情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
[タオルを一枚、道具箱を一つ、水の瓶を一本。
量としてはそれほど多くはないのですが、今のわたしにとってそれらを運ぶのはなかなかに重労働です。
それでも、何往復するかよりは一度に運んだ方が早い、と、わたしはスーさんの元に歩んでいきます。
おまたせしました、と、声無くスーさんに告げれば、また、スーさんの傍らに膝をつきます。
飲料水の瓶を開け、中身をタオルに少しだけ含ませました。
それからまた、スーさんの包帯をつまんで軽く持ちあげて、首を傾げます。
解いてもいいですか、という、問いかけでした。]
[角と耳の引っかかりに注意し、帽子を脱ぐ。
マントを剥いで、上着のボタンに手をかける。
ばさりと無造作に脱ぎ捨てて、カインは己の身体に視線をやった。]
……
[胴には、絵の具で乱雑に塗りたくったような赤黒模様に覆われていた。
変異しかけのような、腐りかけのような、気味の悪い色。
しかしそれ自体に痛みなどを見せず、面倒くさそうに、取り出した軟膏薬を背に塗りつけて。
また手早く、着ていたものを羽織る。]
[例えば、だ。
仮に私が振り返ったとして、その後、村に戻るためにズボンを脱ぐとき、見ないでくれと頼んだとき。
彼は応じてくれるだろうか?
押せばなんとかなる、という結論に至ったが。
見てどうなるんだろう、と。
根本的なとこに立ち返った。
衣擦れの音も止んでるから、タイミングを逃したようだと悟った。
沈黙が耳に染みる。
あと、考えてたことが実に下らないことだったから、なんとなく気恥ずかしくて]
……何か面白い話、ないかい?
[例えば。
仮に、カインがパースが隠しておきたいと思っているかもしれないものを、偶然でも何でも見てしまったとき。
多分、たった数秒の驚き以上のものは何も無い。
見たからどうなるとか、それは今のカインにとって些細なことでしか、ない。]
んー? 面白い話……?
[沈黙に耐えかねた質問に、そーだなー、とか適当な言葉を乗せて。]
……春に花が咲く理由、って、知ってるか?
[服を着終える。
角と耳の穴が開いた帽子を、キャスケットの上に被せた。]
[二人を別々の棺に収めた。
教会にあったはずの手押し車は、既に壊れてしまっているようだった。
顔を顰め、引きずる。
穴を掘るエラリーは、幾分か手馴れていたようにも見えた。
やがて手指にマメを作り、擦り切れさせながらも十字架を突き立てる。
簡易墓地も殆ど埋まりつつあり、小奇麗な墓を作れるほどの余裕も、既に失われている。
そっけない十字架を眺めて、略式に十字を切る。
幾分かそれをじっと見た後、男はメモを取り出し、何事かを書きだした]
『村の父ドワイト その子ギュルスタン ここに眠る』
[十字架に紙を貼り付けた。風雨に晒され、灰にも晒され。
長くも保たないだろう。
何かが足りないと思ったのか、感傷か、男の行為がどう見えたか、それに興味は無さそうだった]
[セルマは、男を手伝っただろうか。
例え司祭とギュルスタンについて訊かれたとしても、男は何も答えられなかっただろう。
何も、知らないのだから。
埋葬の作業に、傘を差す余裕はない。
セルマは男に傘を差し掛けただろうか、それとも、共に灰を被りながら作業を進めただろうか。
積もった灰を払うことも、あったかもしれない。
何れにしても――]
帰りますね。
[埋葬を終えて暫し、メモに何かを書き付けていたかと思うと、男はのそりと顔を上げて、呟いた]
春に花の……?
よしきた、ちょいと考えてみよう。
[煙草中毒の語りかけに首を傾け、腕を組んで]
うーん、日の光と地中の養分が充実するから、とかだろうか。
いや、そういうことではないか。
…………。
……………………。
……こーさん。教えてくれるかい?
[両手を軽く挙げ、眉をハの時にさげてカインに話を促す。]
[エステルの───マイダの体温を感じながら。
ふ、と。
脳裏に浮かぶ、世界。
この世界は、もう終わる。
それを何故か、今はとても素直に受け止められる。]
───マイダ。
[何度、その髪を撫でたろう。]
[紅い羽は、降り積もる灰の中にあって、なお鮮やかに。
明らかに、異なる姿。
なのに意識は、まだ己のまま。
それが意味するところは、まだ分からないけれど。]
マイダ。
教会に用があるんだろう?
……行こう。
[もう一度、額に緩く口付けて。
指先で涙を拭ってやってから。
肩を抱き寄せ、教会の中へ促すように歩き出す。]
さーね、俺も知りたい。
[降参したパースの頭を帽子越しに撫で、答えを用意しなかった男はへらりと笑う。
もしさっき、服を脱いでいたときに。
カインの気付かぬままこちらに手紙狂いの視線が向いていたとしても、何も言われなければ、何も変わらない。]
ただ……
星が、咲かせてくれるから、かもな。
[曖昧な言葉を落とし、パースから離れる。
軽く腰と背中を捻って、薬の効きと具合を確かめた。]
『───マイダ。』
[その名前で呼ばれると違和感はあった。
けれども、もどかしさも感じて。
撫でられる度に涙はかなしさではなくあたたかさで零れて。]
あなたに、会いたかったの。
[教会が目的ではないのは伝えたけれど。
再び額に口付けられれば、 あっ… と小さく吐息を零した。
涙の痕はあったけれど、目元はもう濡れてはいない。
肩を抱き寄せられあたたかさに包まれながら歩む。]
[死体の保存について、知識はないでもなかった。
だが、この環境でどれだけそれが意味を持つだろう。
灰を避けるために頭にタオルをかけて、男を手伝う。
虚しさの前には、灰も土も、違いなどなくて。]
[返ってきた答えに、憮然とした表情を作り]
…………。
おい、君、それって。
[頭を撫でた相手を避難するように、そこで振り返り、へらりと笑う鹿をにらむ。
が、次の言葉には目を丸くし]
星……?
それって、どういう……?
[言葉の意図を追いたくて、体の調子を確認している彼を目で追った。]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新