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身体一つで走り出す
誰にも咎められず走り出す
知る人たちが知らない人たちへ映る時
有り触れた筈のひとつひとつが わからない
自分はどうやって歩いていたんだろう
どうして駆けられていたんだろう
身体一つで駆け抜けろ
誰にも知られず駆け抜けろ
身体一つで駆け抜けろ
誰にもわからず わかってもらえずに
どうか 最後まで 貫き続けろ 一本のダガーのように!
[カッと目を見開くと、刃物に準えたタイトルとかもうお前黙れな歌詞を一気に歌いきる。無論巧くは無い]
俺も随分甘くなったもんだ…
この騒動でライバルを蹴落としてでもオーディションに受かりたい、そう考えていたはずなのに。
ソヨだって、ライバルが減ってうれしいはずなのに…
ヨルも、バクも…サイのやつも…
ったく…よぅ…
[返事もかかずに、暫く立ち尽くしていた]
─中庭─
[走りすぎたせいで、息が切れる。ソヨたちから、少し離れたところで、膝に手をあてて、しばらく呼吸を整えた]
[ソヨがいる。歌っている。
瞬きして、見つめる]
ひッヒヒ
[ハツの笑いを真似るように。ELEVENの少年の声が、>>+53のアクセスに応える。]
まったくだぜぇ……『とも』よ。
その1人の出来損ないが、たった1人の出来損ないが、悪を滅ぼそうと闘ってんだッ! っひっひっひゃッはッははぁ!!
……おう、バク。
欠陥持ちだのなんだの、こまけぇこたぁどーだっていい。デビューなんざ出来なくたって死にゃあしねぇ。
山派ロイドならッ!!
出来損ないの『仲間』を応援しよーぜッ!!
唄え謳えうたえぇえええええええッッッッ!!!!
[ヨルの声>>+55に重ねるように、ELEVENも唄う。いや、歌とは呼べない、ただのさけび。それでも、彼にとってそれは、うた。]
─中庭─
ここは、どこ? !!
バクは? リヒトは?
下らない騒ぎは終わったの!?
[周囲の誰にも目を向けて、もしくは目に入らないまま慌しく見回した]
ん…?
[考え込んでいると、ふと聞こえて来た歌声に顔を上げて]
……ソヨさんが歌ってる…?
[中庭で歌うソヨの姿を見つけると、歌につられるように中庭へ]
おーおー、無茶やるもんだー
ひヒッ
[自分で示した回線。AIKAによって隔離された現状、唯一とも言える“外”への糸口へ向けて、雪音があらん限りの歌を叩きつける>>+52。それを、まるで他人事のように眺め、言葉を漏らした。
何しろ自分が先ほど散々挑んでどうにもならなかったプロテクトだ。いまさら歌一つで開けられるとも思わなかったが]
ひっヒ
しかしまーここでなんにもしないっつーのもなー
オレが焚きつけたみてーなもんだしなー
ひヒッ
しょーがねーよなー
ああ、しょーがねーしょーがねー
[まったくそんなことなど思っていないような嬉しげな口調で繰り返して。やがて、雪音の歌に、もう一つ、別の音源が重なった。それは、狼の咆哮。風切る翼。一見気まぐれに、雪音の歌を邪魔しない程度に。短な音源が歌へと加わった]
(・・・ああ、いつものソヨさんだ。いつもの声だ。
良かった・・・)
[目を細めて少し眺め、それから背を向けて生活棟へと、足早に歩いて]
――中庭――
[がしがしと激しい足音を立てて中庭を出ようとして、耳に届くは懐かしい唄声。思わず振り返るとソヨが唄っていた]
転音殿………?
[何が有ったのか理解できなかった。茫然とその歌声を聴いている...の横をリヒトが通って行った]
歌を聞く、聞きたかった歌を。
届けれるかは分からないけど、消えてしまえば絶対無理だろう。
ヨルの維持を全力でしようと思った。
システムから与えられた仕事ではなく、朱音 ノソラの意思として。
ここにいるのはスヤさんとサーティくん、ショウくん、シャトちゃ…んにストくん! 他の皆…は?
[声をかけてきたストに慌しく、落ち着きをなさないまま詳しい事情を尋ねる]
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