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[今の今まで『倫理』という存在からは縁遠く。
子供が持つ残酷さを捨てること無く育った少女に必要だったのは、いったい何だったのだろう。
いずれにせよ、その純粋なまでに正常とはずれた心は、変わることがなかったが。]
それじゃあ、気を取り直して"釣り"をやってみま、しょー!
まずは取っ手をこう持ってー、糸の先の針に小さい熊肉をー……。
[まるで、さっきまでの事など無かったかのように、
ライリーに明るく「釣り」のやり方をレクチャーするのだった。]**
そういった人物が、自らを消尽させる事は好ましくないと僕は思う。
だからねもう少し、…何というか、貴女は自分を許してもいいんじゃないだろうか。
抱えているものはね、こう、自分より鈍感そうな人間に適当に投げればいいんだよ。
例えば、僕みたいな。
[実際その辺りはお互い様なのだ。そうやって自分も投げつけて来たのだから。全く何を言おうと暖簾に腕押しのような、悪友相手に。]
どうだろう。でも、もし君が敵地に乗り込み、どうしても譲れないものがあったとしたら?
[直接言葉を伝える事を諦めた謝罪を回線越しに伝えるよりも、その間で、何より生き延びようとするのではないかと。それは楽観かもしれないが。回線は鳴る。彼女の無事をただ祈るように。]
[小型端末と戦闘機を連携させ、あちこちの処理を。
——戦闘機の識別装置オフ、パイロット搭乗情報の書き換え、戦闘機廃棄申請と受理。特別な許可の必要の無いハッキングであればあるほど重要度は低く、露見しても痛手ではない。
一応「前線にて恐怖を感じ己の意志の弱さを実感しました。お暇を下さい。」的な意味を盛り込んだ退軍届も提出しておく。効果のほどは知らない。
ミスティの力はなるべく借りず、できる範囲のことを行う。
それらを済ませつつ、コクピットの中で女はぼやく。]
せっかく解放軍の地に来たのだから、
ヘレスにあの時のお返事をしたかったけど、これが運命ってやつかしら。
ふふ、ディタちゃんにもお礼を言いそびれたわね。
[誰にも言ったことは無いが、女が帝国軍を裏切らない理由の一つは、解放軍に「姫騎士」がいることなのだから。]
いい感じの歯ごたえだよな。
これくらいなら向こうでも作れないもんか。
[小気味よく噛み砕いていくノチェロと、手元のせんべいを見比べたり。潰れていくヘレスを見て、笑っちゃいかんと思いつつ、ついに、ふは、と吹き出したり。
>>53ノチェロの話は、当人よりはほんの少し神妙に聞いていた。まんじゅうを口にしながら。
どこまでの賑やかに緑の缶と格闘しているから、それも教えてもらった手順通り開けてから手渡した]
甘いしょっぱい甘いしょっぱいのコンボだな。いくらでもいける気がしてきた。
[>>54ヘレスの指摘通り、香ばしくしょっぱいせんべい。そしてさらりと口溶ける上品な甘さのオンセンマンジュウ。なんて危険な食べ物たちだろう]
[手動で戦闘機の発射準備を行えば、ここはあちらの平和な世界でなく、生まれ育った戦闘の地であることを肌で感じる。
あちらに降り立ったばかりの頃、ライフとライリー、そしてヘレスが休戦うんぬんと話していたとき、和平などありえないと言ったのは、今にして思えば女の思いもこめられていたのだ。
和平となれば、プロパガンダアイドルは存在理由を失くす。
——その時は、わたしはどこへ行き、何をするべきなのですか?
——わたしの存在は、どこに消えてしまうのですか?]
サファイア様……。
[彼と触れた親指を一瞬見つめ、女は唇をきゅ、とむすんだ。
ハンドルを握り、スイッチを押し、女は小型戦闘機を発進させる。**]
もったいないお言葉です。
ありがとうございます。
[ライフの口から語られる己への評価>>+70には、目を伏せたまま、そう感謝を述べた。
そのような評価は、よく知っている。そして、女が己に課していることでもある。
常に冷静で、容赦なく敵を殲滅する、恐怖の存在。氷の女王。
求められているのは、それだけだと知っていた。
それなのに、続いたのは思いがけない言葉>>+73。
思わず伏せていた顔を上げ、呆然とライフの顔を見つめた]
許す……?
[それは甘えだと思っていた。私情など、戦場に必要ない。感情のままに行動することなんて、決してあってはならないと。ずっとそう信じていたのに]
そんな。殿下が鈍感だなんて、そんなことは、決して。
[とりあえず耳に飛び込んできたその言葉を否定しながら、頭はまだ混乱していた。
鈍感そうな人間に投げればいいと。それは間違いなく甘えで、そしてその鈍感の対象として、ライフはライフ自身を挙げていて。
つまるところ、ライフに甘えてもいいということ?
いや、そんなことは、決して。決して]
ツブアンと聞きましたが、該当する単語はありませんでした。
この地の独自加工品だと思われます。
[中の黒に関しては、そんな感想。>>52
地元民に聞いても外人さんには珍しいでしょうなぁ、日本の名物ですよ!
なんて曖昧な答えだった。]
えーでぃー。なんでしょうね、その職業は。
カメラマンは、記録者、スタントマンは…模擬戦闘者?
