1983 怪談短歌村 8 〜寂れた避暑地にて〜
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城落ちて 死体を捨てた 井戸の中
盆の時だけ 水澄み渡る
( 23 ) 2021/08/08(日) 20:52:43
泣きさうな 顔の迷子は 藁草履 ひきづり歩く
遊園地跡
( 24 ) 2021/08/08(日) 21:08:34
にぎにぎしく 猫集会が 始まりて
二本目の尾を 揺らす新入り
( 25 ) 2021/08/08(日) 21:09:56
>>16
鈴鳴らす 猫に誘はれ 路地ゆけば
いちめんのあか 古き刑場
( 26 ) 2021/08/08(日) 21:13:57
>>22
雷光が フラッシュとなり 網膜に 焼きつけられし
君のすがたは
( 27 ) 2021/08/08(日) 21:26:13
恨み込め 出刃包丁で 首を刺す
笑うあなたは 霊感皆無
( 28 ) 2021/08/08(日) 21:58:01
金色の スズメは逃がせ いじめれば
送り狼 後ろに迫る
( 29 ) 2021/08/08(日) 22:18:34
曽祖父の 形見の眼鏡 かけて見る
セピア色した 平楽寺書店
( 30 ) 2021/08/08(日) 23:52:32
逆さまに 吊られ死したる 僧文是
あやかしどもも この名を恐れむ
( 31 ) 2021/08/09(月) 00:05:20
>>23
落とされし 城の井戸にて 四百年 待ちたる妻は
桃山小袖
( 32 ) 2021/08/09(月) 06:57:39
戦国の 世に落城は 多けれど
血の雨止まぬ 八王子城
( 33 ) 2021/08/09(月) 06:59:51
アイリングの 青鮮やかに 夏鳥が 飛ぶ
八王子城址の森を
( 34 ) 2021/08/09(月) 07:08:18
>>28
霊感の なさを笑へる 友の首に
残りし指の跡は 血のいろ
( 35 ) 2021/08/09(月) 07:22:38
君に似た 写真の顔を 塗りつぶす
夕餉の魚 ひどく焦げてる
( 36 ) 2021/08/09(月) 12:25:36
ひまわりの 影が 灼けつく石畳
打ち水すれば 亡き人を見る
( 37 ) 2021/08/09(月) 12:27:19
>>29
山道を 歩けば 送り狼の
足音消ゑず ただ、ひたひたと
( 38 ) 2021/08/09(月) 12:34:40
>>30
曾祖父の ひいきの書店
セピア色の 写真はとほき 夏伝へをり
( 39 ) 2021/08/09(月) 12:42:45
>>31
あやかしに 恐れられしは 僧文是
悪意が次の 怪談を産む
( 40 ) 2021/08/09(月) 12:43:43
温泉の 名前の由来 面白く
聞いているうち 骨まで溶けた
( 41 ) 2021/08/09(月) 21:30:30
たそがれの 光ゆらめき 教室に
ふたすじ開く 涅槃への道
( 42 ) 2021/08/09(月) 22:15:18
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