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じゃあなんのつもりだったんですかあ……?
[首の動きを追うように視線がゆらゆらと揺れる。
今さら何を言われてもへこんだりはしないつもりではあったが、
驚かないという心がけはしていない]
……ミズキちゃん死にそうだったんですかあ?
[どう見ても今の彼女はそう見えないのだが、
しかしそれならこの手の冷たさは説明がいくのでは――と、
触れ合った経験の少なさが明後日の方向へと思考を回す。
気になる。気にはなる、が。
今はいっしょにいくかいかないかの瀬戸際]
そ、そんなに馬鹿って言われると、
流石にどうしたらいいのかわからなくなりますよう……。
[少女に向けて言ってはいない可能性には思い至らず。
困っていた。反射的に笑顔を浮かべられなくなるほどに]
ああ、キミはそうだったね。
現の理に生きる者だ。
そうではないよ。現実の話は現実でするといい。
それはボクの与り知らぬ世界の話だ。
[食事に勤しむ姿を見れば、少し離れた場所へ彼を誘う]
セカイは連なり干渉する。
ハルのセカイじゃないはずの丘にハルのセカイが入り込むように。
完全ではないが、セカイは紡げる。
眠らせて連れ帰るのが良いならば、渡り鳥を呼べばいい。
そうではなく、そのままで苦しまず
崩壊を見せぬまま逝かせてあげたいのなら……
仮初めの花を咲かせ、
仮初めの微睡みに誘えるのではないかな?
それが彼女にとって最良ならば、ボクはそうしてあげたい。
[あの頃、私の夢にまだ私と彼しか居なかった頃
そのセカイはさながらおとぎ話のようにメルヘンで
少女らしい少女のセカイだった。
花は咲き陽光煌めく穏やかなセカイ
ハルの描く花園のセカイによく似たセカイ]
ボクにはどれが最良なのかわからない。
ボクはセカイの方しか語れないし
知ることもできないからね。
だから、ダハール。キミの意見を聞きたい。
繋がるのなら、他の者の話でもいいさ。
……どの道もう永くはない。
セカイも彼女も……ボクもね。
だから、仮初めの中で眠らせてあげることは……
彼女が望めば出来る。……多分
[本当に核心のところだけ忘れるんだ、と
ハルが楽しそうに話す事柄に頷く。
リヴリアの腕の中で、楽しさそうな様子
偽の幸せと人は言うだろうか?
けれど、当人にとって
そして見ている俺にとって、
”幸せに暮らしました”とさ
と、物語をしめられる情景]
……ちょっと御免
リヴリアが話があるみたい……
[と、彼女に誘われて
桜の木の幹、半周した所に]
うん、ちゃんとリヴリアちゃんの分、残しておくから安心してねえ。
[物事を深く考えない少女は、にこにこと笑って二人を送り出す。
パンを食べ終わったら、花冠を作らなくちゃ、なんて思いながら**]
ふふ、これはこれで気に入ってるのだけどね。
この姿でも、ハルの子の冠ならとても似合うと思うけれど
けれどそうだね。貸してくれるのなら貸して貰おうかな?
いめーじちゃんじというやつかね?
[そんな日が来ることはないことくらい分かってはいたけれど、少しだけハルのような服を着た自身を想像してみる。
そういえば……持っていたかな? ああいう服]
え……ぎゅうってしたのかい??
[次の言葉で可愛らしい洋服姿は霧散して、彼を見やった。
じとーっと。仮面の下だからただ見てるだけにしか見えないだろうが]
[リヴリアの言葉に肩をすくめる。
それは、俺一人では……確かに厳しいことだった]
俺はこの世界の本来の、住人ではない
……起こす事さえままならない。
世界を自由に操ることもない。
[昔もそうだった。
あくまで姉の世界だった。
あの頃の僕の自由にはできなかった。
と、俺は思い出す。]
ただ、それでもこの世界が……そういった存在でも
少女のためなら願えば叶うなら
………俺は、それを願いたい。
”ここ”に、最期までいるのだから。
[そう言って、一度言葉を切る。
リヴリアの続いた言葉、頷いた]
[長い長い沈黙の末に紡がれた声は震えていて、
怖いのだろうか、と素朴に思う]
怖くないですよう、きっと、お空を飛ぶくらい!
不吉ですけど、たとえ落ちちゃっても……、
ミズキちゃんといっしょなら怖くない、気が……っ。
[悪い想像はパンチが強かった。
手を握ったまま震えることしかできずにいる]
ミズキちゃんは……、お日様みたいですけど、
先に落ちちゃったりしない、ですよね?
……本心、願うならば
この世界は少女を受け入れる。
[幹を回る前、無邪気な様子のハルに手をふり
ついで、仮面越しの視線に
俺はロリコンではないとは思った。]
だが資質はあるだろう?
どちらの側としてもね。
それはとても貴重だよ。先生と言っていたがローザも……
ああ、今はいい。
自由に動かせなんて言わないさ。
力を貸せ。出来るだろう?
夢は動かせぬが夢に交わることはできるのだから。
[仮面を外しニィっと嗤ってみせる。彼には馴染みがないだろう。私の深緋が彼を【捉える】]
常春を想え 花を想え 風を想え
ハルを想え
よからぬことは想うなよ この少女趣味
キミがあの手の子が好みだったとは知らなかったよ。
まあ今はいい。
願え。夢を……
[下ろしていた髪がはためき広がる。
風を纏い息吹が大地を駆ける。
その息吹を春の夢が受け入れるかは
その主に委ねられる]
じゃ、 …――――いこうか。
[右手と右手、重ね合わせた太陽と星。
そのままでは歩けないから手を離し、
肩を並べないでその一歩前を歩き出す。
渡り鳥の姿を探し、夜を越える。
目指すは一つ。 ――――*暁の明星*]
[安穏を願い私は花を奏でる
それはとても遠い記憶を掘り起こす作業で
今の私にはとても似つかわしくなくて
私の願い築いた夢のセカイとは遠すぎるほど遠すぎた。
崩れゆくセカイ。崩れゆく私
自らの夢ではない夢を築くのならば
その代償は高く 激しい
ボトリ──
私の片腕が滴り落ちる
熟れて落ち逝く果実のように]**
[一度も鳴ることのないまま
仮面をは ずしたことを思えば、
俺の結論は、その素質を消したのだろう。
選べば、選ばなかったほうは、消える。
もう、この杖も要らないか、と
花の隙間、地面に突き刺して]
[外れた仮面、見たことのない
赤い、赤い瞳。
まるで、俺が知らない真実の象徴のように。
けれど、知らない事など沢山あるのだ。
いまさら、知らない姿、戸惑うほど
4年という時間は短くはない。
にぃ、と哂う顔に、
俺も変わらない青で捉えかえすように見つめ頷いた。]
……心外な、俺はロリコンではない。
君も、よそ事は考えるな。
ただ、あの忘却を続ける魂を、
ただ、あの夢がいつまでも続くよう、
現実を知ることのないよう 。
ほかの誰のことも考えるな。
[風はまた強くなった気がした。
俺は、肩の上で切りそろえた髪が煽られるに任せて。
………欠けていくリヴリアを見た。
なるほど……理屈上の納得を得ながらも。
……介入が姉づてな今
その腕を拾おうとして……同じ部位
霞消え始めるのを見る]
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