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[ 期末試験は411点。
夏前よりも下がったととるべきか、実力よりとれたと言うべきか。
もうちょっとやれたのかなとか少しばかり思っていた。
席にやってきた夏樹に、毎日もっと聞けばよかったな、と苦笑い――そうすれば、彼女も満点を維持できたかもしれない。
とはいえ、毎日のやりとりが楽しかったしそれを否定してでも勉強するのは難しかったかもしれない。 ]
……もう埋まってる
びっしり、と
[ そう答えれば、不安げな夏樹を横目にしながらスマホを少し操作して。
ほら、とカレンダーアプリ画面を見せれば、その日は『 [終日] 夏樹 』と長いラインが表示されていた。
……ちなみに少しスクロールすればその線がしっかり翌日まで伸びているのが見えるが。 ]
俺から誘うつもりだったけど、先越されたなぁ…
[ ちょっとばつが悪そうに頬をかいた。* ]
/*
あ、ホントだ……!?
気づいてなかった。
[毎日のやり取り。楽しくてドキドキして
そんな風だったから勉強の二文字が
互いに出なくても仕方がないだろう
――次は一緒に、たわいもない雑談でもしながら
すればいいじゃないか、なんて笑いかける
とはいえ雑談メインになってしまいそうだが
そのあたりはまぁ、青春ということで
さて、いろんな不安や期待がないまぜになった問いかけに
もう埋まってる、と返されたときには
眉根をしゅんと下げた、ところ――]
あ。
[カレンダーアプリに表示された名前に
よくよく眺めれば翌日まで続くそれに、
ぱっと瞳の中に喜色が宿る]
公園でのデートの時とか、
何時も誘ってくれているから。偶には
ボクから、誘いたかったんだ。
[バツの悪そうな君にはそう言って微笑み
楽しみにしてるね、と耳元にて紡げば吐息が耳朶にかかったか
きっと待ち合わせは何時もの駅前だろう
その時に。何時もの”白”を着てくるか着てこないか
当日まで悩むボクの姿があったことは、余談だ*]
そっか
じゃあ時間は…
[ などなど。
決まれば以降は即決で話が進む。
どこに行きたいかはずっと前から決めてあることだし、日程が日程なのでそこを加味するとしても綿密な調整は要らない。
一緒に行きたいって気持ちに任せて決めてしまうこの2人、おかげで仲が良くなれたと言えるが――
着ていく服とかプレゼントとか後からひとり悩むのもお互い自分しか知らない風物詩。 ]
――っ!?
やめろっつってんだろ……男のときは
[ 文化祭のとき以来、反応度が上がったようで、両手で耳を隠して身を捩った。* ]
[時間と場所がトントン拍子に決まれば、
さて悩むは自分のコーディネート、相手へのプレゼント
身に着けるものがいいか、手作りの菓子などの方が良いか
等々。その悩む時間がまた楽しい
相手は即断即決なのだろうか、などと
考え巡らせるが似た者同士、なのを知るのは
一体いつになるのやら。或いは知らぬまま時が流れるか
それを知るのは未来のボクらだけなのかもしれない]
……ふふ。
わかったよ。鷹子のとき、だけね?
[感度が良い君なものだから
ついこうして悪戯したくなる可愛さがある
……が、あんまりやるとすねるので
今回はこれくらいに、である*]
[ あれ以来ときどき悪戯されるのは、一鷹が夏樹を待つことに決めている反動が、一鷹じゃないところのタガを外そうと集中したとかそんな話。
何にしても、冬休みを迎えて―― ]
おー、待たせたな
[ すっかり子供服も着慣れたようす。 https://goo.gl/UV3kKn
いつものトートバッグと違う、ちょっと大がかりなバッグを2つ提げている。 ]
[クリスマスイブ、当日
自分の部屋には。畳まれた白がある
――まだ、タンスにずっとしまい込むことはできないけれど
風音と共に買った、白を纏わずとも似合いそうな
服を着こんで、肩掛けのバッグを下げ
駅にて君を待っていれば、君の声がする>>72
やはり君は水色が似合う、と
カーキー色の下の服を見つつ思い
手を小さく振るボクの格好はといえばこのような
https://wear.jp/momo10ma/11507...
