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―ジャスティス入室直前―
[『彼女』のそれ>>137が油断を誘うための言葉か、それともこれから対峙する『弟』を心底気遣ってのものか。
…には分からなかった。
だからただ、激しい鼓動を感じながら、頭の中で先ほど見たジャスティスKのカタログスペック>>3:192を何度も確認する。
なすべきことを、確実にするために。]
[空を切った前足を地面へと突き。
背を丸めて後足を前足の直ぐ後ろへと落とす。
同時に前足で地を蹴り上体を跳ね上げて、背を伸ばしながら前足を伸ばして小月竜に対し横から爪を薙ぐように振るった。
素早さに特化されている小月竜は、距離さえ詰めれば討伐は容易い。
小月竜が逃げる距離よりも長く跳躍して間合いを詰めると、横薙ぎに振るった爪に引き裂かれ、小月竜はその姿を光の粒へと変えた。
口を大きく開けて光の粒を吸い込むと、吸収によりフィロの身体に力が満ちる]
んー、と。
まぁ、使わないことは無いか。
[使えるようになった能力を確かめて、獣の姿のまま軽く首を捻った。
能力を得ることも大事だが、今は、経験を積むのが先決。
今度は闇の尾を大きく振り、長く伸ばすと逃げようとする小月竜を捕らえんとその先端を分裂させた。
10(10)本に分かれた尾がそれぞれ小月竜を絡めとっていく]
はじめまして、私はメイアル。
ファシナトゥール黒騎士団の一員、白き翼とか白き明星と呼ぶ人も居るわ。
[先程イリーナに名乗ったのと同様の挨拶をして。
どういう関係かと言われると、困ったように笑って。]
ちょっとした縁があってね。
彼女の事は心配していたの。
[そう告げて微笑む。
ぎこちない彼の態度を気にするでもなく。
イリーナの方を2人にも紹介した。]
そちらはイリーナさん。
先程まで一緒に小月竜を退治していたのよ。
[ジャッカルがジャスティスKによって負傷されたことを知れば、彼のそのマント>>148を見て「嘆いただろう」]
ジャスティスK。私は異常をきたしているのでしょうか。
――今の貴方が正義に見えない。
[断罪せん、と言わんばかりの宣告に似た響きの言葉。
それさえも彼の「心」には届かないのだろうか]
クレイン博士が悪である理由の開示を求めます。
貴方が正義である理由の開示を求めます。
[返事があろうとなかろうと、やるべきことは決まっている。
仲間の、もしくは「敵」の動きがあるまで自分は動いてはいけない。
接続のチャンスは一度だけだろうと]
─ ファシナトゥール ─
[ケヴィンにくっついて、肩越しの言葉>>+22にうなづいた。
あんなに帰れないと思っていた場所に、偶然は……あるいは運命は?なんと皮肉なことをするのだろう。
メイアルにいつか顔を見せに>>3:207 と言われた。
でもそれは「いつか」であって、「今」ではないはずだった]
手紙……ですか?
はいっ……それはいい案だと思います。
[ほ、っとした。
ここまで来て黙って出て行くのも無礼だ。しかし、会わせる顔がない。
その葛藤に、ケヴィンの提案は光を差すようだった。
髪を撫でられ、ミアは照れて赤くなった]
道具屋ならこちらに……。
[頻繁というわけではないが、根っこの町なら出歩くこともあった。
ケヴィンと手をつないで案内をする。
店主がケヴィンに無愛想なのは困ってしまったが、そのケヴィンは気にせず店内を見ているようだ。人間にとっては珍しいのかもしれない]
気になる物ですか?
はい、その間に済ませておきますね。
[この町の主の寵姫であったころは、代金などは求められなかったから、ミアはごく軽く返事をしてしまった。
……この店の通貨が、生命だと知っていたら、必死になって引きとめていただろう]
トラベラー J・Qは、リージョン放送 リポーター をうらなっちゃうことにしたよ。
IRPO隊員 アザミは、半妖 ヴァレリー にうしろゆびをさすことにしたよ。
IRPO隊員 アザミは、クーロンの藪医者 ゲン をまもっちゃうことにしたよ。
ファシナトゥール……
[それは確か妖魔の君が住まうリージョンだ。
あそこの今の妖魔の君は確か。自分も知る、とある術士>>4:230と共に戦ったとか。
そして、彼女のたたえる気品のような、魅力にも納得する]
ぼくも、話には聞いたことがあります。針の城。白百合の君。
縁……ですか。成る程。
[自分とツバキも不思議な縁で出会ったようなものだ。頷くと、彼女の同行者にも挨拶をする。]
はじめまして、イリーナさん。セルリアンです。
[意識していたわけではないが、自分の出身については告げずにいた。問われれば、隠すこともなく答えるだろう。]
[セルリアン>>154の物言いのぎこちなさに気付き、
はっと瞬いたところで、メイアル>>158から説明が為された。
心配、なんて言葉に思わず頬が染まったのは、
上級妖魔の美貌の所為――だけでも無く、ばつの悪さから。]
ごめん。でも、あの時よりはちょっとだけ成長したの。
新しい術も、使え――…
[其処まで言い掛けて、別の人影を見つけ、口を噤む。
フィロやセルリアン、メイアルには時術の話はしていたが
他に誰の目が此処に在ってもおかしくなかったから。
その人――メイアルの紹介を受けた女性の方に、
心配の無い相手だとは知らず、やや緊張の残る顔を向けて。]
えっと……イリーナ、さん?
