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見えた限りではね。
……死ぬくらいで、そんなに変わるもんでもないさ。
多くの存在はそうさ。
[半ば、自らに信じ込ませるように。]
――エステル、これで良かったのかい。
[ついと少女に身体を向ける。
その様子から、恐らく目的は達したのだろうと予想して。]
…………幸せかい。
[星精の、エステルの力を使えば、
瀕死のドワイトの命を掬う事は出来たかもしれない。
灰で芽吹かぬ種も芽吹き、一瞬で花を咲かせも出来たろう。
けれど、その場合ドワイトは癒される箇所は魔物化が進み、
植物は芽吹いた時から変異植物として育つだろう。
それは星精が原因ではなく、──────。]
[理解には大きな隔たりがある。
それは正解で、間違い。]
そう、そんな腑抜けた世界に、お前は生きてるのさ。
[知っていることを、カインの言葉で話しているだけ。]
諦めたくないと踏ん張ろうとしたって、もう、その足場が壊れてしまうとするならば。
パースは、どうする?
[それでもなお足掻くのだろうかと、日常会話のトーンが問う。]
投票を委任します。
小説家 エラリーは、人造妖精 エステル に投票を委任しました。
毒舌家 セルマは遅延メモを貼りました。
/*
と書きましたが、普通に滅んで消滅だろうかなと……。
もし先があるなら、ランスが闇の中から復活もあるのではないか程度。
…………そうかい。
灰色の羽だか、マイダだか分からないけど。
そりゃ良かった。
――でも。
今その羽の。
――――エステルの、幸せとは別なのかい?
[皮肉でも、毒舌でもなく。
ふたつに分かれたものを慈しむように、
あるいは哀れむように。]
[何でもない事のように、いつもと同じ調子のように、今日の天気をつぶやくように言われても。]
なんだい。それ。
泣いちゃうよ。
[カインに向けて、ゆがんだ笑みを浮かべた。
ほかにどんな表情をすべきか分からない。
言葉を探して、口を開けて閉じて、うつむいて。キャスケットを脱いで口元を隠す。
壊れかけている友人の顔が浮かぶ。
どうせ壊れるなら、いっそ、と思ったあの時。
じわりと目頭が熱くなる。感情が荒れる。]
ああ…………。
足りない私には分からないね!
憎らしくて自分の足で壊してしまいたくもなる。でも、最後まで方法を探してあがきたい……。
…………。
[記憶と今とは違うから。
それだけのシンプルな持論。
羽を持たない女の、狭量かもしれない考え。
だから、羽を持つものへ、問い掛ける。
――今、幸せかい。
アンタ達の世界は、それで、満足かい。]
/*
パースてきに
世界死んじゃう→
どうやっても無駄ならまあ仕方ないよね
手紙出す人のいないとこにいたって私も仕方ないし
せめて最後までいきぬこう
なのに
世界がとっくにあきらめてるよ→
あきらめてるよじゃねえよふざけんじゃねえよタヒね
ってかんじ
滅びるのは仕方ないけど捨て鉢なのは嫌いなんだな
きっと
………………。
・・・・・・。
私は、見守るだけ。
(ソウ、キマグレ。)
[終わりの一時に、
心も記憶も失った哀れな残滓に委ねたのは。
エステル《星》として委ねたのは。
星《エステル》の気まぐれ。]
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