そうして、ふと微笑んだ。]
いつも、お前のことを見つめていた。
俺が、こうしてお前と出会えて安らぎを感じたように──…
[言葉を切り、空色の瞳を見つめる。
視線があえば、壊れものを扱うようにそっと彼女を再び抱き寄せる。]
だから…、自分を責めるな。
[そうして、額のキチェに静かに口付けた**]
エンジニア キア=ラキ=スイ=レンが「時間を進める」を選択しました。
[たった一人で黙考に沈み込めば…、どうしたって、先ほどのローズの言葉がよみがえって来る]
…全滅。そして、転生、か。
[反発したものの……、そのキチェスの力、植物に働きかけ、怒りで己を見失いかけた自分の心を鎮めていった、それは疑いようもない。
サフラーの想いとは全く異なる、神秘の予言でもたらされたその運命は、完全に麻痺しかけていた心にゆっくりと染み渡っていった]
子供の頃から、サージャリムなど信じた事はなかったが…。
もし、そんなものが本当にいて、俺たちを転生させようとしているのなら。
そいつは、俺たちに何を望んでいるんだ…?
[生きている者が誰もいない部屋の中で、一人つぶやき…、そしてまた自分の中の黙考に戻った]
言語学者 ビョウ=ヤ=ナギは、鉱物学者 ディ=オシュ=ホウ=ビ=ショウ を投票先に選びました。
鉱物学者 ディ=オシュ=ホウ=ビ=ショウが「時間を進める」を選択しました。
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