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─ 研究所・地下 ─
地下なのに、どうして?
[洋館で言う玄関部分がエレベーターの入口となっている。
遠くに柱時計があるのか、小さなチクタク音が聞こえていた。
幾つかの扉が見えている。]
[どうやら青年>>61も接近しようとしてるっぽい。これだと焙烙は使わない方がいいかな。]
焙烙は、爆発よりもその破片とかで攻撃するものだから。
それから、貸しは百倍にして返してね!
[にっこり笑っておじさん>>67>>70にそう言った後、私は青年やおじさんとは別から攻撃すべく高く跳躍した。
そして構えるは手裏剣、四方手裏剣。だけど、ただの四方手裏剣じゃないんだなぁ。中心の穴に和紙を張り合わせて、その和紙の間に火薬を詰めて、さらに導火線をつけてある。いわゆる火車剣。
これなら焙烙よりは危なくないし、それでもただの手裏剣よりかは威力は上がる。
私は導火線に火を着けると、それをバケモノの足めがけて投擲した。]
[艶消しされた銀色のそれ>>2:286>>2:287>>2:288は、起動を示す様に胴体部分が赤く光っている。
かちゃ、かちゃり、と脚が動き、]
おやすみなさい。
[アロールの後頭部へと近づける。
触れればすぐに密着し密着した腹部より針が差し込まれるだろう。]
[ヴァルターの放った連弩はアーネストの足回りに当たる。>>70
威力は低いので有効打にはならないが、それなりの傷をつける事が出来たようだ。
見た目には速度が落ちたとはいえないが、その攻撃に反応を示さず、そのままナビの方を追い続ける。]
[離れ、アロールの口元の血を拭う、]
貴方って、
案外子供っぽかったのね。
頼れる人というイメージだったのに。
[微笑み。]
……無視か。余程硬いのか、或いは。
[いずれにせよ、あの速度では追いつけない。
ナビが反転してこないかぎり、次の交錯はないだろう]
……やはり、最後は剣だな、まったく。
[――すれ違い様に、頸を狙う。
あれが、先の巨体と同じように、生物的な弱点を持つのなら――それで、きっと。
もっとも、あれだけの異形と化した生命が、未だに首を必要としているのかは、判らないが――]
[>>70>>73二人とも仕掛ける気か。
>>69ナビと呼ばれた人が囮として引き付けてる間に、と力を込める。]
俺だけ飛び道具無しか。はは、魔術師らしくないよな…
[距離を詰めながらチェーンソーを起動する。]
――!
[車輪を削るハラで狙っていく。]
[唇に赤が添えられる。
アロールの口元の血をハンカチで拭うとマスクを元通りに戻した。]
貴方が行うべき事は、
これから私が伝えるわ。
だから今は身体を癒しなさい。
そして……、
[アロールの掌へ手を触れる。
正十六胞体の【転送装置】が出現する。]
─ ??? ─
[……ついに、恐れていた事が起きた。
周囲一帯に、けたたましい警報音が鳴り響く。]
早く、こっちへ!!
A6隔壁が閉まってしまう!!
[待ち過ぎれば、此方まで感染が拡大する。
早急に遮断するしか方法は無いのだ。]
急いで北部区画のワクチン室へ行って下さい。
今ならまだ感染を止められるかもしれない!
[ワクチンが到着次第、遮断区画の治療へ向かおうと。]
― 研究所・地下の一室にて ―
[白い壁に白い床。真っ白な部屋の寝台に横たわる少女がモニターには映し出されている。カメラの角度で見えないが、天井には蛍光灯がついているのだろうか。冷たい光がちかちかと点滅している。
少女は目を覚まして身体を起こした。と同時に、部屋の入り口から何かが現れて少女の身体に影を落とす。扉から姿を出したのは、白衣の天使ではなく…、白衣を着た悪魔だった。一見、医者…よく観察すれば研究者の様に見えるが、彼女の顔は何も無かった。目や鼻がどこにあるかも分からぬ程に顔が膨らんでいる化け物が其処に居た。
よくよく見てみれば、血がこびり付いたままのメスや小型の鋸などが無造作に部屋の中に散らばっている。中にはドリルや金槌まであり昆虫の脚を連想させる様な赤や黒のコードの類が床を走っている。
目のない化け物はぎこちない動きで少女に向かって歩いていく。今から解剖を始めようというのか、化け物の右手には長いメスが握られていた。]
[しかし、彼女は化け物に襲われる事はなかった。化け物の科学者の後に続き、両の手に一本ずつ細身の剣を構えた女性が入り口から現れ、化け物の上半身と下半身を切り離した。
"ヴァレリー"という名の女性は少女ベリニの手を掴んで部屋を飛び出した。]
[神父の部屋をぐるりと囲むワークステーションのモニターにまたひとつ灯りがつく。
また、ヴァレリーとベリニの姿が映し出された。神父が今見ていたモニターはリアルタイムで映し出されているものではなかったらしい。
ヴァレリーは庇う様にベリニの前で剣を構えていた。彼女達が何と戦っているのか、カメラの角度の問題で映し出されない。しかし二人の顔は追いつめられているのか深刻な表情を浮かべている。
大きな影がヴァレリーを襲った。モニターの画面が鮮やかな赤に塗られる。最後に映ったヴァレリーの唇は誰かの名前を紡いでいた様に見えたのは気のせいだったか。**]
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