初めまして、かしら。アタシはツバキ。
[時術使いとしての名前まで洩れている>>39とは思わず、
名乗る時は、素直に名乗っていた。]
―少し前―
[―――ふうん、ハッキングね。>>102
確かに医者を名乗ってはいるが、ことメカに関しては自信が無い。
懇意にしていた商人がメカだったから、少々の知識はあるが、もともとワカツの風潮からして「壊れたメカは叩いて直せ」のリージョン柄である。
恐らく、J・Qがそれが一番いいとしたのだからきっとそれが一番いいのだろう。
過った思いは色々あったものの、感傷はひとまず脇に置いておいて頷く。]
ジャスティスの事を一番よく知ってるのはキミだからね。
キミが思うようにこの作戦を仕切ればいい。
お願いなんて要らないよ、指示してくれれば構わない。
俺は自分の意思でここに残ったんだからさ。
で。
「侵入>>134」は物理的に接続しなきゃ出来ないの?
それによって俺もすることが変わってくるんだけど。
[凶悪な目付きでこちらを睨みつけて、退避する気は全くなさげな馴染みの視線>>129を横顔で感じながらJ・Qに問うた。]
[羽ペンを持ち、飾りつきの流麗な文字でミアは手紙を書いた。
白百合の君へ、と綴り、時好の挨拶から始め、本文へと到着した所で困る。
謝ろうというのは決まっている。けれど、何に対して謝ればいいのか。
……やがて最終的に、「長い不在」を、そして「これからもまだ不在で居続けること」を、謝ることにした。
そして、中段に世界が広かったことを。不可能を可能にしてしまうとんでもない人間がいたことを綴った。メイアルに会った事も書いた。
最後に、白百合の君と寵姫達、黒騎士が健やかで平穏であることを願い、ファシナトゥールの繁栄を願って、結びの文とした。
砂をかけて不要なインクを吸わせ、羽箒ではたいて、色をあわせた封筒に入れ、自分のサインをしようとしたところで、また迷った。
「清水姫」それが寵姫としての名だったけれど。
振り切るようにして、「ミアプラキドゥス」……そちらを書いた]
これを白百合の君に届けて下さい。
[そうやってことづけたところに、ケヴィンが戻ってくる]
待っていませんよ。
何かいい物がありましたか?
……?
どうしたのです?
>>160
あら?
ルージュの方の関係者だったのですか?
てっきりブルーかと……。
あれ? でも、ルージュとブルーってどっちが兄で弟?
(………っ)
[ぎりっと歯噛みする。相棒が今話している相手は、相棒がきっと特別大事にしていたヒトだ。
そのヒトの正義を否定するようなことを言うのは、きっと大事なヒトを敵にすると宣言するようなことで。
排除すると。一緒に居られないといったときの相棒の言葉を連想させて。
どれだけの思いがその言葉を言わせているんだろうって、考えるだけで、飛び出したくなる。
でも、ダメだ]
(落ち着けわたし。辛いのはわたしじゃない。相棒なんだから)
[だから、今はまだダメだ。相棒はまだ動いてない。動くときじゃないってことなのだろう。台無しにしちゃいけない]
(にしてもさ。相棒って絶対弱音吐いてくれないよね。いやさ。頼っては、くれたんだよね。
あの、シップでのアレとか。でもさー、もうちょっとくらい。やっぱさ。いや、そこが相棒のいいとこなんだってさ。それは分かるけどさ。お?なんだろ。調子戻ってきたかも)
[どうにも緊張感がなくなりそうだけど、緊張しすぎてへまするよりはきっと、ずっといい。姉弟の会話を聞きながら、そんなことを、思う。動くときは、まだもう少し先、だったろうか]
―研究所―
[ヒューマンよりも滑らかにさえ見える動きでジャスティスKが入ってくる>>148。
直接はともかく、広報のポスターやらビデオやらで見慣れたジャスティスKの姿だったが、
マントはあんな模様だっただろうか、と思わずまじまじと見つめ、
いくつか空いた穴を認めて、マントについた赤黒いシミ>>148が何かに思い至る。
…眉間にしわが寄った。
それでもまず喋るのは自分ではない、ととりあえずは黙って姉弟の(おそらくは久方ぶりの)邂逅を見守ることに専念。
――ジャスティスQの直截な質問>>152が耳に入れば、答えの予想はついているのに心臓の圧迫が増した。
……あるいは、感情の滲むはずなどないJ・Qの声にそれでも、何事か感じてしまったための緊張だったか。]
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