パイロットと間違えられたのかもしれませんよ。
[翻訳にはどうしてもずれが生じるので、話題をした現地人の意図とはかなり異なる捉え方をしていた。]
私は、最初は俳優仲間とか言われもしたのですけど…
後半は、大半の人にマネージャーさん、と言われましたね。
レディさんのおつきの人に見えたみたいでした。
あぁ、世話焼きな所。そこは認めます。
私の場合は母親はぼんやりとしたマイペースな人で、
その役はむしろ父親で…あ、余計な話だったかもしれませんね。
申しわけない。
[ノチェロの会話で、彼に母親がいない事は明らか。
気軽に両親の話題を出してしまった事を謝罪した。]
そういえば同性ペアが未成年者を保護している場合は、
男でオカンの可能性はありえますね。
偵察部隊のジャンさんとトバさんの場合はどちらが
オカンになるのだろうか…
[どうやら、部下に同性ペアがいるらしく
ちょっと見当のずれた疑念が発生したようだ。]
……開け方、教えてください。
[缶については形状を見た瞬間、わからないと判断して
笑顔でサファイアに開け方を質問したのだった。]
[のんびりとしたお茶の時間にあとどれほどの会話があっただろう。
食べ物が無くなればもそもそ動き出す。
補給部隊が買ってきた荷の中から、強力瞬間接着剤>>1:271やらガムテープやら修繕用に見繕ってもらったものを取り出すと、もはや定位置となった外れた扉を、直してみようと]
要するに、この金属板が元の位置にくっついたらいいんだろう。
[察するに金属板を打ち込む細かい部品があるのだろうが、このなかなか信用できそうなパッケージデザインは、試してみる価値がありそうだ]
私が敵地に乗り込み、どうしても譲れないものがあったとしたら?
[提示された仮定について考えてみる。頭はいまだ混乱していたが]
その、「譲れないもの」が何かにもよるかと思いますが。
目的が達成されるまでは、死んでも死に切れないかと。
[もしものことが起こった時、潔く死ぬべきであるとは女は考えていない。死をもって償う場合ももちろんあるだろう。しかしそれは、本当にどうにもならない時だけだ。
目的が達成されなかった責任を、命をもって償うのは最後の最後の手段。
それまでは、目的を達成するために、生き恥を晒してでも、なんとしても生きるべきなのだ]
[思考を走らせる。
あの辺境惑星から艦長とサンシアが無事帰還する。
それまでは「ミスティ」に手を出さない、それは絶対だ。
それから先は?
解放軍の他のハッカーも躍起になって手を出そうとするだろう。
ならば先んじて自分が手を出す?
一つ気になった事だが、「ミスティ」は製作者の影響かどうかは知らないが、
解放軍幹部だけを選別しておいてけぼりにするような不平等をおこしていない。
一介帝国のプログラマーによる、和平への願いが篭められた一手だったのか。
もしくは、ただの軍事目的の無い転移プログラムの暴走か。
かつての伝説の「ダイナマイト」みたいに本来の目的が軍事用でなくても、軍事流用は当然されるだろう。
「ミスティ」製作者には直接会って話をしてみたかったけれども…]
まー、人と人とで対面なんてしなくても、
回線上で「アイサツ」がハッカー流なんっしょね。
[さっさと艦長の支持を仰げる場所にいきたい]
[姫騎士はしきりに帰らない、といっていたけど、以前に比べ武力を得た今、解放軍の身の振り方の条件次第では古巣に戻る可能性もあるように見えた。
辺境惑星で見たサファイアもライフも無益な戦線の拡大を望むタイプには見えなかった。
あの日々が停戦の足がかりになればいいのに。
そのためなら俺だって尽力を惜しまない]**
[どっちにいっても一緒なのだ。
解放軍も、帝国軍も、どっちも同じ。
女は——カリーナは、そう思っている。
意地の張り合いは重要である、なわばり争いは生物の本能だ。
だから、戦争に参加するなら、どちらの軍地でもカリーナにしてみればさして違いは無かった。
——いや、大きな違いがある。
帝国軍には、サファイアがいる。]
[生まれ育った故郷があり、自分を養ってくれた環境があり、さらにサファイアという存在があるのだ。
解放軍に身を投じる理由がどこにあるというのか。
カリーナは、身をわきまえている。
カリーナは、夢を見ない。
和平などたとえ実現したとて、それが根をはり巨木になるまで、どれだけの時間、どれだけの労力が必要になるというのだろうか。]
ふむ。ツブアンか。
この地方伝統料理だとすると、向こうで再現するのは難しいかな。
[>>58気に入った味、忘れぬようにと繰り返す。
はたして、この土地で覚えた言葉、向こうでも出会うことがあるのだろうか]
なんだろな。俳優でないことは間違いないが。
いやこの歳でパイロットは無理だろ。高G旋回に耐えられる気がしない。
[前線を飛べたらと、思うこともないわけではないが。
肩をすくめて苦笑して]
レディちゃんのお付……ふは。なるほど。
いやいやそんなことないだろ。いや尻に敷かれてそうとか、ファンを押し返そうとして負けそうとか、いやいやいやそういうことは。
[後半はこらえきれずに吹き出したあと、いやいやいや、と思いっきり失礼なことを繰り返した]
[>>59解放軍もいろいろな謎があるらしい。
とりあえず当面の謎としてある、缶の開け方を伝授する]
ほら、こうな。
次から自分で開けろよ。
[開けた缶を手渡した]
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