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……
…………
[泣きそうな落ち込むような気持ちを感じた。
それはセーガとの事ではなく、別の事由来の感情だ]
…そう
[ベルの語りを聞き終えてから]
まあ…明るいし、花も多いし…
そうなんじゃねーの
[『たまのお散歩も気持ちのいいもの』という言葉に、まるで他人事のような返事がかえされる]
……
教えてくれた人ってのは
[それは、ベルからの返答を期待しての問いというよりかは、会話をとりあえず返しておくか、といったような言葉だったが、ベルから答えはあったろうか?*]
― 回想:5年前 依頼―
[あんたがクレイグか?そう聞けば、]
『……』
[その男は顔をあげる。
女から聞いた名前は『クレイグ』。
素性の知れない人間でも護衛を請け負ってくれるという。
身を隠せる場所まで頼む。そう言えば、]
『はいよ、りょーかい。……じゃなくて、えーと…』
[『クレイグ』という男は、何か悩んでいたようだ。]
『う、承りました?』
[また、男は笑った。*]
─ 回想/中層・ヴェス宅前付近 ─
[ヴェスの紹介>>11の補足をしなかったのは、その通りだったから。
それがベルに困惑を与えている>>28とは知る由も無い。
よろしく、とベルへ返した後、歩き出したわけだが]
………?
[不意に念話>>29が届いて、視線をベルへと滑らせる。
前髪に隠れた目だけで見ていたため、視線を向けていることに気付かれたかは分からない]
『…残念ながら、俺も以前のヴェスを詳しく知っているわけじゃない。
付き合いもここ2ヶ月ほどの話だ』
[その言葉で、関係を聞いた時の疑問は解決するだろうか。
返す声は思案するような気配を乗せた]
『……ただ、そうだな…。
自分の状態を把握出来ていない節がある。
触れられたくない部分を口にしてしまうとか、
話すことの整理もせず取りとめもなく話してしまうとか。
そんな風に話していることを自覚していないようだった』
[伝えたのは今日話してみての印象。
ベルにそれを話したのは、カウンセリングによって快方に向かうことを期待したため。
ただ、触れ方によっては止める心算も勿論あった。
ヴェスがカウンセリングを嫌がるようなら仲裁に入ることもするだろう*]
― カジノ ―
で、どっちだっけ?
オークション会場。
[そう、ユウヅキへと尋ねる。]
そういや、怪盗?が来るんだっけ?
ア…なんとかってやつだよな。狙ってんの。
[一文字目で躓いた。]
─ カジノ ─
[先程イルマがいた卓へと行ってみたが、既に交代したらしくその姿は無かった。
盛り上がる卓をしばし眺めてみるが、聞き込みを出来るような状態には見えなかった]
あっちの方が良さそうだな。
[示したのはバーカウンターがある方。
賭けの合間の休憩をする者、バーカウンター目当てで訪れる者、オークションで目的の物が出品されるまで時間を潰す者など様々だ]
ドライ。
「合点承知ー」
[こういう時、ドライの存在は心強い。
この場所にも慣れているし、聞き込みの話術もそれなりのスキルとして持っていた。
ただのチャラ男ではないのである]
[一方で、リルは羅針盤を取り出し動向を見る]
…これだけいれば、と思ったが、そう簡単には行かないな。
[様々な人が集まっているのだ、欠片でも反応があれば、と思ったが現実は甘くない。
嘆息した後、羅針盤を仕舞い、ドライがいる場所とは別の場所で聞き込みを開始した*]
ー オークション会場 ー
[銀の目の青年は、オークション会場を見渡す。
今日はお客も多く、ざわめく声は口々に商品と、怪盗と、狙われた理由を話し込んでいた]
『ふふ、一つばかり小咄をしよう。こんなのはどうだい?』
『あるところに美しいお姫様がいた。過去の世界を生きる麗しの姫は愛する民と共に平穏な日々を暮らしていた』
『そんな姫の美しさに見惚れたカラスがいた。カラスは仲間を引き連れ、姫を連れ去ってしまった。』
『カラスは姫の美しさを利用し、人々を魅了した。憐れな姫は今、カラスたちの暮らす城の暗く冷たい牢獄の中で自身を連れ出してくれる勇者を待っている。』
[誰も知らないお伽噺。その場で作られた即興劇の台本。だが幻を現実へと変えるその噺は、確かにこの現実にある夢物語]
『さあ、続きはまた後で。』
『どうか楽しんでいってほしいな』
[語り部の青年は、そう雑踏の中へと消えていった*]
[そんなことを言っていれば]
『すみません、そこの方』
[突然、呼び止められた。]
『どうです?一勝負』
は?
[突然ふっかけられた話。
ポカンとして、男は声を出す。]
『まぁまぁ、簡単ですよ。
カードを一枚引いて、高い数字が出たほうが勝ち。
一番大きいのはジョーカー。』
『三回勝負。勝ったらいいこと教えてあげます。』
『でも、負けたら。』
[男を指差す。]
『貴方が持ってる、それください。』
は?それ?
[男はそんなことを言うが、金属のことだと、
ユウヅキは気付いたかもしれない。]
― オークション会場 / バーカウンター ―
[呼び変えられるとイルマの口元が三日月を形作る。
セーガのぽつぽつと返事を返してくれるこの様子、やはり本物だ。]
あったかい、ですか。
[変わった表現だ。サングラスの下、少し目を見開く。]
それは良かったのです。
私も賭ける側になることもあります。
当たると本当に楽しい……。
そう、気持ちがあったかい、ですね。
[セーガ風に言うとそうなるのだろうか。
カゴに盛られたポップコーンを受け取ると、セーガの方へカゴを少し押しやった。]
ええ、ポップコーンです。
[だっけ?という疑問符を気にとめつつ、イルマはくすくす笑った。]
……っふふ、そうですね、はらぺこです。
私、食べるの大好きなんです。
セーガさんもご一緒に、いかがです?
[小首かしげ、誘いをかけた。]*
まぁ、いいや。
先攻は?
[と聞けば、お先にどうぞと言われる。]
……じゃ、俺から。
[そう言って一枚選ぶ。
次に相手が選ぶ。
カードを指先で持ち、それを表にする。]
5。
『Q』
[私の勝ちですね、と笑う。
ううん。と男は少し唸り、
次は相手が一枚カードを選ぶ。]
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