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―メインスタジオ―
[平坦な声でルラに語りかける]
なあ、なんでサイを機能停止させたんだ?
皆の意見を募ったとは言え、結局決断を下したのはお前だろう?
俺にはサイが人狼や蝙蝠だったなんて、思えなかったんだけどな。
……あのよぉ。もしかしてお前は人狼探しだ、蝙蝠探しだにかこつけて、ライバルのサイを機能停止させたんじゃねーか?
いや、気持ちは分かるゼ?
サイの能力は高かったよ。オーディションにおいては手強いライバルだ。多分、ルラ、お前じゃサイには勝てなかったろうなぁ。
うはははははははははははははははははははははは。
―メインスタジオ―
…バク、くん…?
[自分に話しかけるバクの声音は、普段の彼とは全く違うもので、ゾワリとなにかが這い上がってくる感覚がする]
…、…サイちゃん、の、ことは…
わたしが、決めたんじゃ、ない…
[そう、それは事実。票をいくつか操作したが、全員のメールを見て知っている。誰が誰を疑ったのか。
自分が手を出さずとも、サイは票を集めていた。]
[明らかにおかしいバクの様子を見ていると、昨日のサーティの言葉を思い出す。]
…そう、サイちゃん。の、スペックは、たかかったみたい。うたごえ、わたしは…聞いてないけど…
ねえ、バクくん。きみ、が…
[人狼なの?と尋ねようとして、止める]
…きみは、いま、なにをかんがえて、いるの?
―メインスタジオ―
[不意にいつもの口調に戻って言う]
うははははは。何をびっくりしてんだよルラ。
ジョークだよジョーク!
イッツ・ア・アメリカンジョークって奴だって!
俺がそんなこと思うわけ無いだろう?
いや〜それともちょっとブラック過ぎたかな?
悪い悪い。反省しているって。
俺はルラのキレイな声が大好きだって。サイにも負けてねー。
さーてと、ちょっと中庭で昼寝でもしてくるかな。
またな。今日の投票のメールは後で送るよ。
[そう言って足早にメインスタジオから姿を消した]**
[何処か様子が違うバクと疑問を投げかけるルラを見ていたが、充電にかかる時間は長い]
………。
(そうか、ルラお姉さんはみんなの意見を受けても自分で決められるんだ)
[...はゆっくりと休眠モードの振りをしながら腕の端末に指を*這わせた*]
―メインスタジオ―
あ…っ…
[足早に去っていくバクを止める事が出来ずに見送る]
…、バク…くん…
(バク君はそんなジョークを言うようなタイプじゃない。と、思う。
じゃあ、何故?
じゃあ…)
[繋がるのは、やはり昨晩のサーティの言葉。
「悪意あるハッキングは、人格を狂わせる可能性がある」]
[ルラは端末を操作し、一通の短いメールを送る]
To:ソヨちゃん
Text:バク君の様子がおかしい。人狼かもしれません、気をつけて。
[そして、その場で瞳を閉じると、体内のプログラムの一つを起動した]
[特殊な回線の通信機能。
一晩を共に過ごした護るべき彼女へと。今起こったことを伝えようと――]
――メインスタジオ――
[昨日どうなったのかと思いメインスタジオに入ろうとすると、バクが高笑いをしていた>>110。その言葉からXIが機能停止したことを悟り、痛むはずの無い胸が痛んだ]
焔音殿、お主そんな冗談を言う奴とは思わなかったぞ。
冗談はもっと笑えるものにするべきじゃ。
[メインスタジオから出ていくバクにそんな言葉を投げかけた]
…まあ、妾が言えることではないが。
さい殿の才能に嫉妬しなかったと言えば嘘になるからのう。
[「XI自身の本当の唄声が聞きたい」そう思って、昨日機能停止のメールを送ったのは真実。だが、心の隅にあった嫉妬を隠さずに告げる]
[メインスタジオの中にいる人に挨拶して、ルラに一つ疑問になっている事を質問してみた]
そういや、護音殿。
お主が昨日本部に意見を纏めて送ったが、その内訳くらい聞いていいじゃろう。誰が何票入っておったのじゃ?
