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[シュテファンの部屋の方向に向かう。彼の部屋からは明らかな死の色が漂っていた。中を見ずとも、どのような状況であるのかは想像に難くない。
それよりも。]
な………!?
[乗客の隙間からシャノアールの部屋を覗き込むと、その双眸が見開かれる。
黒々とした獣が、部屋に居る。人間を喰らったばかりなのか、獣の毛から滴る血液は紅く、まだ新しいものに見えた。]
悲しみ……?
[わからない。獣と悲しみ、結びつかない言葉。
だって、狼はいつだって強くて。強大で。その爪に、その牙にかなうものなんていなくて。]
わかんない、わかんないわかんないやだっ!!
[どこから言葉に出来ていただろう。狼に褒めてもらいたいと、それだけで動く幼い精神は、ロランの言葉の理解を拒絶する。]
おおかみさまが、いたいの、やだ!!
[かろうじて出た対話らしき言葉は、そんな単純なもの。
振り払われようと、大きな声で怒鳴られようと、ただがむしゃらに銃へと手を伸ばす。]
[思いがけず旧知に会ったような感慨が浮かんだのは一瞬、この状況で、人狼の前で、無防備な背を晒す少女を見れば顔色を変え何を思う間も無く中に走りこんだ。]
カチューシャ!!!
[近づく黒い獣と少女の間に、割って入るかのように立ちはだかる。]
……っ、何してる!
早く逃げろ。入り口だ!
[攫い上げるには遅かった。
少女を背に庇い、素早く視線で扉を示した。]
なら、邪魔をするな…!
[狼様がいたいのは嫌だ、その言葉にきつく声を上げて。
それでも眼差しはただ、獣の動きだけを見据える。]
……ッ、
[がむしゃらに伸ばさる腕に、手を引っかかれながら、
銃だけは奪われぬように、抱き込むように庇う]
[少女は、ずりずりと這いずっていきます。
いつの間にか、羊さんをつけてない方の腕の包帯からは、赤い血が滲んでいました。
かたつむりのような速度でゆっくりと進んでいくのですが…べちゃり。おねーさんの血で滑ったのか、崩れ落ちるよう潰れてしまいます。]
>>81
グガァアアアアッ
[ベルナルトがカチューシャとの間に立ちふさがる。
獣は、それでも戸惑うことなく、その前脚を伸ばした。
それはベルナルトの背に伸ばされる。]
[獣と少女と間に立ちはだかる影が見えた、
距離が近すぎる、その巨大な爪が振り上げられた。
銃を抱き込んだまま、身を沈めて転がるように駆ける。]
だめだ……ッ、
[不思議と“彼”を撃つことには、躊躇いがなかった。
ずっと こんなにも 痛いのに。
凍れる水面のように、心は漣だつことすらなく]
―――……、ッ
[青年に向かうその黒い大きな背に向けて、
白い指はただ、トリガーを引いた。
急所を狙うほどの技量も狙いもあるはずもない、放たれた弾丸の行方を見ることなく、転がる勢いのまま床に倒れて]
>>85
――……ギャウンッ
[ベルナルトに爪がかかったか否か。
その刹那、轟音とともにその背中に弾丸が命中する。
小さいが、確かに凶器のそれは、獣の中に突き刺さり、その体内で止まった。]
――…・・・グ……ガァアアアア
[獣は動きを止め、その背から、自らの赤黒い血を噴出しはじめる。]
やだやだやだやだぁっ!!
[すでに狼の方も、カチューシャの方も、見ていなかった。ただただロランの銃を奪おうとする動き。]
あっ!
[胸元の傷の痛みに、一瞬腕が引き攣る。その隙を見逃さず、ロランが抜け出す。]
ロラン!!
[銃が構えられるのが見えた。手を伸ばす。引き金に駆けられた指。とっさの思考はとても単純。]
う、あ、あ……
[銃の前に体を投げ出した。けれどそれは腕をかすめただけ。血は流れても、威力は殺せず。
……獣の、悲鳴が聞こえた。]
[大きな獣の体越し、サーシャとロランが視界に入る。
獣を前に揉み合いをしているのはどういうことだろうか。状況を把握しかね、奥歯を噛み締める。
開いたクローゼット。壁に残るのは、弾痕――?]
――――っ!
[振り上げられた人狼の前脚、身を翻し押さえ込もうと咄嗟に腕を前へと伸ばす。
力が適う筈もない。まともに受けるのは愚策だ。
しかし避ければその爪はカチューシャを容赦なく襲うだろう。]
[獣の爪が肩を貫くとほぼ同時か。
正面から、白い閃光が迸るのを見た。]
……おーかみ、さま?
[苦しそうな声。吹き出す血。何が起こったのか……理解はゆっくりと。]
う……ああああああああああああああああああああ!!!!!!
[たたきつけるような叫び。倒れたロランに駆け寄り、その真っ白な首に手をかけた。]
ぐ……
[そして、獣化が微かに解ける。
もちろん、完全ではなく、上身のみ、顔も獣と人の間のような姿になっていく。]
……おま……え……
[その背からはやはり血が流れるが、弾丸は貫通しておらず、身体の中の鉛に眼が赤に黒に点滅した。]
――……ぐ……
[そして、一転後ずさると、窓まで背を向け、肘でその窓を割った。
とたん、吹き込む、夜の冷たい雪と風…。]
−回想つづき−
え、どうして…?
[呆然と咆哮が聞こえた先を見つめた。杳として様子が知れないが。
2度目の咆哮が届いた頃、]
あ、こっちに来る…!?
[まだ傍にいればダニール、そしてシュテファンの遺体に視線を向けた。
表情は強張らせたままー*]
[そして、一気に車内に入り込む雪と風、
それは瞬時、そこにいる面々の視界を真っ白に染めるだろう。
その強風が収まった時、
そこに獣の姿はなかった。*]
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