人狼物語(瓜科国)


1444 【銀河鉄道の夜風RP村】こちら、銀河ステーション


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カロラ

 それから数年が経って、あれは、いつかの夏祭りの日。
 僕は、妹を連れて縁日に向かっていたんだ。

 ――お祭りの喧騒が近づいてきた頃、
 妹が突然立ち止まって、小さな声で告げてきたんだ。

   『好きだ』って。

 だけど、僕は妹は妹としか見ていなかったし、それにまだ小学生だったし。
 その気持ちに応えることは、――…出来なかった。

[一度、言葉を切って、眉間に皺が寄る]

( 31 ) 2014/08/09(土) 22:57:38

【墓】 レナ

─鷲の停車場─

[ゆっくりと列車からそこへと降り立つ
なんとなく辺りを見回したら、さっきのところよりも人はまばらのようだった

目の前に広がるのは翼を広げた鷲の姿
…あまり鷲の姿には見えないよなあ、昔の人は想像力が豊かだったんだろうなあ…、なんて思いながら
地上では見えなかった小さな星まで見えるから、余計に、そう思うのかもしれない

そして地上では見られない満天の星空
列車に乗っていたときにはわからなけったけど、直に目で見たそれはほんとに壮観で
自分なんて、ちっぽけな存在に思える


その景色に引き寄せられるように、一歩一歩近づいて
星の海に、身と心を浸していく]

( +3 ) 2014/08/09(土) 23:05:34

【墓】 レナ

[ゆらゆらと

星の中に漂って]

( +4 ) 2014/08/09(土) 23:09:51

【墓】 レナ

[遠くの方に乗っていた列車が、走っていくのが見える

皆も、「しあわせ」を見つけられたかなあ

祈る
どうか、皆が「しあわせ」であれますように、と**]

( +5 ) 2014/08/09(土) 23:10:59

【独】 レナ

/*
墓下に来たとたん参加できなくなってすごい悔しい…

( -7 ) 2014/08/09(土) 23:12:23

【独】 レナ

/*
夏休みの宿題を先延ばしにする高校生の気分

( -8 ) 2014/08/09(土) 23:13:18

ベニ

[覗き込んだ顔が優しくて、でも悲しそうで。頭を撫でる手は暖かくて。>>24]

(急な、落ちたらただではすまなそうな階段を、落ちそうになる他の人の身体を引き戻した>>26なら、引き戻した人はその勢いで……)

[頭の中に蘇ったのはおうちにある、屋根裏に行く急階段。落ちたら危ないからと言われていた階段。
まだおうちで遊んでいた頃。
落ちそうになったベニを捕まえた手。ちょっとよろめいて、何とか捕まえて。
その後すごく怒られた。
幼いベニがそうなら、大人だったら…。

――ぎゅっと目を瞑って身体を強張らせ、クノーの手を更に強く握った。]

( 32 ) 2014/08/09(土) 23:18:19

カロラ

 僕は何も言えなかった。
 気まずい沈黙が流れて、そして、たぶん、駄目だって察したんだろうね。僕を押しのけるようにして脇をすり抜け、妹が走り出したんだ。
 
 ――その日は、前の日の大雨で川が増水していて、酷く濁り、うねっていた。
 慌てて追いかけたけど、間に合わなくて……


 土手から足を滑らせた妹は、川に落ちて濁流に飲まれた。


 

( 33 ) 2014/08/09(土) 23:18:25

カロラ

 気づいたら、僕はその後を追って飛び込んでいた。
 黒い波の間を、妹の小さな手が浮き沈みしているのが見えた。
 
 僕は必死でその手を追いかけて、漸くその手を掴んだ時には、だいぶ下流に流されていたと思う。
 お祭りのお囃子も聞こえなくなっていて、聞こえるのは、川の流れる音ばかり。
 妹を岸に上げて――

 僕は、自分から、その手を離した。

( 34 ) 2014/08/09(土) 23:19:46

カロラ

 妹の叫び声が、一瞬で遠くなって
 濁流にのまれた僕が最後に見たのは、満天の星の間を流れる、しろいしろい、天の川。

[ゆるく、穏やかな顔で微笑んで。カロラはミナを見た。
彼はどんな顔をして聞いていただろうか]

( 35 ) 2014/08/09(土) 23:20:12

ベニ

『ベニ!頑張って!起きて!ベニ!』

[再び頭に響く、自分を呼ぶ声。]

(…そうだ、これ、ママの声だ。)

[ママの声…そう認識すると、記憶は溢れるように蘇った。*]

( 36 ) 2014/08/09(土) 23:22:28

ベニ

 …降りるって、そういうことなんだ。

[ゆっくりと目を開き、サウザンクロスで降りるというクノー>>29に、悲しげな微笑みを向けた。]

 ベニね、ほとんど字が読めないの。
 ずっとずっと、入院してたから。

だからこれが切符だって駅で言われたけど、何て書いてあるかわからないんだ。

[ボストンバッグにしまい込んでいた乗車券を取り出すと、クノーに差し出す。]

( 37 ) 2014/08/09(土) 23:24:02

ミナ

[カロラの話をただ静かに聞く。時間が経って冷えたコーヒーのマグカップを無意味に手で包んでいた。
彼がここへ来た理由を話せば、戸惑うように眉根を寄せて]

…ここは、死んだ人が来る場所なの?
君は…。

[―望んでここへ来たの?
その言葉は飲みこんで。乗りこんで、話を聞いて、分かっていたけど振り払っていた事実が目の前に迫る。
問いかける唇が、震えていた]

