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[欲望に塗れ、好き勝手に生きた癖にそれ以上を望み。]
[他者の希望の芽を奪い、踏み躙り、笑い。]
[自らの分不相応を齎せと、乞い願う。]
[こわい、と告げるスーさんの頭をそっと撫でます。
大丈夫、大丈夫と、落ち着かせるように。
本当はスーさんと一緒にマスターの部屋まで行ければよかったのですが、スーさんの身体を無理に動かすのはあまり良い事の様には思えませんでした。
変わりにケープを脱いで、そっとスーさんの肩にかけます。
人肌の温もりにはかないませんが、それでも、無いよりはきっとマシでしょう。
わたしは立ち上がり、マスターの部屋まで真っ直ぐに向かいます。
倒れた椅子は後回しです。
マスターの部屋の入り口近くに目的の道具箱を見つけると、すぐにカウンターの方へと戻りました。
お酒を割る為の、飲料水の瓶が何本か備蓄されているのを思い出したからです。
残りの本数も、大分心許なくなっていますが。]
[タオルを一枚、道具箱を一つ、水の瓶を一本。
量としてはそれほど多くはないのですが、今のわたしにとってそれらを運ぶのはなかなかに重労働です。
それでも、何往復するかよりは一度に運んだ方が早い、と、わたしはスーさんの元に歩んでいきます。
おまたせしました、と、声無くスーさんに告げれば、また、スーさんの傍らに膝をつきます。
飲料水の瓶を開け、中身をタオルに少しだけ含ませました。
それからまた、スーさんの包帯をつまんで軽く持ちあげて、首を傾げます。
解いてもいいですか、という、問いかけでした。]
/*
神様見守りタイム。
あれですね。お星様が見てる。ですね。
これで言えばお星様に願ったマイダも………案外不相応。
[角と耳の引っかかりに注意し、帽子を脱ぐ。
マントを剥いで、上着のボタンに手をかける。
ばさりと無造作に脱ぎ捨てて、カインは己の身体に視線をやった。]
……
[胴には、絵の具で乱雑に塗りたくったような赤黒模様に覆われていた。
変異しかけのような、腐りかけのような、気味の悪い色。
しかしそれ自体に痛みなどを見せず、面倒くさそうに、取り出した軟膏薬を背に塗りつけて。
また手早く、着ていたものを羽織る。]
中毒 カインは、手紙狂い パース を投票先に選びました。
[例えば、だ。
仮に私が振り返ったとして、その後、村に戻るためにズボンを脱ぐとき、見ないでくれと頼んだとき。
彼は応じてくれるだろうか?
押せばなんとかなる、という結論に至ったが。
見てどうなるんだろう、と。
根本的なとこに立ち返った。
衣擦れの音も止んでるから、タイミングを逃したようだと悟った。
沈黙が耳に染みる。
あと、考えてたことが実に下らないことだったから、なんとなく気恥ずかしくて]
……何か面白い話、ないかい?
人造妖精 エステルは、手紙狂い パース を投票先に選びました。
[例えば。
仮に、カインがパースが隠しておきたいと思っているかもしれないものを、偶然でも何でも見てしまったとき。
多分、たった数秒の驚き以上のものは何も無い。
見たからどうなるとか、それは今のカインにとって些細なことでしか、ない。]
んー? 面白い話……?
[沈黙に耐えかねた質問に、そーだなー、とか適当な言葉を乗せて。]
……春に花が咲く理由、って、知ってるか?
[服を着終える。
角と耳の穴が開いた帽子を、キャスケットの上に被せた。]
[もし神が災禍を望めば降らせたでしょう。
もし神が罰をと求めれば行ったでしょう。
けれども選んだのは死と手離すこと。]
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