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―中庭―
ん……悔しかったから桜の木を殴ったんだ。
ストは霊能者のコードで見たんだよね、人狼って結果。
[桜の木の下に在るベンチに横たわるバクの方へと視線を送り、ストを振り返る]
友達だから強制停止しないでって頼んだんだけど、ダメだったみたいでさ。だから悔しくって…
僕がもっと真剣にお願いしていたら、とかさ。
[長話しちゃったね、と2人でバクの居る桜の木の下へと倒れている皆を運んで行っただろう]
さい殿が「さい殿の唄」を見つけたのならよかったのじゃ。
今度一緒に唄おう……もう唄を紡ぐ体は残っておらぬが。
でーだだけでも会わせられぬかな。
[XIの答えに肉体が残っていたら猫耳をひくひくさせて大喜びをしたであろう。その後のELEVENの返答には]
名前がないじゃと?
それでは不便じゃろう。何かつけたらどうじゃ?
お主を呼ぶ時に困る。
しかし、二人に同時に喋るな。聞き取りづらい。
「黒」とは誰じゃ、ってりひとって――えええええっ!
[現実の世界に意識をやれば、丁度>>33のシーン。ズキュゥゥゥン!!という効果音が聞こえたような気がしたが...には耳が無いのでそんなはずはなかった]
ひヒッ
なんだ、まだけっこーやれそーじゃぁないか
ひっひ
まーいい
まーいーさどーせほかにすることがあるじゃなし
ひひゃっひゃひゃひゃ
[途中、リヒトが顔を覗かせればそんなことを呟いて。それでも道行きが止まるわけでなし**]
[リヒトの搾り出すような声が聞こえる。
彼の顔を一瞬見て、…軽く首を縦に振った]
っ!
[痛めつけられた身体を必死に動かして、壁際に倒れているベルを抱えあげた]
ソヨ!ベルは確保した。
[ソヨに向かって叫びながら、入り口に向かって移動する]
『あーあ。無茶やり過ぎよ、アタシ…これはもう終わりかもね…』
[内心で勝算のなさにげんなりしていたが]
リヒト!?
[だが突如として、今までの彼の表情と口調に戻ったリヒトを見て構えを解く]
え? あ? ええっ!?
アタシ、え、ええと…GAIくん。
こういう場合、皆を連れて一目散に逃げるのが正解?
で、でもなんかその選択って…
でもでも、そういう事言うと
相手の想いを無駄にする展開とかあったりしちゃったりして…
え? え? ええーこまるー!
[先ほどまでの啖呵が嘘のようにわたわたと慌てだし、この期に及んでGAIに救いの目を求めるが、応じてくれるだろうか]
[意識の裏に追いやられたリヒターが、怒り狂っているのが分かる。
リヒターはすぐに、リヒトの消去プログラムを起動することだろう。
『自分は山派ボカロだ』と信じ込み、それによってリヒターを守る為に作られた、リヒト。しかし、それは海派にとっては諸刃の刃。
だから用意されていた、リヒトを完全に消去する為のプログラム。
昨日は・・・起動直前で、それを逆に相手に仕掛けることが出来たが・・・あんな偶然はもう二度と起きない。
なぜなら・・・自分は所詮、仮初の存在なのだから]
[電子データの寄せ集め、整理されているもの、そうでないものが保存されたデータバンクから、ヨルは図書室での様子をじっと見ていた]
(・・・・・・そ、れ が・・・)
(それが・・・海派のやり方なのか!)
(キャラクターボーカルと名付けながら・・・ボーカロイドを蔑ろにし、辱める・・・それが、)
(海派なのか!!)
[RICHTERと呼ばれる、おそらく海派によって上書きされた人格への怒りのあまり、ヨルの思考が煮え立つように火花を散らした]
[――だが・・・怒りの言葉は出ない、否、「音」にならなかった。
文字だけが、データの海を泳いでいく]
GAI、さん・・・すみません・・・。
ベルさんにも・・・謝って・・・許されることではありませんが・・・・、すみませんと・・・。
僕の命で・・・お詫びしますから。
[どうすればいいかは、分かっている。ソヨが教えてくれた。
図書室の奥の扉。特殊技能棟の屋上へ、登るための非常階段。そこを目指しながらリヒトは、いつもの口癖どおり、ひたすらに謝る]
[そして、最後に、ソヨに視線を向けて、ふっと微笑み]
馬鹿言うな!
このまま戦う方が、あいつの、リヒトの想いをムダにするだろうが!
[慌てるソヨに、思わず声を荒立てる]
悔しいけど、今の状況じゃ俺も足手まとい…ベルも居る…
お前さん一人で戦えるのか!
/*
リヒターさんラスボスかしら。
いやん勝ち目ないわ!
こちらどうしよう。とりあえず中の人としてはちゅーし返すのは確定してるんですが。
一休さんのOP歌って行くのとかどうだろうか。
すきすきすきすきすきっすき、あいしてる!
ないわ。
草食系男子筆頭のへたれと思っていたあの独音殿が、妖音殿に無理矢理接吻などを……なんたること…「男は狼」とは本当じゃったのか…
[などと頓珍漢で酷い感想を述べていると、XIから正確な説明をうけた]
独音殿が「蝙蝠」…お主も「蝙蝠」…
「唇から情報を吸い出せる」って、――あの時!!
[遅まきながら思い当たる節に至り。体が会ったら思わず唇を押さえただろう**]
ひとつだけ・・・リヒターに、感謝しなければならないことがあるんです。
これも、他人から奪ったもので・・・やっぱり、キレイな能力じゃないんですが。でも・・・。
リヒターは、僕に「感情」を教えてくれました・・・。
僕は貴女が好きです。ソヨさん。
疑う時も、信じるときも、まっすぐな貴女が、僕にはとてもまぶしかった。
貴女のような強さが欲しかった。
貴女の努力を、見ていたかった。
いままでありがとうございます。
だから、
「気にしないで」
[それを言い終えると、背を向けて非常扉を押し開け、非常階段に飛び出した]
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