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ふふ、これはこれで気に入ってるのだけどね。
この姿でも、ハルの子の冠ならとても似合うと思うけれど
けれどそうだね。貸してくれるのなら貸して貰おうかな?
いめーじちゃんじというやつかね?
[そんな日が来ることはないことくらい分かってはいたけれど、少しだけハルのような服を着た自身を想像してみる。
そういえば……持っていたかな? ああいう服]
え……ぎゅうってしたのかい??
[次の言葉で可愛らしい洋服姿は霧散して、彼を見やった。
じとーっと。仮面の下だからただ見てるだけにしか見えないだろうが]
[リヴリアの言葉に肩をすくめる。
それは、俺一人では……確かに厳しいことだった]
俺はこの世界の本来の、住人ではない
……起こす事さえままならない。
世界を自由に操ることもない。
[昔もそうだった。
あくまで姉の世界だった。
あの頃の僕の自由にはできなかった。
と、俺は思い出す。]
ただ、それでもこの世界が……そういった存在でも
少女のためなら願えば叶うなら
………俺は、それを願いたい。
”ここ”に、最期までいるのだから。
[そう言って、一度言葉を切る。
リヴリアの続いた言葉、頷いた]
[長い長い沈黙の末に紡がれた声は震えていて、
怖いのだろうか、と素朴に思う]
怖くないですよう、きっと、お空を飛ぶくらい!
不吉ですけど、たとえ落ちちゃっても……、
ミズキちゃんといっしょなら怖くない、気が……っ。
[悪い想像はパンチが強かった。
手を握ったまま震えることしかできずにいる]
ミズキちゃんは……、お日様みたいですけど、
先に落ちちゃったりしない、ですよね?
……本心、願うならば
この世界は少女を受け入れる。
[幹を回る前、無邪気な様子のハルに手をふり
ついで、仮面越しの視線に
俺はロリコンではないとは思った。]
だが資質はあるだろう?
どちらの側としてもね。
それはとても貴重だよ。先生と言っていたがローザも……
ああ、今はいい。
自由に動かせなんて言わないさ。
力を貸せ。出来るだろう?
夢は動かせぬが夢に交わることはできるのだから。
[仮面を外しニィっと嗤ってみせる。彼には馴染みがないだろう。私の深緋が彼を【捉える】]
常春を想え 花を想え 風を想え
ハルを想え
よからぬことは想うなよ この少女趣味
キミがあの手の子が好みだったとは知らなかったよ。
まあ今はいい。
願え。夢を……
[下ろしていた髪がはためき広がる。
風を纏い息吹が大地を駆ける。
その息吹を春の夢が受け入れるかは
その主に委ねられる]
じゃ、 …――――いこうか。
[右手と右手、重ね合わせた太陽と星。
そのままでは歩けないから手を離し、
肩を並べないでその一歩前を歩き出す。
渡り鳥の姿を探し、夜を越える。
目指すは一つ。 ――――*暁の明星*]
[安穏を願い私は花を奏でる
それはとても遠い記憶を掘り起こす作業で
今の私にはとても似つかわしくなくて
私の願い築いた夢のセカイとは遠すぎるほど遠すぎた。
崩れゆくセカイ。崩れゆく私
自らの夢ではない夢を築くのならば
その代償は高く 激しい
ボトリ──
私の片腕が滴り落ちる
熟れて落ち逝く果実のように]**
[一度も鳴ることのないまま
仮面をは ずしたことを思えば、
俺の結論は、その素質を消したのだろう。
選べば、選ばなかったほうは、消える。
もう、この杖も要らないか、と
花の隙間、地面に突き刺して]
[外れた仮面、見たことのない
赤い、赤い瞳。
まるで、俺が知らない真実の象徴のように。
けれど、知らない事など沢山あるのだ。
いまさら、知らない姿、戸惑うほど
4年という時間は短くはない。
にぃ、と哂う顔に、
俺も変わらない青で捉えかえすように見つめ頷いた。]
……心外な、俺はロリコンではない。
君も、よそ事は考えるな。
ただ、あの忘却を続ける魂を、
ただ、あの夢がいつまでも続くよう、
現実を知ることのないよう 。
ほかの誰のことも考えるな。
[風はまた強くなった気がした。
俺は、肩の上で切りそろえた髪が煽られるに任せて。
………欠けていくリヴリアを見た。
なるほど……理屈上の納得を得ながらも。
……介入が姉づてな今
その腕を拾おうとして……同じ部位
霞消え始めるのを見る]
…………
[それでも、静かに 穏やかな春を願う。
結論は出したのだ。
加害者で、被害者で、共犯者で。
祈りも救いも夢もいらない、その分は
全部春にあげよう。]
……も、もういいですよう、認めて楽になりますよう、
ばかだって!
[疑問に誤魔化しの言葉が返ってきても、
胸にわだかまる不安が消えなくても、
握りしめた手をひたすら離さない少女は、
馬鹿か。馬鹿なのか。――馬鹿なのだろう。
だが、それを言うなら、]
でも、やっぱり、馬鹿って言う方も馬鹿ですよう。
[こんな自分を突き放さない花水木の少女だって、
馬鹿か。馬鹿じゃないのか。――誰がなんと言おうと自分だけは馬鹿と言おう]
―――……あ。
[夜明けの空、その言葉に虚をつかれたような声を漏らす。
悪い想像の中、落ちていく彼女は夜色の空をバックにしていたから、
――月も出ていた気がするから、つい、引きずられたのか]
そうでしたねえ。
きっとお空のおひさまも見守ってくれますよねえ。
[太陽の幻像は簡単には消えず。
手を離し、一歩先を行く花水木の少女は、もう、
いつも通りの彼女]
……うん!
[ビンの中からいくつか「星」をつまみあげ、
はぐれないように後ろをついていきながら、
渡り鳥の少女に会いに、夜を渡る。
目指す星に手が届く時は、*すぐそこ*]
[夢の中、ずっと一緒にいたかった。]
[それは昔から変わらない。
けれど、現実はそうはいかない。
現実はその感情だけではない。
落ちた腕は、消えた腕は
昔つないだ手だったろうか?
丘のふもと 夜は明けただろうか…………*]
[多くの物語の中、登場人物は
見えざる手の影響を受けていた。
人が殺されても、殺したのが主人公側なら
暫しの葛藤の後、あっさりと許されて。
割り切り方もすごかった。一度許されれば
明朗快活な主人公はもう悩まなかった。
一度許されれば、
それだけを支えに最後まで生きていった。
” かわいそうな事情 ”があると、
大概許される、癒されるフラグだとか
そんなことまで思う程度にはなった。]
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