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[哀れみを感じた。たちの悪い同情。
だから、暗黙の掟を破った。
ふさわしい素材を探し、「世界で一番美しい言葉」を書いた。
本来ならそれは、仲間に宛てて、自分の死期に綴る言葉。
己には読むことができないけど、世界で一番美しい言葉なら、彼を傷つけることはないだろう、と。]
[三たび彼が来た時に]
はい、どうぞ。
[宛名に彼を示す記号が入った、古い紙の手紙を渡した。
中には、「あなたを愛しています」の文字。]
― 回想 了 ―
[お店の中で何があったのか、わたしにはわかりません。
スーさんの身に何があったのかも、わたしにはわかりません。
問いかける言葉も、ありません。
だから何故スーさんが謝罪を繰り返すのか、わたしにはわかりませんでした。
何だか、酷く追い詰められている様に見えます。
そのうちに、床に落ちていた赤い雫が、スーさんから滴り落ちたものだと気付きました。
わたしはそっと片手を伸ばします。
大丈夫、と。
傷があるなら見せてほしい、と。
伝える為に、わたしはその背中に指先を伸ばしました。]
[躊躇いながらも歩み寄る。
金の髪、白い肌、淡い菫のような瞳。
あまりにも似すぎている。
なのに背中の羽は───翅は、蒼穹。]
ランス。
そう───ランスは、おれだ。
きみ、は……?
きみの名前、は?
ああ……パースとなら。
退屈しないな。
[カインが抱くのは、表現し難い感情。
口悪く冗談を言い合う友情の、きっと紛い物で。
それでもきっと、カインが大切にしたかったもの。
ゆるく回していた腕が、落ちかけた煙草を見つけて拾い上げれば。
逆に、相手に身を寄せられた。
きっと先程自分が腕を伸ばした時のパースと、同じような顔になった。]
……じゃ、次はそっちの番。
未練は……ううん。
[訊き方を、変える。]
――もう、諦める?
[誘われるように、近づく。
傘を傾けて、見上げて。]
私は……………、
[名乗ればそれに縛られてしまいそうで。
けれども。]
エステル。
……………でも、
[ぎゅっと片手で胸元を押さえた。
束の間、地面を向いた眸から涙がひと雫。
ランスを見上げて。]
―そして、森の入り口―
[…周囲に誰も居ない事を確認する。
どうも、薬は間に合わなかったようだ。
最も、下手をすれば変異植物を活性化させる薬等間に合っても迷惑なだけだったろうが・・・]
…実験するなら、森の奥だろうな。
もしも逆効果なら、下手すりゃ村が危なくなる。
[…敢えて問題を挙げるなら、如何に森の奥まで入るかで。
実験のため奥に行こうとして、入り口で死んだりしたら笑えない。]
…今更、だな。
どうせ、いつ死んでもおかしくは無いってのに。
[聞き手も無いのに呟いて、森の奥へと歩き出す…]
エステル?
……そうか。
[名を聞けば、笑みを浮かべるが、それはどこか寂しげで哀しげなもの。
やはり他人の空似。
人違い。]
……でも?
え。
[もうひとつの名を告げられると、瞳は見開かれる。]
……ぅ……、
[寄せては返すように繰り返されていた謝罪の声が、止む。>>53
ナデージュが、黙って背に触れてきた手の持ち主が、
何を考えているのか分からない。
分からないけれどどうせ、この傷を、流れる赤を見れば、
醜いと思うに決まっている。決まっているのだ。
そう思う一方で、醜いと思われても構わないから、
ただただすがりつきたくもあり、]
……こわく、ないの?
[だらりと垂れ下がっていた右手が、後ろへと動いた。
触れたい、けど触れられない、彷徨う思いを形にしたかのように]
マイダ。
やっぱり、マイダ……なのか!?
[両手を肩へ]
エステル……!
きみは、マイダなんだろう?
…………。
[頬を伝う涙を拭おうと、指を伸ばし、触れる。]
[そっと、スーさんの背中に触れます。
問いかける言葉に、緩やかに首を傾げました。
髪飾りの細かなビーズが触れ合って、しゃらりと音を立てました。]
………
[何が、怖いのでしょうか。
わたしの目の前で震えているのは、小さな存在のようにしか見えませんでした。
わたしは腕を伸ばします。
柔らかく、スーさんの身体を抱きしめます。]
………だ いじょう ぶ、 です
[スーさんの耳元で、掠れ声でそう告げました。
酷く醜い声ですが、構いません。
この声で更に怯えさせてしまうかもしれませんが、仕方ありません。
いまはただ、わたしの気持ちをスーさんに伝えなくてはならなかったから。
スーさんは、痛かったのでしょうか。
それとも何かが、怖かったのでしょうか。
わたしには、わかりません。
でも、傍にいてあげることはできます。
抱きしめてあげることはできます。]
[諦めないと告げ、口元に揺れた手紙。]
読めない……?
[笑みを浮かべる手紙狂いに、そんなわけが、と言いたいのを堪えた。
唇を結んで、やる、と言われた手紙を受け取ろうと、指先に煙草を指した手が伸びる。]
[少女に、あれが翼人だ、と告げる前に。]
…………な、
[ふたりのやりとりに、驚愕する。
なのに反面、これでなにか分かり合えるならいいじゃないか、と思う自分もいた。
なにかが通じ合う存在があるのなら。
それが見付かる距離にあるのなら。
お互いに、認識できるのなら。]
[少女達の会話に気を取られていると、もう自分の役目は果たしたような落ち着きと居心地の悪さが残った。
ステンドグラスが、鈍く、
その場にいる者たちに、
光を投げかけている。
花はもう、どこにも咲かないだろうに。]
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