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[やがて、全てがユメの境界を越えたなら]
――……。
[両手を掲げた姿勢のまま。
灰色の睫毛が震える。
瞳を開こうとして、だけど瞼が上がらず。
翼がはたりと砂の上に落ちた。
足の指がぎゅ、と大地を踏み締める。
両手を痩せた胸に当て]
――ごめん、ね。
じかんが。
たぶん、もう、すくなかった、から。
[道化師に、詫びる。
本来ならこんな場面を、見せるべきではなかったのだ]
……ばか。
君を心配して、笑いに来たんだ。
[聞きようによっては酷い言葉にも聞こえるだろう。
腰を落として星売りと視線を合わせる。
張り付いた無表情の仮面で隠そうとする
その裏、彼女が隠すものを暴くとでも言うように]
―――どうしたの?
[青葉が、緑の眼に宿る光をじっと*覗きこんだ*]
[仮面の裏はどんな様子をしていただろう。
片手で目をこすり、無理矢理瞼を押し上げる]
みんなには。
まだ、ないしょ……。
できるだけ。
じぶんで、こころをきめたこからに……したい、から。
……ごめんね。
[主を失った家を見る。
用意してくれた寒天、今は食べられそうにない。
それに。
勝手に連れて行ってしまった事を
岬守だった彼女が許してくれるかも、分からなかったから――*]
どうした……も、こうしたも……
……僕が言うことでもない。
[驚かれた本人からは、そうですよね。]
[驚いたこと、ミズキ本人にたずねられて。
かと言って、
自分がカスミがミズキを探していたことを
カスミ本人がいるのに差し置いて、言うべきではないと。
ただ、指が頬をかこうとして、
仮面の表面をひっかいたのは
ミズキにも先ほどのカスミのように
涙の名残が残っていたから。]
[ミズキがカスミを見る視線に
かるく、鳴らない鐘がついた杖を握った。
先日、ミズキがカスミに対した態度を思い出した
が。]
[ミズキがカスミにかける言葉に安堵する。
なれば己は不要化と、
ミズキがカスミを覗き込んだあたりで
風に揺れる草に姿をまぎれさせて]
−***−
『岬守(みさきもり)のお邸には、
幽霊が住んでるんだって』
[海の傍に建つ古めかしい大きな洋館のその二階。
海から見える、大きな硝子の窓のあたり。
時折白い着物を着た幽霊が、海を眺めているという。
そんな、子供たちの噂話。
それが廃れてしまって、数年。
岬守の大邸、家に人の出入りはあれど
幽霊のことについて口を開くものは誰もいない。
今も、昔も、恐らくこの先も]
[ガラス張りの海の向こうを眺められるのは
幽霊にとっては体の調子の良い時だけ。
天気が悪い日も、眺められない。
硝子の向こうに広がる浜で遊ぶ子供たち。
休みの日にやってくる、恋人同士や家族連れ。
ただただ、その姿を遠巻きに眺める。
それが、邸に住んでいた頃の小さな楽しみだった。
少女の住む箱庭から、外へと繋がる二つの手がかりの、一つ]
[もう一つの手がかりは、与えられる本だった。
外を眺められない日も、ずっと読んでいた。
請うままに、与えられた本は種別を問わない。
辞書であったり、図鑑であったり、美術書だったり。
時には国籍すら本は超越して少女のもとを訪れた。
全て、それらは幽霊の住んでいた部屋に置き去りのまま]
[病院は、少女にとってはこの延長線だった。
車に乗せられて、訪れる場所。
硝子の向こうに見える世界。
触れることの、出来ない世界。
生まれて、死ぬまで、触れられることのない、世界]
[いつからだったか、覚えてはいない。
夢を見るようになった。
夢の中の自分は、海に入ることが出来た。
砂浜を歩いて、流れ着くものを拾い
調理も、裁縫も、走ることも、何でも出来た。
幽霊の自分とは、違った。
外に出ることは勿論、したいことも出来ない。
すぐに寝込むようなこともない。
動物に触れても、体がおかしくなることもない]
−海岸線の家−
[着替えて戻ってきた時には、ミズキの姿は無かった。
用意した食事や、甘いもののトレイをテーブルに置く。
渡り鳥が、こちらを見ていた。手が触れる。
勢いを以って振りほどけば、簡単に解けそうな小さな手だった。
ただ小さく、喉が震えた。
流れ着いた着物に囁いた言葉と同じ]
───いや、
[小さな声。
消えてゆく、存在]
[海岸線の家は残っていた。
少女の作ったものも、磨いた夜光貝も、食事も。
何度も海に戻されていたバケツの小さな蟹と
籠の中にあったはずの白藍の着物だけが
少女の世界から、消えていた**]
−病室−
───、─。
[機械の音が、聞こえていた。
潮騒の音は、もう聞こえなかった。
ゆっくりと開いた視線の先、
覗き込んでくる存在に瞬きを少し繰り返す。
喉がひりついて上手く出てこない声。
おぼろげな世界、家ではないことだけを視認した。
白い袖口から伸びた先の手を、緩く見やる。
酷く痩せてはいたけれど、シャルと名乗った女と
あまり変わらない大きさの手にそれは見えた**]
[グレイヘンが二人の手を取る。
解けていく身体を前に、私は少しの躊躇の後に
ローザの前に身をかがめる]
ローザ、その髪飾りはキミが持ってお行き。
嗚呼、超えては持って行けないのだろうけれど
それは、ボクがキミに委ねたものだ。
また来たときに迷わぬように。
キミを忘れないように……
……全てを見せてあげられなくて
ごめんね。
[ぎゅうと抱きしめて、消えかかる手に己が手を宛がって
耳元でナニかを呟いた]
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