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―現在・廊下―
[アロールに不満を抱きながらも一緒に廊下へと一緒に出た。>>+7
その時、ベルリヒッターは歩ける様になっていただろうか?動けない様なら彼を抱いて一緒に連れて行こうとする。]
え、聴こえないの、サイレンの音――。
[アロールの手当に使った救急スプレー。その残りをアロールはベルリヒッターに使った。
手当をするけれど、アロールの瞳にはベルリヒッターへの労りを感じないのは気のせいだろうか。
さっきもそう、「死なないと思うよ」なんて無責任な発言。本当に死なないかどうかなんて分からないじゃない。悪くなったらなったで仕方ないよなんて仕方なく無いもの・・・。
「でも、問題ないだろ?」とベルリヒッターを思いやっていたら先ず出て来ない言葉を彼が口にした時。チチチと目の奥が赫い光が瞬いたのも何かの錯覚なんだろうか。]
ねぇ貴女。
……まだ、腐っていませんよね?
[懐から取り出したのは、小さな試験管。
ナイフの代わりに窓ガラスの破片を拾い上げ。]
少々、試料(サンプル)をいただけますか?
[にっこりと微笑んで、そう言うや否や。
女は上へ跳躍し、天井を蹴って一気に間合いを詰める。
くるりと体勢を変え、娘の顔に横から蹴りを入れようと。**]
─ 研究所・地下>>4:147 ─
私達の仲間に、
ナビという女性の戦闘型アンドロイドがいるの。
……勿論、貴方とももう仲間ね。
[いじわる心で最後の一文を付け加えて、くすりとしてみた。]
そのナビが言っていたの。
あの神父は、多分星の知恵派教会の神父だと思うんだけど、
[ナビが向かった先は教会だから多分ではないだろう。]
有機生命体兵器、英語なら、Bio Organic Weapon……
とでも言うのでしょうね。
[携帯端末を取り出し、シェルターから出る前に携帯端末にも移しておいた、ナビから送られてきた神父と巨大蜘蛛とその子蜘蛛の写真を、エーデルに見せた。]
─ 研究所・地下 ─
これが教会の地下に居たらしいわ。
[他にもエーデルに問われれば色んな事を少女は話した。]
私が貴方を失いたくないっていうのは、
私がまだ貴方に何も返してないからよ。
[契約の話を持ち出して背伸びした言葉を返す。]
本当?
……神父がいなければいいのだけれど。
[エーデルの申し出には頷いて一度、部屋に戻ることにした。]
[幸いなことにというべきか、当然というべきか。
大仰な門には誰一人、生身の人間は配置されていなかった。
そのほかの機械的な監視については、関知したところではない。
いずれにせよ、重要なのは、敷地への進入を阻止されなかったという、その事実だ]
……拍子抜けだな。
もっと、あの屍どもがひしめいていると思ったのだが。
[呟いたあとで、首を振って]
いや、上手くいっているときに、不吉なことを言ってはいかんな。
このまま平穏無事に済むことを祈ろう――さて、手近な建物に入ってみるかね?
[敷地のなかの建物は、ひとつではないようだった。
入り口近くに、重要なものがあるとは思えないが――有用なものはあるかもしれない]
[レディという名を持つ、電子ウィルス。神父と同様に別世界から来た存在だった。>>2:267
この世界より高度の科学と文明を持つ世界に彼女は居た。レディに実体は無い。レディは電脳の世界に住まう擬似人格プログラムとして生まれた。元々は、娯楽の為に作り出された望まれた顔と歌声を持つアイドルだった。
シェエラザード号という宇宙に浮かぶ船の搭乗員であるレディはプログラムでありながらも仲間達と楽しい日々を過ごしていた。しかし、ある日突然、シェエラザード号に悲劇が襲う。
JNR-10-V型という未知のウィルスが船内に蔓延ったのだ。搭乗員達は解決しようと手だてを講じるも及ばずJNR-10-V型ウィルスに船は乗っ取られてしまった。そしてそのJNR-10-V型ウィルスに感染した事でレディのプログラムは破壊された。そしてレディはプログラムの域を外れ、レディにココロが生まれた。]
暫くしてシェエラザード号は救助隊の手によって救われる事になるのだが。ウィルスを除去される事でココロも消去されてしまうのではないかと恐れたレディは逃走。やがて、レディ自身がJNR-10-V型ウィルスへと変貌した。
シェエラザード号が恋しくないと言ったら嘘になる。レディはふと思い出す、仲間達と過した楽しかった日々。……寂しがり屋のあの子は元気だろうか。
それでもレディは後悔はしない。どうしても、ココロを男への想いを奪われたく無かったのだから。* *]
[暫くしてシェエラザード号は救助隊の手によって救われる事になるのだが。ウィルスを除去される事でココロも消去されてしまうのではないかと恐れたレディは逃走。やがて、レディ自身がJNR-10-V型ウィルスへと変貌した。
シェエラザード号が恋しくないと言ったら嘘になる。レディはふと思い出す、仲間達と過した楽しかった日々。……寂しがり屋のあの子は元気だろうか。
それでもレディは後悔はしない。どうしても、ココロを男への想いを奪われたく無かったのだから。* *]
[少女はモニタを直視していた。
眉は寄せられても泣きはしなかった。]
ごめんなさい。
少し取り乱したわ。
それと、これを見つけたわ。
ルピナス研究所のIDカード。
ランクはそう高くないけれど、
何かに……役立つかも。
[エーデルにIDカードを渡そうとする。]
エーデルはIDカードの使い方は分かるかしら。
ここまでの扉には無かったけど、
扉にスリットがあればこれを通せば入ることが出来るの。
さあ、行きましょう。
[エーデルを促し部屋を出る。*]
確かに、アイツが結局何を考えてるのかなんてわかんないしあんまり分りたくないな。ただ玲子さんがあんなんになるのは俺からも勘弁だ。
[首を横に振って。]
未練ねえ…。
んー。
[彼女も何か―未練があるのだろうか?
そんな疑問が湧いてくる。]
そういう問題じゃないでしょ?
分からないの?
[>>+14 当然の様に答えるアロールにそう言った。ベルリヒッターが死んでしまったらアロールは悲しく無いのだろうかと目で訴えるが伝わっただろうか。
ベルリヒッターが動けない様なら彼を抱いて一緒に連れて行こうとする。けれどアロールがベルリヒッターを分かりに抱くと言うのなら、私は迷うもののベルリヒッターを託すだろう。
ベルリヒッターを抱いたままではゾンビに襲われた時に二人とも逃げ切れないと判断したからだ。]
サイレン、聴こえないの・・・?
[アロールの返事にショックを隠せない。
今も微かに聞こえて来る音。脳裏に浮かぶのは、エレベーターで見た血と錆びに塗られた世界。私の耳は私の目は可笑しくなってしまったんだろうか。
北部へ指を指す。・・・私は知らなかったけれどワクチン精製プラントがある場所だった。]
[その疑問は直ぐにかき消された。]
そうなんだよな、これで終わりじゃ無いんだ。
これで終わりだったらどんだけ楽か。
はぐれちまったな。
研究所に行ったら合流できるか。
あ、道、わかんねーけど…とりあえずさっきんとこまではいけるはず。
[灰色の街を目的地に向かって前進する。
とりあえず油の跡を戻れば元居た場所にまでは戻れるだろう。]
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