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……さっきの話の続きになるけど。
ボクが、ベニよりももう少し大きくなった頃。
兄が……兄さんが、亡くなってね。
[あの日、無機質な黒服が差し出した書面も、こんな簡素な物だったろうか。]
その知らせが来ると同時に、父の使いが来たんだ。
跡継ぎが死んだからクノーを引き取る、支度をさせるように。
……って、ね。
[自分を手放すまいと最後まで食って掛かった母親は、一枚の書面を突き付けられ、黙りこんだ。
……その書面が何だったのかは、結局、解らずじまい。]
ボクは、“父の”子供になった。
……産みの母と別れて、父の元で暮らして、死んだ兄の遺した物をそのまま受け継いで。
そうして。父親の奥さんを、“お母さん”と呼ぶようになったんだ。
[その日から、自分の生活は一変した。
金銭に不自由の無い生活、恵まれた学習環境、家柄も心も豊かな友人たち。
…………それに、“優しい”養母。
穏やかな人だった、とは、思う。
ただ。時折、死んだ兄と自分とを比べては、酷く冷たい瞳をして。
そのくせ、何か物言いたげに言葉を紡ぎかけては、ため息を吐く。
……その、繰返し。]
…………でも。
あまりにも環境が変わりすぎて、馴染む事が出来なくてね。
……なるべく、独りで居るように、迷惑を掛けないように、って。
いつも、隅の方で過ごしていた。
ずっと、何年も……。
[何時からだろう。
星を見上げることを、止めたのは。
人と目を合わせることを、厭うようになったのは。]
そんな、ある日。
産みの母が入院したと、手紙が来たんだ。
……ほら。その手紙が、そうだよ。
[そうだ、思い出してきた。
人の目を隠すよう紙の束に紛れ込まされた手紙を見つけたのは、偶然だった。]
父の屋敷の皆は、母の話をするのを快く思わなかったから……こっそり支度をして、会いに行こうとして。
[深夜の屋敷。
踊り場からすり抜けて、夜闇に隠れて飛び出して。少しだけ顔を見て、戻ってから幾らでも叱られようと。
……そのつもりだった。]
――――……父の奥さんに、見つかったんだ。
[頼りない電灯の元で見た養母の表情は。
死人の如く、色の無い物だった*]
クノーは、カロラ を投票先に選びました。
……そうしたら、“あの人”は。
ボクの肩をつかんで、母を……産みの母の事を、酷く罵ったんだ。
[『二度とお前に会わない約束で、金まで渡したのに』『これだから泥棒女は』と。
髪を振り乱して叫ぶ女の姿は、暗い屋敷の中、懐中電灯に照らされ酷く恐ろしくて。]
…………だから、ボクは。
つい、言ってしまったんだ。
『本当は、貴方が兄を殺したんだろう?』
……って。
[穏やかな人だった。
けれども、酷く神経質で、心の脆い人だった。
……そんな事を言えばどうなるかなど、解っていたのに。]
――――……酷く取り乱した“あの人”は、其処に階段がある事にも気付かない様子だった。
大きな屋敷なのに、階段は酷く急でね。
落ちたら、只では済まないだろうと。
[そう、そして。]
…………そう気付いた瞬間、“あの人”の体が揺らいで。
ボクは、咄嗟に彼女を引き戻していたんだ。
[揺らぐのは自らの体。
月明かりと電灯が照らす、見開かれた養母の瞳。
浮遊感は束の間。段を転がる衝撃と共に、脳裏が白く染まって…………]
――――……気付いたら、此処に居た。
[……全てを思い出すと共に、>>#0流れるアナウンス。
停車も発車も、微かな衝撃を伴って。
>>#1続く声にふと、胸元の固い感覚に気付き、取り出す。]
…………ねぇ。
ベニは、どうして此処に来たの?
……勿論、言いたくなければそれでも良いんだけど……
[出てきたのは、乗車券。
刻まれた文字に、ああ、と。予感は、確信へと変わる。]
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