情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
[朝になって、まるで犯されたかのように。
その胸と腹を食い荒らされた男の姿を見て、
後追う者の存在など知りもせずに、女は眠る。
何時か生まれ出でる子供の事を夢に見ながら**]
― 早朝 ―
[自室。
目を覚まさせたのは人間の悲鳴ではなく。
生き物の、血の香り]
……シュテファンさん。井戸が、遠いよ。
[宿の3階。この部屋からなら、井戸が見える。
毎日通って「約束」をする場所]
私は、今日も人を食べません。
食べるときは――
……。
[目を、伏せた]
[悲鳴が無くても、血の香りが案内してくれる]
……おじさま。
[男の部屋に咲く朱色の花は、大きく、良い香りがした。
とさり、と。膝をついて]
みんな、食べられる。
[今更気づく事実が、口からこぼれる。
その事実に衝撃を受ける自分は、同族から望まれる人狼たりえるのだろうか]
[紅い”聲”が、ナタリーへと囁く]
お前の為に、肝は残してある。
さあ、お食べ。
空腹は辛いだろう?
[朱から馨る甘い香りと共に、それは抗いがたい誘惑となって、
ナタリーの心へと響くだろうか]
フィグネリア……
[同族の囁きは、何より甘美な誘惑の香り。
ふと。
血だまりに浸る自分の指に気が付いて。
恐る恐る、指を、舐める]
……おじさま、誰かが襲われるくらいなら、自分がって、思ってた?
違う、よね。
[人のために、と、思っていたとしても。
こんな最期は違う、気がした]
……駄目。
[こくり、と動きそうになる喉を。
朱色に濡れた手で押さえる]
駄目。私――
[部屋を出て、キッチンへ急ぐ。
これを飲み込んだら約束を破る。
けれど、同族が見つかった今、「人間」との約束を守る意味があるのか、ないのか。
わからないまま、繰り返し口を漱ぐ]
[誰かを食べてきたのかと問われれば、
言い逃れ出来ないような姿で。
考えるのは、伯父との約束。
『もし、それでも我慢出来ずに。
人を食べようと思うことがあったなら――
一番大切な人からにしなさい』
水の流れる音をかき消すほど。その約束は大きく重い。
伯父は、人間であろうとした私に、なんと強い暗示をかけたのだろう**]
………………………んっ?
[気づけば妖魔は其処に居た。生きた人の目には、その姿は映ることは無いだろう]
何処だ、ここは。
[ぼけっとしながら辺りを見渡す]
ああ、水車小屋か。
[死人や人外の者には辛うじて彼の姿が見えたかもしれない。
その化物は先ほどまでの名残なのか「イヴァン」と呼ばれる青年の格好をしていたけれど、それは当人にとっては比較的どうでも良いことらしかった。
だって、何も覚えていない]
[宿の中へと足を進めると、寝台に横たわり冷たくなっている少女の亡骸を見つけた]
おや、誰か死んでる。
[まるで初めて其れを見つけたという風に呟いて、覗きこむ]
―――――――…おやすみなさい。
[声に悲しみの色は無く。にこりと笑って、ただ、そう告げた**]
[暗闇に閉ざされゆく眼差しは、けれどかつてイヴァンだった妖魔の、崩れゆくその様をしかと見届ける]
…イヴァン…どうして。
[彼は何者だったのか、本物とはどういうことだったのか…混乱ばかりが頭を渦巻いた]
あ、あつめなきゃ…。
[そのイヴァンだったものの欠片さえ無くなってしまうのは耐え難いことのように思えた。
彼女自身がそうであるから]
ミハイルさんに…。
[オリガの死は未だ知らず、けれど寝込んでいた彼女に知らせる気にはなれなかった。
届けなきゃという想いだけで、床に手を突くようにして砂粒に近づいたなら、持ち合わせていた真新しいリネンにかき集める――。
それは数日前に仕上げたばかりの死と再生の意匠――右上から始まる黒糸と銀糸の絡まる枠組みは下へと延びて底辺を這って左下へと至り、左下には地塗れた長い鎌、絡まる蔦、蔦は上方へと延びて右上へ――終着には蔦の葉からしたたりおちそうな一粒の水滴]
[一粒もこぼさないように丁寧に集めて――それでも手からこぼれ落ちてしまっただろうけれど――ミハイルの部屋の扉を叩く…力なく]
ミハイルさん…。
[男はどんな表情を見せたのだろうか、彼女に知るすべはなく、またその余裕もない。
イヴァンであったものを差しだし、震える声で告げる]
ほんものだって、よかったねって、イヴァンは…、どうして…。
[支離滅裂な言葉は相手に届いただろうか。
己がかつてイヴァンであったものに死を突きつけたことだけは、どうしようもなく理解していた]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新