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[...は既に占い・投票共にメールに送る名前を決めていた。
メールソフトを開こうとして、その前に猫耳がピンと立った。
見るとバクからのメール>>129だった。明らかにスヤに当てたものだったが、...は返信した]
『To:焔音 バク
Sub:お主は阿呆か。
Text:
逢音殿が今日調査されて「人狼」でも「蝙蝠」でもないと
判明して、次はいつはっきんぐされるかという苦痛に襲わ
れ続けるじゃろうな。
本当に苦痛から解き放ちたいのなら、さっさと「人狼」や
「蝙蝠」みつけて強制終了させるのが最も手っとり早い。
休音殿の調査も、恐らく出来て後1、2回じゃろうて。
「信じたい者」じゃなく「怪しい者」をあげい』
―自室―
[結局、部屋では眠ってしまっていた。そしてバクのメールに返事を出したことぐらいか]
調子はまあまあね。
[最近おかしくなっているのは、緊張が続いているせいか。あれこれと詰め込み過ぎた身体は繊細で、感情の起伏に追いつかない部分がある。危険を避ける為に強制的に下げる能力もあった筈だが、安全弁は既に壊してしまっていた]
まあまだ、あるのだけれどね。
[一つが機密保持用の自裁プログラム。発動させれば内も外もこの身全てが壊れ落ちるだろう。自分を開発させた上の人間はボーカロイドに何をさせたかったのだろう。アタシは歌を歌いたいだけだったのに。
もう一つはお手製だ。心が弱いアタシだからこそ心を殺せば――多少は渡り合える筈]
腕の一本、いいえ。小指の先でも貰うわよ。
[ハッキングという行為――近距離にさえなれば、そのぐらいは…]
まあ、それすらできなかったらご愁傷様ということね。
[こんなアタシを狩人役に任命した本社が悪い。この場にアタシぐらいしかいなかっただけかも知れないが]
―廊下→中庭―
…まさか誰かに襲われた…!?それとも強制停止!!
[バクが寝そべっているのを、機能停止してしまったのではないかと勘違いして。
周囲を警戒しつつじわじわと真っ直ぐに向かわず木の陰から回り込むように移動している。
と、バクがこちらに気付いたのか身構えた]
……なあんだ、だいじょーぶだったんだ。
心配して損したー。
[同じ技は二度も通じないんだから踏ん付けなーい、とからかいながら傍に向かった]
オマエはコウダ
[それが嫌いだ。ルールの決まっているゲームならばいい。将棋の角が前に進めない駒なのはわかるが、お前は角だ。だから前には動くな――は違うと思う。前に動けるなら動いていい筈なのだ]
アタシはボーカロイド。
『ボーカロイドとしては期待していない――こうしろ』
それは嫌だ。御免蒙る。
[喩えドン・キホーテと陰口を叩かれても、アタシは槍を構えて風車に向かうのだ]
["占い師"であるスヤにメールを送るべきか迷っていた。文章は決まっていた。だが、]
『バクは夜更かしをしたがるいけない子』
アタシは自分の判断を信じない。
感情を信じない。確信すら信じない。
もう二度と、自分をアテにしない。
[だからメールは送らない事にした。運命に自分に関わり合うべきではないのだ]
[養成所全域に渡って情報封鎖を行っている。 能力の限界を超えかねない負荷を疲労を伴って時間する]
『アクセス―――情報封鎖―――・・・バク』
(これは・・・思ったよりもきついや・・・でも、これで遠距離からのハッキングはできないはず。
説得はできなくても、手段さえ絞ってしまえば対策は打てる・・・問題はどこまで僕の力が及ぶかどうか)
[先細りがあきらかに見えているムリはどこまで続くだろうか]
―個人ブース→メインスタジオ―
[ベルからの提案と謝罪を受け、力なく笑いながら返した後、メインスタジオへと向かう事にした]
(・・・全域への情報封鎖は流石に無茶だったかな。
身体が・・・軋む・・・
ソヨさんに伝えないと・・・危険だから皆と一緒にいて欲しいと)
[メインスタジオへと入ってきた...の表情は憔悴している]
――メインスタジオ――
[立て続けにメールを送る。ルラには「大人しそうに見えるが、「人狼」は強制終了させないと安心できない」とXIIIの名前を書いた。送信した瞬間丁度XIII がメインスタジオに入ってきて、吃驚して猫耳の毛が逆立った]
……――?
さーてぃ殿、お主顔色悪いが大丈夫かのう?
[人工物のボーカロイドに顔色もくそもないが、元気な状態とは程遠そうだったので声をかけた。おそるおそる]
−生活棟・自室−
[完全充電完了と共に、自動的に目覚める。時間を確認し、うなづく。
身支度を整えると、廊下に出た。
大柄な体を、不器用ながら出来るだけ目立たなく縮めて、しのび歩く]
[ソヨの部屋を見はって、誰かが来たら捕まえる。
ソヨがどこかへ呼び出されるようなら、ついて行って、やっぱり捕まえる。
争いの苦手な自分にどこまでできるかは分からないが、体格ではおそらく勝てるだろうから、なんとかなるだろう・・・。
それがリヒトの考えた、拙い作戦だった]
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