情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 9日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
―食堂車―
[柔い掌が、針のような毛を掴めばそれだけで痛みが走った。
力を込めて引っ張っても、痛いだけでどうにもならない、少し掌は傷ついたかもしれなかった]
――……、……
[声のようなものが聞こえれば、
咄嗟に名前を呼びそうになって押し黙る。
皆にも彼だと気づかれるのは、時間の問題だと思ったけれど]
……君の獲物は私ではないのか。
[小さく低く囁けば、鼓膜を揺るがす咆哮。
思わず、腕は離れて身を竦める]
[威嚇すると、ロランの手が離れる。
その手が少し切れたのか、血の匂い。
獲物は私ではないか、というロランにちらと視線は向けただろう。
だが、首を振ると、サーシャからも離れ、また前車両のほうに脚を進め始めた。
そう、そこにある、シュテファンの遺体。
それが今食うのに一番最適な、
死んだばかりの新鮮な肉。]
クワセロ……。
[不気味な声をあげて、獣はそちらに向かっていく。**]
[元来、別の狼に仕えるべき狂人の悩みなど。
初めて出来た、人間の友人に心惹かれる悩みなど。
──狼の咆哮は、瞬時にかき消した。はずだった。]
狼様っ!?
[はじかれたように顔を上げる。同時に駆けだしていいはずの体は何故か動かない。
一瞬の逡巡。その間に、獣は食堂車へと姿を見せる。]
ぁ……あ……あ……!!
[……今度こそ吹き飛んだ躊躇。自然に、椅子を降り跪く形になる。
なんと気高い姿だろう。なんと美しい姿だろう。なんと恐ろしい姿だろう。
──逃げ出したくなる本能的な恐怖をねじふせる。そのことにすら、脳が焼き切れそうな昂揚を感じる。]
狼様……。
[褥で囁かれるかのような、うっとりとした声。
その爪で切り裂かれたならば、腹や喉に溜まるどろどろした感情も、ぼんやりとした苛立ちも全てぶちまけられるのだろう。
その牙に貫かれたならば、この迷いも一瞬で砕け散るのだろう。]
狼様……。
[黒くつややかな毛皮に、そっと手のひらを埋める。]
……ぁ
[そうすれば手首の傷に鼻先を近づけられて、胸がちくりと痛んだ。
──狼が村を旅立ったとき、自分でつけた傷。それがこの黒い狼の前では、ひどく恥ずかしいものに思えて。
けれでも彼の鼻先に押しつけるように腕の角度を変える。狼が望むならその通りに。狼のやりやすいように。そんな自然な反応。]
[姿に。息づかいに。毛皮の感触に。幸福を拾う脳は溶けてしまいそうだ。]
ろらん。
[友人が駆けてくる。その必死な姿と対照的に、とても、とても幸せそうに笑った。]
おーかみさま、いたよ。あいにきてくれた。
[ぎゅう、と、硬い毛に頬を押しつける。]
……しんじゃったかも、なんて、おもってごめんなさい。
でもね、おれ、がんばったよ。じゃまなひと、ちゃぁんと。
[後半は獣の声にかき消されたかも知れない。咆哮に、本能が体をびくり、震わせる。]
あ、……。
[離れていく獣。名残惜しげに指先に絡んだ毛を離す。
その姿がドアを完全にくぐり抜ける前に、ぱっと立ち上がった。
誰にも止められなければ、狼の後を追い、前車両のほうへと向かうだろう。
そして、そこで狼の食事を見ているのだ。オーロラに感動する子供のように、陶然とした瞳で。**]
[最後尾タラップ→前車両]
[シュテファンの肉を巨大な獣が貪る。ぴちゃ…ぴちゃ…という音が廊下にまで響く。…は、その部屋の前、廊下に煙の様に立っている]
衝動に突き動かされた…獣。
貴方は…何を求めているの?
…何の為に生きているの?
