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[少女達の会話に気を取られていると、もう自分の役目は果たしたような落ち着きと居心地の悪さが残った。
ステンドグラスが、鈍く、
その場にいる者たちに、
光を投げかけている。
花はもう、どこにも咲かないだろうに。]
[後から後から涙は零れて。
理由が分からないから、止められなかった。
両肩を掴まれて戸惑うように眸が揺れる。]
わ、私…………、
あたし、
[ランスの指が、霞色の眸から零れる涙を掬う。]
あたし………………、
[───言葉にならなくて。
ランスの胸の中に倒れ込んだ。
傘の持ち手が手から離れる。
零れた涙が、灰色の地面に、ぽたり ぽた 濃い色を作り。]
[別の男から声を掛けられて我に返る。]
……なにが、…………いや。
あたしにできることなら、やるよ。
説明はあとでいいからさ。
[明らかに、想定されないような事態が起きたあと。
自分を取り戻した女の動きは素早かった。
どんなことがあろうと、最後まで後悔しないと。
決めているのだから。]
………………だから。
あたしは、誰にも祈らない。
[誰にも聞こえない、小さな声で。誓った。]
[司祭に比べれば、助け起こしている男の方はまだ顔色が良いといえた。
勿論、こんなときに調子の良いものなどいないだろうが。]
水は……ああ、これかい。
[井戸水は使えない。
浄化された飲料水は貴重なものだった。
ことに、医療や教会にある水は純度が高い。
村で使われている水の容器はどこも共通だ。
裏口近くにそれを認めて、盥を満たした。]
『あなたを愛しています』
[受け取った手紙は大切に、引き出しの奥へしまってある。
それが誰によって綴られたものなのか、
男にはわかってしまっていた。
そして手紙狂いへ向けて、無邪気な笑顔を見せる]
『ありがとう』
『きみとであえて、よかった』
[男のことを示す記号…、
名前はこの村に来てから司祭が付けてくれたもの。
だから、この手紙は、つまり]
[それからは、
手紙狂いがこの村へ来た記念日が来るたびに、
相手の元へ封筒を持っていくようになった]
『私に手紙をくれたひとに、届けてほしい』
[中に宛先を示す記号はなく、手紙すらなく。
押し花でできたしおりが一枚、入っているだけ。
もしも断られたり無理だと言われたとしても、
毎年そうして置いて行く。
…だけど、今年は贈る花がない]
[…自衛代わりに変異植物に薬品をかけて見れば、
かけた部分に妙に艶が出て。
活性化したのかワックス効果か、それとも単に濡れたからか。]
・・・理由がどれであれ、試薬01は効果無し。封印、と。
[小瓶に封してぺけ書いて、数歩植物から距離を取る。
変化が無いのを確認し、大きく迂回し足を進めた…]
[消毒液と、灰の影響を除くとされる――信憑性は極めて低い――聖水の瓶。
包帯を探して引っ張り出す。
湯が沸いたのを別の盥に入れ、司祭のところへ向かう。]
傷を見せな。
縫合する必要があるなら、あたしにやらせとくれ。
[持ち歩いていた裁縫道具の糸と針を、熱湯消毒して持ってきたのだ。]
マイダ……。
生きていてくれたんだな……。
[胸元に感じる熱を、優しく抱きとめ、金色の髪をゆっくり撫でる。
ずいぶんと昔、そうしていたように。]
意識がないうちにやっておくのがポイントさ。
……起きてたら起きてたで抑えとくれよ。
[少年の死体を見て、昂揚していた。
目の前にいる誰かがあのように変じる前にできることをしておきたい。
その相手が拒まないならば。
――否、拒んだとしても。
女は進んで手を伸ばす。]
ん……
[移した寝台の先、女は手際よく治療の準備をしていた。どうやら彼女には医療の心得があるらしい。
ずしりと身体が重たくなるのを感じる。緊張から開放されたのか、男の背を重力が引いた]
それじゃあ、お任せします
[ぼそぼそと呟いて、大きな身体をセルマに譲った]
[ランスの胸元に縋り付く。
ぽろぽろと零れる涙はランスの胸元に染み込むだろうか。
彼が言っていることは分からないけれど、
溢れる涙はほんもの。
言葉にならないから、きゅっと服を握って。
ランスが撫でる太陽色の髪には、装飾品一つもなく。
撫でられてゆくにつれ、あたたかいものが胸に広がった。]
思い出せなくて、
ごめんなさい。
あなたのこと、思い出せなくて、ごめんなさい。
[浮かぶ情景はあるのに。
ランスの胸の中で、言の葉をぽつりぽつり零す。]
[――しゃらり。
ふつうの状態ならば好奇心をかき立てられるその音にもやはり、振り返らない。
何かを諦めるように閉ざしかけた瞳が、]
――…っ。
[見開かれる。
抱き締められていると、分かったから>>64]
は、…はなし、て。
[ぴくり、と肩が跳ね上がり、嫌がる子のように首を左右に振る。
けれどそれも、ナデージュが掠れた声で“だいじょうぶ”と告げるまでのこと>>65]
[それは、色付く記憶の中の綺麗な声とは違っていたけれど。
身体に染み渡って荒れたこころを落ち着かせてくれる、そんな声だった]
………。
[だらり、と左手が下がり床に落ちた。
赤く染まった顔の右半分があらわになる]
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