( 38 ) 2014/08/09(土) 23:34:00

クノー

 …………うん。

 ベニが降りるのは、次じゃない。
 ……詳しくは解らないけど。多分、そのまま乗ってた方が、迷子にならずに戻れると思う。

[>>32自分がその後どうなったのか、はっきりと言わずとも伝わったのだろう。
>>37差し出された乗車券を読み、苦笑と共に、ベニの方へと戻した。]

( 39 ) 2014/08/09(土) 23:34:23

ベニ

[クノーから乗車券を受け取り>>39、思い出したことを紡ぐ。]

…ちっちゃい頃はね、ベニも元気に走り回ってたんだよ。
おうちは神社で、…おうちのお手伝いの時にはいつもこの格好で。

近くに小さい公園があって、そこで遊んでる仲良しの子もいたの。
公園からは中学校が見えて、その中学校の制服がすごいお姉さんっぽくて、お友達と一緒に中学校に通うの、楽しみにしてた。
まだ幼稚園にも入ってなかったのに。

でも、幼稚園に入る前の、夏祭りのすぐ後、身体が起こせなくなって、そのまま入院しちゃった。

お友達と通う予定の幼稚園の制服も、ベッドから眺めただけで一度も着られなかった。
ベッドの傍に置かれたピカピカのランドセルも、一度も背負わないまま。

幼稚園も小学校もいつかは通えると思ってた。
苦しいのを我慢して頑張れば、通えると信じてたの。

( 40 ) 2014/08/09(土) 23:41:10

ベニ

でもベニの身体はそれだけじゃ良くならなかった。
白い部屋に入った時から、もう何年もベッドに横になったまま。
背中を起こせる角度も、どんどん低くなっていってて。

それで、最後のチャンスって言われて。
1年後の中学校には通えるようにって、怖い「手術」も受けるって言ったんだ。

手術の日、眩い光の下で、数を数えてたらふわっとして、真っ白になって。


…気が付いたら、ベニは制服姿でおうちの近くの中学校にいた。

[一息に喋りきると、ボストンバッグを開ける。
中から出てきたのは…可愛らしいブラウスと、プリーツスカート。]

…これが入ってたんだ。これ着て、中学校にいたの。

[手に取った制服は、不思議なことに着替える行為なく着用できた。]

( 41 ) 2014/08/09(土) 23:46:22

カロラ

[ミナの唇が震えている>>38
……そうだろう。自分が死んでいたなんて、思いたくないはずだ]

 ……そう。
 これは、北の十字架から南の十字架へ、死者を運ぶ列車。しあわせを見つけた魂は、列車を降りて天上へと旅立っていくんだ。

[ミナが飲み込んだ言葉には、気づいてはいたけれど気づかない振りをして、だけど少し躊躇って。
……目を伏せたまま、言葉を紡ぐ]

 …………。
 濁流にのまれて次に気づいた時、僕は銀河ステーションのホームにいた。
 鉄道が出ると言われたけれど、妹のことが気がかりで乗ることが出来なくて、だけど戻ることも出来なくて……ただ、あてもなく待っていた。

 そして何本か見送るうちに、僕は知ったんだ。
 ――あの時、自分が死んだことを。

( 42 ) 2014/08/09(土) 23:47:40

ベニ

でもね、中学校から出られなかったの。
おうちの神社も見えるのに、帰れない。

学校の中を歩いていても話しかけても誰も気づいてくれない。
明るいうちにモノに触れようとすれば、手がモノをすり抜けた。

日が暮れるにつれて少しずつモノに触れる感触があったから、気づいて欲しくて、悪戯したんだ。
消しゴムを落としたり、ボールを転がしたり、落ちていたものを拾ってみたり。
校内から人がいなくなった頃にはモノに触れられたから、音楽室でピアノを弾いてみたりもした。

いつしかベニの悪戯は、「七不思議」なんて言われてた。

――あんなに通いたかった中学校なのに、周りに人いっぱいいるのに、すごい孤独で、寂しくて。

…暫くして一緒に遊んでたお友達が入学してきて、卒業するまで近くで一緒に過ごしたの。
でも、3年経ってお友達は卒業して中学校から出て行った。
空っぽになった教室で、また独りなんだなってで立ち尽くしていた。はずなのに……

気づいたら、ボストンバック抱えて検札口前に立ってたんだ。

( 43 ) 2014/08/09(土) 23:50:02

ベニ

[ふと、何気なく聞き流した言葉>>39を反芻する。]

ベニ、クノーと一緒のとこで降りるんじゃないの?
次が終点って…

[アナウンス>>#1も思い出し、制服姿でクノーの手を握り締める。]

だって、この列車…

[続く『ベニだって死んだから乗ってるんでしょ!?』という言葉は、口の中で押し止められた。*]

( 44 ) 2014/08/09(土) 23:55:48

カロラ

[ふと窓の外を見ると、赤く燃える星が後ろに流れていくのが見えた]

 ……ああ、赤く燃える蠍が見える。
 もうすぐ、駅に着くころだ。

 ……ミナは、どうしてここに来たのか、思い出せたかな。
 僕はたぶん、サウザンクロスで降りることは出来ないから。もし降りてしまうのなら、君の話も聞いてみたいんだ。

[さようならの前に、と波ひとつ無い水面のような穏やかな笑みを湛えたまま、彼に話を促した**]

( 45 ) 2014/08/09(土) 23:55:57


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