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[わたしはケープのポケットに小瓶を入れます。
試してみようとも思いましたが、2つという数はあまりにも少なく思えました。
ポケットの中で、カインさんから頂いた飴玉と小瓶とがぶつかりあいました。
それから、音楽盤を以前使っていたショールに包むと、わたしは自分の家を出ます。
酒場はわたしの家から見える程度の距離ですから、あまり時間をかけずに到着したでしょうか。
灰は未だに降り続いていて、世界はやっぱり真白くて。
このままこの灰が降り続けば、世界はやはり、終わるのでしょうか。
無の白に、染まりきってしまうのでしょうか。
その時わたしはどうしているのでしょう。
わたしもその白の一部に、混ざり溶けてしまうのでしょうか。
それは、なんだか酷く恐ろしい事のように思えました。]
[そっと酒場の扉を開きます。
からんからん、と、音が響きます。
まだ、スーさんはそこにいたでしょうか。
もしスーさんが起きているようなら、わたしは笑いながら一度、頭を下げます。
それからカウンターの奥へ行き、マスターの眠る部屋へと向かいました。
寝台に横たわるマスターの胸元に、持って来た音楽盤をそっと置きます。
わたしの声が一番綺麗だった時の歌を、マスターには持っていて貰います。
わたしは歌で、マスターにたくさん救われてきたのですから。]
[明日の朝、マスターはやっと、愛していた奥さまと一緒になる事ができます。
わたしにはそれが少し、羨ましかったです。
一応わたしだって女性なのですから、恋愛だとか、そういうのに憧れてはいます。
気付けば世界はこうなっていて、気付けば身体もこうなっているので、どうにもならないのですが。
それでも死する時、誰かに寄り添ってもらえたら、と。
そんな事を思うのは、贅沢でしょうか。
自嘲のような笑みを浮かべながら、マスターの部屋を出ます。
ぎぃ、ぎぃ、と、床板を軋ませながら、わたしはホールの方まで歩いて行きました。**]
[ぽたぽた、ぽた。
赤い血が、教会の扉の中に続いている。
零れ落ちたいのちの色。
世界から喪われてゆく色。
薄暗く陰鬱ささえ感じさせる教会の中、
欠けたステンドグラスから差し込む微かな陽光。
片翼の赤黒い羽の少年を抱えた司祭は、
───この世界でまだ神に祈りますか?
**]
[立ち上がって見渡す。
どうやらここは、灰によって廃墟となった集落のようだ。降り積もるそれに耐えかねたのか、崩壊している建物もある。
斑のついた葉っぱがしっぽに絡んでたから、じゃらじゃら、と振って落とす。]
ここ……。
知っているかい、カイン?
[相手はまだうずくまっているだろうか。必要なら肩を貸す。
ふと、少し離れた場所が、不自然に盛り上がっていることに気付く。
何かの上に灰が積もっているのだろうか。
カインから離れて(肩を貸している場合、彼鹿をは地に捨てていくことになるだろうか)、その灰を払うために弓を手に取ろうとして―]
……あ。
[無い。海水の瓶も手元に無い。
仕方がないので矢筒から矢を取り出して、それで灰を払った。
出てきたものは、己のものと酷似した、キャスケットの成れの果て**]
[穴だらけのキャスケットを矢の先に引っかけ、くるくる回す。
振り向いてカインを見れば、苦笑を浮かべて首をかしげた。]
煙草中毒の鑑だねえ。
さあて、ランスらの住処ときたか。
まさか彼らが煙草を吸うとは思えないけど……材料のひとつでもあるかもねえ。
探してみるかい?
[家荒らしの提案だ。
しゃらり、しっぽをひと揺らし。]
所詮この世はすべからく生者のものだろう。
ならば老い先短い私らに、使われるが花ってやつだと思うけどねえ。
[どのくらいそうして震えていただろうか。
――からんからん。
扉につけられた鐘が、鳴った。>>21
ナデージュが戻ってきたのだと思い、のそり、と顔だけを向ければ、実際その通りで]
……おかえり、なさい。
[心底ほっとした風に笑ってそう告げて、するりと瞳を閉ざす。
真っ暗な景色の中で、足音が遠ざかるのを聞いていた]
[動けないのは今や、どこかへ行った暖かさを求めて震えているせいではなかった。
内側から何かが暴れ出す感覚のせい。
どうして負ったのか定かではない傷口から外へ出ようとするそれは、
包帯の下から滲み出て、白を赤に、染める]
………あ。
[慌てた動きで顔の右半分を手で覆う。
――どろり、と涙のように一筋流れ落ちた赤が、
包帯だけでなく手までも染めたのが、分かった]
…あ、――うあ…っ、
[――ここにいてはいけない。
汚してしまうから。
恐慌をきたしかけながらソファーから降り、ここを出ることしか考えずに前へと進む。
身体が椅子やテーブルにぶつかっても構いもせずに。
がたん、と椅子が倒れる音は、静けさの中でけっこう派手に響いたかもしれない]
っ、…こ、の。
[前に伸ばした手が触れたのは扉ではなく壁で、
思わず弱々しい力で殴りつけてしまった。
前に進む勢いはそこで失せ、ずるり、とその場に座り込む。
右目からもう一筋赤が流れ落ち、
顔を覆う手をつたって床に落ちた。
綺麗にしなければ、と思うのに。動けない**]
……何か咥えてないと落ち着かないんだよ。
[苦笑に、面倒くさそうに答える。
家捜しには、反対しない。
ダメージで率先して動けない故に、パースの後についていく形になる。
いくつかの、廃墟。
くるくる回る二つ目のキャスケット、その持ち主の遺体はあるいは、其処に横たわっているのだろうか。]
なあ、老い先短いパースは。
……手紙以外の未練とか、あるの。
[灰を被せた崩れた家で、何かを探しながら問いかける。]
[近付いてくるふたつの人影。
ひとつは、よく知るセルマ。
そしてもうひとつは───……]
……マ、イダ……?
[あの日から、片時も忘れたことのない。
金色の髪の少女。
死に包まれたこの世界で、ひ弱なグレイフェザーが生き延びられる筈などないと分かっていても。
けれど、心の片隅ではずっと、もしかしたら……と願い、望み続けていた。]
[灰の降る中、足はふらりとそちらへ向く。
人影は更に近付き、教会の前へ。]
マイ───
[歩み寄ろうとして。
手を伸ばそうとして。
しかし彼女の姿がはっきりと見えたところで、それらはすべて止まる。
彼女には、その背にあるべき筈のものがなかった。
他人の空似か。
それにしては、似すぎているが。]
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