[返事を待つついでに昨日どうなったのか張り紙を確認しようとして。その内容に驚愕して思わずXIIIを見た**]
[シャトに尋ねられれば、昨日のメールを起動し、筆談で]
『サイちゃんが、4票。
ベルちゃんが、2票。
1票の方が数名、
他は、私に任せると仰った方と、時間がなかったのかメールを送れなかった方のようです。』
[本部へと送る前のメールの内容で告げる]
(確かに、私がサイちゃんを…機能停止させたも同然なのかな。)
[多かった委任票全ては自分の意見と同じとなっているのだ。ライバルを蹴落とした、と思われても仕方が無いのかもしれない。
そう思うと、自嘲的な笑みが零れた]
「狩人」か…使えるか?
[そんな事を考えていれば、スヤがスタジオにやってくるのが見えた。顔をあわせられなくて、慌ててその場を離れた。
結局その後は、自室に戻ってさっさとスリープモードに移行した。
サイの顔、『狩人』、スパイに欠陥品、オーディション…スヤの笑顔…
色々な事でCPUへの負担が高い。休んでいれば、何も考えずに*すむだろう*]
[その感情と表情を隠そうと、メインスタジオから出ると、誰にも合わない場所を目指し、ふらふらと歩き出す]
(…サイちゃんは、本部の機能停止。
それなら、データが本部に一時転送されているはず。
戻れるの。
得体の知れない人狼のハッキングとは違うの。
私は悪くない。
護る。
私はベルちゃんを護るの。そのためなら…)
[ぎゅっと両手を握りこむ。
今更に襲ってきた重圧に押しつぶされそうで――**]
…………少年愛?
[ぽつり、微妙な滑舌のELEVENの呟き。]
……言っておくけど、わたしはおまえと違って中性だよ。
ああ、オカマだったな。…………いででででででで
嘘、だろ。
…………?
最初から切り離す気なんてなかったんだろ、てめー。 『俺』だもんな。
……さあ、どうだろうね?
[さて、なんの話だろうか。
ふたり、なにやら探り合うように、笑い合う。]
―回想―
[自分が人狼だという告白を終えた後、やはり皆の反応はそれぞれ困惑したものであった。 特に懐いていてくれていたショウが傍らに来る]
『サーティお兄さんは絶対に違うんだって・・・だって優しいんだもん・・・違う・・・違うよ・・・』
ごめんね・・・ごめんね、ショウ君・・・僕、壊れちゃってるから・・・本当は欠陥品だから・・・でも、ありがとう・・・キミの優しさのおかげで、僕は狂わずにいられるのかもしれない。
[悲しそうな顔をショウに向けて何度も謝る。 しかしそれでも顔を背ける事はしない、自分に言い訳をしないと決めたのだから]
ねぇショウ君、聞いてくれるかな・・・?
僕ね、ヨルさんに力を使った時―――彼女の優しさまで一緒に貰った気がするんだ。 ヨルさんは悩んでいた、自分の思想と存在の食い違いに・・・いつかその食い違いから彼女自身が破綻してしまうという事に。
でも、そんな状況にあって他の人を心配する優しさを持っている強い人だったんだよね・・・僕もそう、ありたい。
だからね、僕は綺麗で優しい"感情"を持ったキミを護りたい。
[涙に濡れ慣れた赤の青のオッドアイが少年へと注がれた]
―回想―
[傍らには深く俯いたまま、着物をしっかりと掴んで離れないショウがいる。 その存在をありがたく思いながらぼんやりと唄っていると、スタジオ内にバクがやってくる]
(・・・そうだ、呆けている場合じゃない)
[唄うのを止め、バクの顔をしっかりと見据えたまま『人狼』としての能力を開放する]
『アクセス―――通信回路オン―――コード:人狼』
[直後、激しいノイズにオッドアイが揺れる]
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