[…の瞳に恐れの色は無く…ただただ、憐れみに満ちている。
すっと、懐から一枚のカードを出す。カードは「死神」の逆位置…意味は「孤立」「孤独」…]
[サーシャが蕩けたような表情でわらう、零れる苦い呟き]
……ちがう、
[否定したかったのは何だったのか、
彼が“狼様”であるという事実だろうか。
あるいは彼が獣であることを喜ばしいこととするサーシャの言葉か。
きっと両方だと、気づいて]
私は彼に、人間であってほしいんだ……。
[恐れよりも先立つ痛みは、
語りかけようと零れる言葉は、ただそう望んでいるから]
[発した言葉にミハイルの紅い眸が己を向く]
――……、
[首を振る仕草、それは否定にも何かに抗うようにも見え、
追い詰めたのは自分の言葉と行動かと後悔が過ぎる。
けれど、言葉は届いている。追わぬ理由はない。
掌をコートで拭えば、かすかに赤い線が付いた]
待って――…、
[うなりに混ざる言葉が、聞こえた。
人を襲うなら止めたくて、急いた足でその後を追う*]
[一度目の咆哮。忘れもしない、あれは狼の。つまり、車内に混じる狼の…]
!
[眠気等一気に吹き飛んだ。身を起こし、声の方向を見遣る]
…エーテル……は?
[列車の最後尾に向かったはずの彼女の身が心配になった]
[部屋から飛び出そうとして、思い止まる。ドアノブに手を伸ばせば、右手の甲に残る忌ま忌ましい爪痕が視界に入る]
……。
[やはりこの傷は、極力隠して置きたかった。振り返り見回すと、手袋はベットの上に無造作に置かれていた]
ああ、そのほうがいいだろう。
シャノアールさんの部屋を確認したら、食堂に――
[予定外の出来事が起こってしまったけれど、当初の目的は果たされていない。
だからそれを為してからと口に仕掛けた己の瞳に、女の影が映る]
――――……アナスタシア、さん。
[つい先刻、食堂から去る背を見送った長い髪の婦人。
思い詰めたようにも見えるその姿は――既に生を持たず。
ただ、己はヒトだと、其れだけを伝えてくる]
[覆ったままの唇から漏れる呟きをナタリーが拾う事があれば、「アナスタシアさんも亡くなったようだ」と事実のみを告げる。
――その刹那、列車内に獣の咆哮>>36が響き渡った]
― 一等車両 ―
[そこに見つけるのは、殺されてほどないだろう写真屋の男の亡骸。
獣はその亡骸を前足で押さえると、その腕に牙をたて、ばきりばきりと肩からその腕をへし折り引き千切った。
そしてその腕をそのまま場牙帰途噛み砕き、それが二つに割れて落ちると、今度はアバラの下、腹に食いつき、ぐちゅぐちゅと肉を噛み千切る。
そこに飛ぶのは、血飛沫と肉片。
人がただの肉塊になっていく様子。]
[隣の部屋から、何やら恐ろしい音が聞こえて来ます。
果たしてあれは、こっちまでやって来るのでしょうか?そうなったらおしまいです。
それとも、誰かが都合のいいヒーローが何とかしてくれるのでしょうか?あるいは隣だけで満足し、どこか遠くへいくのでしょうか?
少女は小さく丸まって、荷物入れの中に隠れています。己の身に似た、白い羊を抱きしめながら。]
[そして、あらかたシュテファンの食えそうな部分は食しただろう。
それを追いかけてきたロランやサーシャはどんな顔で眺めていたのか。
だが、獣はそれだけでは飽き足らず、また匂いを嗅ぐ…。
それは、やわらかく、甘くて瑞々しい子どもの香り…。]
[隣の部屋が騒がしいです。
悲鳴や怒号が聞こえてくる気がします。
誰かが昔いっていました。人間が力を合わせれば、人狼だって倒せるのだと。
今聞こえてくるのはうなり声や何かが折れる音、ぐちゃぐちゃりとした粘り気のある不快な水音、悲鳴、うなり声…。
果たしてあれに対し、本当に人間は勝てるのでしょうか。やっぱり人間は、エサに過ぎないのしょうか。ふるふると体育座りで震えながら、少女は耳を澄ませています。]
[獣は今は食うことに集中していた。
そして、そのまま、隣の部屋に移動しようとする。
それは、多少の制止や叫びでは止まらないだろう。
今はまともな声もまるで夢のような高揚感。
おそらくは何かしらの武器を持って攻撃しない限り…人間の部分は、どんどんと獣の本能に埋もれていく。]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 9日目 エピローグ 終了 / 最新