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── >>3:80>>3:93と>>14の間 ──
それと、これは餞別よ。
一応【洋館】要所に転送はしておいたけれど。
[救急スプレーを光に覆われ始めたアロールへ投げておく。
塗込めば細胞補填となるゼリー状物質、再生ゲルの入った再生チューブも、【洋館】で探せば見つかるだろう。
こちらは救急スプレーよりも効果は高いだろうか。]
…………。
あとこれは、
少女に出逢ったら射ち込みなさい。
[ハンコ注射に似た注射器を二本放り投げた。
うち片方は薬剤を注入するのではなく、皮膚表面にデータを射ち込むタイプに見える。]
予備の【転送装置】で貴方を転送するけれど、
その【転送装置】をどう使うかは貴方に任せたわ。
使い方は、自ずと知れるでしょう。
ー ベリニの胸の中 ー
[抱かれて大人しく身を任せる。血に染まっていく彼女を見て自分はもうダメなんだとふと考えた。]
キャ…ン…
[か細く痛みを訴える。
背中から流れる痛みと流れる血の感覚が死への恐怖と掻き立てる。
でもベリニの心臓の音はすごく心地よく聴こえてきた。]
[やがて手当を受けると声に鳴らない激痛が全身に走る。]
[痛みを堪えながらも何度も何度も頬を舐めた。]
[小さな小さな私のお友達。出会って間もないけれど、シェルターから此処まで共に危険を乗り越えて来た仲間だ。
ベルリヒッターの手当をしてる合間も私の涙は止まる事がなかった。ぼろぼろと零れ落ちてる涙。はらはらとベルリヒッターの身体に落ちる。
慰めているのか、ベルリヒッターは痛みを耐えながら舌を伸ばし私の頬を何度も何度も舐めた。
優しいこの子を失いたく無い。でも、ヴァレリーさんも私を庇って・・・死んじゃった。]
もう、やだよぉ。なんで、こうなっちゃったの・・・ぉ?
ひぃ・・・っく、ベルリヒッター、しなないで・・・。
[私の口から零れ出るのは弱音と嗚咽。
小さな嗚咽は段々と大きくなって、私はまるで赤ん坊の様に「わああああん」と声を出して泣いた。]
……か弱い子供ねぇ。
[まあ、とりあえず、否定はしないでおいたが]
……それもそうだが。
一応、食料や水くらいは持ち合わせているぞ。
[私物云々は、肩を竦めて]
[一案としては、あの機械状の蜘蛛の中>>3:74にはレディのコピーを入れ、レディにも送信したファイルとる予定だった。
そのプランが無くなった以上、代わりのものは必要となる。]
貴方にそれを使った理由を告げることはないでしょう。
……私の指示通りに動いて貰うわ。
でなければ【死】は回避出来ない。
もっとも【殺そう】とも思ってはいるのだけれど。
[謎めいた言葉を呟き。]
猫をも殺す好奇心を愛でる趣味はあってもね。
…………。
[アロールが消えた後]
生体兵器を造れたら、
あれで操作出来ると愉しいと思ったのでしょうね。
[ベージュの髪をふぁさりと風に流す。
蜘蛛状の機械は起動していた赤い光は何らかの信号を送る時には鼓動の様に赤く拍動するだろう。]
私なら、あんなものは使わずに、
無意識領域野における洗脳を施した方が、
確実性が高く、解除性も低いと思うわ。
貴方の特述コードのようにね?
[微笑み、右手を耳飾りに宛てた。*]
[ベリニからポタポタ流れ落ちる涙が首を伝う。生暖かい。ゆっくり起き上がるとよろよろと歩き出して部屋の隅でしっかり立っている洋式の桐箪笥からハンカチを咥えてまたベリニの元に帰った。]
― 研究所・地下の一室にて ―
[神父の足下、部屋の床に一面に描かれたルピナス研究所のロゴマーク。
主軸が長く伸び、柄のついた花が間隔を開けて円錐形に並び、下から幾つもの蝶形花が咲く様の特徴が描かれている。ルピナスという名前はラテン語でオオカミを意味するループスという言葉に由来する。とある仮説ではどんな土地でも育つたくましさがオオカミを連想させた、一方では、ルピナスが大地を破壊すると畏怖されており、そこからオオカミが連想されてこの名が付いたと謂われている。
また、ルピナスはオオカミからではなく、ルピナスはギリシア語で悲哀を意味するルーペから来ているとも。
昇藤の根のように街全体に張り巡らされた地下通路。
皆の悲願を集めたティア。>>0:176
その中心に建つルピナス研究所。]
[そう言えば、自分を喚び出した教会の信者は言っていた。>>0:240
これは私達の悲願なのだと。世界の終焉を願う純粋な破滅主義者もいれば、ウィルスがもたらす破壊の後の新たな世界で生きることを願う者もいる。あるいは其れが何かしらの恩恵を与えてくれると信じる者もいるし、其れの力を利用しようと考える者もいる。
黜き星ぼしの昇る夜は不思議なるかな不思議なる月がひとつならず穹天をめぐりたり。
星座が正しい位置に還る時が来たのだ。
そう口々にする信者達の希いは神父にとって取るに足らないものであった。さして信者達の妄言には興味は湧かないし人間達がどうなろうと神父は知った事ではない。
けれども悪戯にB.O.Wを街に放す真似をして感染をより広めようとしたり、ワクチンがあると仄めかして研究所におびき寄せて(知らず知らず研究者の手助けになっていたが。)いた、のは、神父の好奇心を満たす為だけの行為だった。神父はただ愉しめれば良いのだ。
結果、信者達やとある研究者の希いを叶えたとしても。]
/* さてと。墓も見えてる私としては……ジムゾンを早々下には送りたくはないのよねえ。地下に送れば、大変な事になるのは目に見えているし。地上で始末させて貰うのが一番かしらね。それが私にとっての最善策ではあるのだし。でもこれ、殺せなくて愉悦に終わりそうなのも実際嫌だから……困るわね。 */
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