黒のスカートを纏い、笑んでささめく]
いいや、ボクも今きたところだよ。
[後ろ手に小さめのカイロは、隠してからね*]
うわ……
なんでこんなに可愛いんだよ
[ 白が似合ってきたのと同じように黒もよく似合って。
スカートからさらに伸びる黒にも目が行ったり。
今日アスレチックだよなとか、そのぶん守りたい意欲がとても湧いたとか他いろいろ。
バッグ持っているので大仰には出来ないけれど、そっと抱き寄せて。]
んじゃ、行こうか?
[ やっぱりぬくもりがほしいなとか、片手にバッグ2個偏らせてしばらくは繋ごうと手を伸ばした。* ]
ありがとう。ほめられると照れる、ね。
[尚、今日はアスレチックなのでスカートの下は
タイツの上には勿論スパッツであるが
――いうのは野暮であろう
行こうと促す君に、此方もまた自然に伸ばされる手は
常の様に掴まれ、指は絡められ
バッグを下げた影2つが、ゆらり
歩きながら揺れる
イルミネーションで、光り輝く駅前
ジングルベルをBGMに公園に行って思いっきり遊ぶカップルは
多分自分たち位であろう
――その分、貸し切りで楽しめそうだと
思うあたりボクもまだまだ子供かもしれない
握った手の温かさに口元緩ませながら、公園までの道を
君と、歩くのだ*]
[ 見れるかどうかが重要であってスカートの中身は結果論である――なんてのはそれこそ野暮である。
とにかく分かっていない以上は全力で守る気。 ]
わ、夏樹の手あったかい
夏樹みたいだ
[ 言葉の意味がやや不明な喜び方をして、人の多い駅前を歩く。
光と音に溢れた空間は幻想的で魅力的で――特別な日に恋人たちが過ごしたくなるのはわかる。
けれど、今隣りにいる人は、自分にとってもっと特別で―― ]
[ 駅前から離れると、人は極端に減って。
静かな道が続くここからのまだ少し遠い道、手を繋いでいたのをやめて立ち止まる。
しゃがみこんでバッグを開け始めると。 ]
こいつ?
行き先までちょっとあるしさ、これで行こうかと思って
実はガッコの貸出物品なんだぜ?
[ それぞれのバッグを開けてみせれば、出てきたのは――キックスケーター。
最近整備されて状態の良い、車も少なく平坦な道路が続くここからの道はまさに最適だろうか。
いつものように手を繋いで歩くのを捨てるのは勿体無いけれど、ちょっとした運動に冬の風がとても合うはず。*]
[守られていることに気付いてネタばらしをするのは何時なのか
或いは、気づいてもそれが嬉しくてもう少し黙っているのか
どうなるかは今後のボクら次第であろう
君のシンプル過ぎて逆によくわからない
と、思われそうな感想だが
なんとなく、フィーリングで
自分と触れ合えるのを喜んでくれてるのかな、と
思うようになったのは君と過ごす時間が楽しいからだ
幻想的なムード溢れる場所よりも
ボクららしく、共に楽しめる場所で
思いっきり体を動かすのだっていいじゃないか
元はキリスト様の誕生日。ボクらにとってはきっと
1日1日が特別なはずだし、ね!]
[駅前から少しばかり遠ざかれば、BGMもイルミネーションも遠くなる
君が2つ持っていたバッグからとりだしたのは
割合、懐かしい部類に入るだろうキックスケーター]
ローラースルーゴーゴーとか昔流行したよね。
学校ってこんなものまであったのか。
[うずうずしてしまうのは好奇心旺盛な性だから
道の状態も良いし、冬の風も興奮で火照る肌にはここちよかろう
早速――]
勝負するかい?一鷹。
公園についたらゴール、ってことで
[早速スタンバイして、君に向ける
挑戦的な、眼差しを*]
えー、俺知らねー……
キックボードじゃねーの?
[ ごくたまに夏樹の言葉がわからないときがあるが、それはそれで掛け合いのきっかけになるので楽しい。
ここらへんは基礎学力の差だと信じたい。 ]
そう来ると思ったぜ!
ちょっとまって
[ ダウンの前を開けて風を大きく取り込んで体を冷やせるように。
ゆっくり談笑しながら行くのが恋人同士かもしれないが、全力で蹴り進んでもいいじゃないか。
出会ったときから、ずっと全力で燃やしてきたのだから。
ふたりの語らいは、負けたらジュースとだけ―― 83 * ]
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