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[メーフィエっていうらしい弱そうなお兄ちゃんを、
じっと見つめてから、]
そうだよー?
[知らないおっさんの反応に不思議そうに首傾ぐ。]
俺はね、クレーシャ。
レイスがつけてくれたんだ、名前!
[嬉しそうに尻尾を振りながら]
………………。
[少年が告げた名前に、しばらく黙り込んでいたが]
そっか…。
素敵な名前だね、クレーシャ。
[その名を紡いだ時の眸は、一瞬どこか遠くを見つめるよう。
次にレイスに向き直って]
あの……ありがとう、ございます。
[傍から見たらどうしてお礼を言うのか
わからないかもしれないが、ぺこりと頭を下げた。
これについては、自分からそう呼んでいいものなのか、
迷いがあったから。
誰かが呼ばないとずっと呼べないままだっただろう]
[ピーチェから変な臭いがする]
ん?何これ。
んまーーーーー誰の悪戯かしら、もうっ
[何故か中にスポンジが入っていた。ちょっと憤慨して取り出す]
あ、そうか。クレーシャ…。
[そういえばその呼び名があったんだ、と思い出す。
やはりきちんと聞いておいて良かったと微笑みつつ]
おう、ちゃんと覚えた!!ありがとなあ。
んじゃお返し。俺の名前はヴァレリーな、
呼び方はどんなのでもいいや、好きなように呼べー!!
[テラスの下に居るクレーシャへ、返して
さてどうなるかと欄干にもたれて見守った。**]
[ 手から解放された後、黒銀はひっそりとその場を離れる。これ以上の犬扱いは御免だ。
元に戻ろうとして――上手くイメージできずに全裸になってしまってはいけないので、適当に人の少ない場所を目指した。]**
へへ! いいだろー。
[嬉しそうに笑って、メーフィエとレイスとを交互に見る。
それから、メーフィエの手をぎゅっと握った。]
ばりりー?
[舌がもつれにもつれた。]
うん、ばりゃりゃー!
俺も覚えた!
ばらばらー!
[クレーシャに握られた手。
包み込むように握り返して]
鼻から血はもう出てない?
あと、歩いたりとかは…まだ支えがないと厳しいかな?
[心配性モードはまだ解除できてないようだった。]
…………。
[ふと視線は、誰かを探して彷徨う。
灰青の狼がレイスなら、黒銀の狼も人の言葉は
問題なく通じるわけで。
先生と呼ばれたぐらいだから、色々世話になったのだろうか。
彼(彼女?)にも礼を言おうとしたが
その姿は、既にそこにはなかった**]
[一頻り撫でると満足そうな笑みを浮かべて
黒銀から手を離した。]
[黒と灰青と黒銀と――
短い時間でこれだけわんちゃんを触れるなんて
ここは天国ですか?]
[ちなみにわんちゃんが好きなのは、
黒い、犬にしては大きなけものを
撫でた事がきっかけだったような気がする。
例によって、いつだったか、までは
思い出せないけれど。]
[やがて黒銀がその場を辞すと、
自身も教会の中へ戻ろうと――]
[したけれど、入口の付近は人が多く。
あそこを通るのは少し躊躇われた。
結局、皆へ小さく会釈してから
裏口の方へと向かった**]
うん、もう大丈夫。
[とは言ったものの、実際にはどうだったか。
どちらにしろすぐに止まるだろう。
歩けるよ、と手を離して踏みだし、
見事にすっ転ぶのはもはや運命。]
[ここに来た目的がいつの間にかいなくなっていることには、
気づいていなかった。**]
ふう…
[魔女は、幼いころの記憶を夢見ていたー]
いぬー…やめて…怖い…
[野犬の群れに襲われて、理由はどうだったか…忘れたが、
齧られて、たかられて、やっとこ樹の上で退避してー]
…たすけてー
[それから、絶対犬には近寄れなくなったのだった]
はっ
……最低…
[目を覚ます。一瞬、ポーチにいれた光の感触に、すこし不機嫌な顔をしたが、]
……あたしができが悪いだけなのか
魔法がどこかに消えたのか
どっちかっていうとー…前者のほうが
現実的…ってもんよね
[ぽつり]
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