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[顔はそのままに、視線を上げていく。
目がいったキャソックに、何かの染みを見付けた。
金髪も肌も清潔そうなのに。]
――――――。
[どす黒く変色した、乾いた染み。錆び付いた匂い。
怪我をしているのか?
はっと神父を見上げる。
一瞬だけ、彼の腕がぐにゃりとねじれた気がした。]
/*
・鳩だと打つのは楽だけど読みにくくなってそうなうえに読み落としがひどくなるから気をつけよう。
・もうソロールお腹いっぱいだから自分から絡みにいこう。
・独り言で騒ぎすぎないでRPもやろう。
海で死亡フラグを折った感じだから、フランの最期は「生きようと思ったその矢先に」ルートかな、とぼんやりメモ。
雪………見たことないんか?
[ざり、と靴の先で地面を撫でつつ神父に問う]
そやったら相当暖かいところの生まれか………暑がりには敵わんやろなぁ。
[そういえば自分は結局神父のことを良くは知らない。
神父もこっちのことを良くは知らないはずだけれど]
貴方の故郷ではよく降っていたんですか。
それはとても綺麗なんでしょうね。
[申し訳ないと思う相手の気持ちを汲み取るような高等な真似が出来る筈もなく、初めて見た雪が嬉しくて。ついその名残で、素直な感想を漏らす。青年の故郷を想像しては目を細める]
ーーどうかなさいましたか?
[上空を仰ぐのを止め、青年を見る。
すると、心ここにあらずといった風にこちらを見つめる青年の姿があった。
その理由が分からずに首を傾げる]
[そうして、相手のことを良くは知らないまま、中途半端に手を差し伸べた。
絶たれても――廃ビルの無法者に身ぐるみはがされても気に留めない程度の繋がりで終わるかと思われたが、
今も尚こうして繋がっている。
何者なのか。
何者となるのか。
神父と歳若い医療従事者。
しばらくはふたりの故郷の話に耳を傾けることになるのか、と思っていると]
ん? どーした。
[>>23表情の変化に気付き、男も神父を見上げた]
え? ――ああ。
[二人の反応から、我に返った。
見てしまったものをないことにはできない。
取り繕うためにゆっくりと、微苦笑を作ってみせた。]
いえ。
本当に、故郷は寒かったなあと。
よく池の氷で滑っていたんですよ。
[そんなことさえ付け足した。]
[突然態度を変えた青年に戸惑いながらも、男から雪を見るのは初めてかと問われると直ぐさま返事をする。初めて見た雪が嬉しくて、ついその名残で、ほんの少しだけはしゃいだ声で。]
ええ。初めて、でした。
雪って、綺麗ですね。
[しかし、自分の声に、大人げなくたかが雪で浮ついてしまっている事に気が付いて、口元を抑えた。
また何時もの抑揚のない声で淡々と喋り始める。]
……私の故郷では気象も管理されていましたから、雪が降る程寒い日なんてかありませんでした。
都会、だったんですね。
僕の地方は天候を管理されてなくて。
[嬉しそうな神父を困らすまい。
黙っていればいいだろう。
彼の服についたものには、見なかったふりをした。]
この辺だと、海が荒れそうですね。
大変だった……いえ、大変、ですよ。きっと。
[言って、フランを思い出した。
彼女は大丈夫だろうか?
腕だけではなく、気持ちの方も。
無意識に辺りを見回していた。]
そうですか?
そう言えば、トレイス。貴方、誰かに用があったのではないですか?
[青年の返事は釈然としないもので、眉を顰める。しかしそれ以上聞ける筈も無く、相槌を打った。
そういえば――、男が浜辺には面倒を見に来たと言っていたのを思い出した。その人物の元へ向かおうとしないので、不思議に思った。青年から男の方に視線を移して、疑問をぶつける]
…………ふぅん。そら相当寒いわ。
こっちで池に張った氷の上に乗ったらすぐ沈んでまうからなぁ。
[表情の変化、それが意味するものは告げられず。
追及するべくじっと顔を覗きこむかすっぱりやめるか、
迷っている間に神父が話に乗ってきた。
年甲斐もなくはしゃいだ後、そのことに気付いて口元を押さえる態度、
それは昨日男が見て取った“人間らしい”態度の部類に入るもので、
ほっとする気持ちが湧き上がるのを感じていた。
成程な、と小さく呟き、しばし空に視線をやった。
男は上を眺めるのが好きなのだ]
あぁ………危うく忘れるところやったわ。
[指摘を受けて、くるりと神父の方を向く。
先程歳若い医療従事者は、神父の服を見ていた。
上から下までを一度まじまじと見回すと、ふぅん、と呟き]
あんた、昨夜事務所出た後無事やったんやな?
誰かに狙われたりとかせーへんかったな?
[確認するような口調]
/*
診療所で幻視した直後は誰でもいいからおせっかい焼きだーひゃっはーのつもりだったんだけど、
対象があの神父だったということで、
神父強かったら面倒見る=暇潰しの相手として世話焼く
方向にシフト
こいつもたいがい常識崩壊してまふ
[男からまじまじと見られて居心地悪そうにする。
昨夜の事を聞かれると口をへの字に曲げる。男が浜辺に来た事とその質問がどう関係あると言うのだろうか。
質問に答えようと口を開く。けれど、十数時間前の事だというのに上手く思い出せず、言葉が詰まる。自分自身の事なのに愕然とする。が、その事を一切表に出そうとはせず淡々と答える。無事だったがそれがどうしたと言わんばかりに切り返した。]
昨夜ですか……、そう言えば事務所を出た後に数人の男達と出くわしました。
この通り無事に済みましたけれどね。それがどうかしましたか?
………………危険やな。
[返答は単純なもの]
ここにふたりしかおらんかったら、
あんたのこと暇潰しの相手として見られたかもしれん。
だがここにはまだ人がおる………そいつらには傷付いて欲しくあらへん。
[無論、神父が廃ビルの無法者を返り討ちにする強さを持ってたとして、
それらをただの街人に向ける確証は何処にもない。
だが、頭の奥で危険信号が鳴り響いて止まないのだ]
頼む………この街から出て行ってくれへんか?
こっちから頼む以上、行きたいところに行けるよう斡旋してやりたいのはやまやまやけど、
それは出来ない相談やろなぁ。きっと。
[神父の行きたいところが、神様のいるところであるならば。
男はその場所を知らないのだから**]
[視線をたどられたと悟り、いよいよ蒼白になる。
神父自身の怪我ではなかった。
「襲ってくる誰か」が知っている人間の中にいる、
それだけで恐ろしく思われた。
答える神父の口が不満そうに曲がる。
肯定の言葉が紡がれる。
男は特別、顔色も変えていない。
何か言えば、ひどいことになりそうで。
じわじわと身体をあぶる気温に、マフラーを首から抜いた。**]
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