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―1-B喫茶室―
おかえりなさいませ、お坊ちゃま
御茶にいたしますか?それとも…?
[マニュアル通りににこやかに対応するが]
『んー御茶もいいけど…お話ししようよ
君一年生だよねー こんな子いたっけかな…
つかこういう服っていいよなー 男装の麗人ってやつ?
外にいた子も凄かったけど…女の子 ら・し・さ が逆に目立つよね…』
[舐めるような視線が気持ち悪いと、少しイライラしつつ。それでもあくまでも執事らしくにこやかに振る舞う]
御坊ちゃま…ご注文は?
なっ なになに? どうしたのっ!?
[手から伝わる凌の動揺に、思わず目を開いてしまいそうになるが。
それは、なんだか凌が信じられないということになってしまいそうで、ぎゅっと堪えているうち。
目蓋の裏が、ぼんやり明るくなる。着いたのだろうか。
もう目を開けて良いかと、窺うように顔を上げてみる]
うわっ
[そういう自分が躓きかけ、途中流海の身体を支えたり。
冷や冷やすることも数回あったが]
もう大丈夫。出たよ。
[いつもより幾分柔らかな口調で声をかけた]
ん……
[こくり、頷いて。
強く閉じすぎていたために、すこしぼんやりする視界に数度、瞬き]
大丈夫だった? ぼくは支えて貰ってたみたいだけど……
[どっかぶつけたりしてない? と無事展示まで辿り着けたことに、ほっとしながらも、心配げに]
/*
凌は独占欲強いキャラで考えていて、その通りに。
基本他人には興味がない(村のクラスメイトは今は別)けど、その分仲良くなったり特別な人には執着します。
クールはどこか行ったけど案外想定通りだな……。
ぼくは大丈夫。ずっとドキドキはしてたけど。
……帰り、も あるんだよね?
[呟きに、窓のほうを見た。
ほら、此処一階だし。いざとなったら、とか。
それはともかく]
『あの子の兄もさ、ここ7〜8年、カノジョなしだし、うちの男どもは、本当にだらしないったら…』
あ、あの、そんなことないですよ、ネッドくん、学校でも人気あるし…。
[思わずフォローした]
『どうせあれでしょ?特に誰とでもなくまんべんなく付き合うんでしょ?しかも、おちゃらけて』
あ、いえ…その、みんなとは仲良いです、確かに。楽しいですし。
(なんか、怖いなー、このお姉さん…しかし、良く見てる…)
[とは、ネッドの前では言えないコトで]
アーニャちゃんのは、何処だろう。
ん、これ面白い。
[せっかく辿り着いた展示だ。
アーニャの作品だけでなく、じっくり見て行こうと。
『*02白長須鯨*から見た*14冥王星*の光景』という、シュールな気もする作品に足を止めたり]
『そう言えば、試食してくれたんだって?どうだった?お好み焼きパフェ』
あ、ああ…あ、はい!おいしかったです。
……あの…とっても斬新で。
[そう言えば、アンケートに見た目1点と書いたんだっけかと、目逸らし]
ふつーに、ぱっと見で何なのか分かるのはいいけど、前衛っぽいのは作者の解説とかあったら、もっと良いのになー。
それとも、芸術家ってゆーのは、作品で全てを語るのか。
[でん、と鎮座する彫刻が、タイトルを見ても何なのか分からなくて、そう首を捻っていたり。
そうこうしている間に、足は教室の中ほどへ進み]
わぁ、すごい雰囲気ある絵。
いいな、この夜の色好きだ…… ん、なんか見覚えある色の気も……?
[なんだっけ、と咄嗟には思い出せないが。
気に入ったことに変わりはない]
ぱっと見寂しげだけど、なんだか落ち着くね。
描いたひとの視線が優しーのかな。
…… でも、なんか……
[絵の人物にも、見覚えがあるよーな……?+裏+
表:なんとなく思い当たる
裏:気のせい]
創る人によるのかもな。
見る人が感じたことが作品の全て、という人もいるし。
自分の中だけに理由があって。
家族にでさえ何を聞かれても語らなかったり。
[訥々と語りながら]
ん? この女性が何か……?
[じっと見つめるが、自分の知り合いではないようだ。
どこか、どこか杏奈に似ている気はするけれど]
卜部は……すごいな。
こんな風に絵が描けるなんて……なんか、すごい。
[それしか言えないのが恥ずかしい。
でもすごい、としか言えなかった]
……。
[きっとこの絵を描く力は姉と違うものだろう。
杏奈自身の、彼女だけが持つもの。
林間旅行のバスの中で聞いた言葉を思い出していた]
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