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――落ち着いて、ant-lion。
あなたほどの攻性プログラムが"自分"すら壊せずして、どうします。
[仕方ない、とばかりに息を付く。]
彼女を壊すのに時間が必要なら、私が稼ぎましょう。あなたなら全てを壊せる。そうでなくてはならない。
もしもHUMANからの命令-commands-が必要ならば――『destroy』。
[ Corneliusが、Ira=Ant-lionへ蹌踉めきながら近づく。
肥大化した虚なるプログラムと巨きな超攻性プログラム。争いが始まり、無闇に近づけば、鎧袖一触の如きに破壊されるだろう。様子を伺いながら、Chlonoiseへ、]
故に魂すらもデータ化が可能ということかしら。
ふふ、この話は置いておきましょう。
[ 右手首で、杖を二回転させて構える。
Ira=Ant-lionより、先ずはChlonoiseを目標として視野に入れる。]
頼みます。
[自らを道具と呼称し、そして事実そうあるように造られたant-lionへ、コマンドを告げる。
彼女がそれを受け取るかどうかの確認すらせずに、男はMARIAの手を引いた。彼女の細い腰を抱き寄せ、薄く形成されている唇に自らのそれを重ねる。互い同士を触れ合わせる、最も効率的、最も扇情的な"データの吸引"。]
『記録されている<Vincent>back upの消去-erace-を確認。よってMARIAのディスク領域を削除、自律活動を停止します。』
[くちづけを終えると、今まで一音足りとも発することのなかったMARIAの唇が、システムメッセージを紡ぐ。]
『MARIA<展開>Crest-Form。以降の行動をすべてVincentに依存します。Good-bye.』
[言い切り、そしてMARIAの身体が崩れ落ちる。MARIAより吸引したデータが、男の手の中に一振りの剣を形成した。アバターの身を包む衣装も、中世貴族の闘技服を模したものに書き換わる。]
――私が相手です。と、言っておいたほうが良いのでしょうかね。
彼女に手を出す前に、切り裂いて差し上げますよ。
[ant-lionに踏み出すCorneliusを見やり。Dioneに対抗するという防御プログラムを書いたLittle Dancerに笑み。そして、LostOne.には。]
魂。あまり信じませんが、思考回路の展開のツリー構造と捉えれば、可能かもしれませんね。
ああ、私のポイント構成データの格納メモリの位置なんて、教える気はありませんので。私ごと破壊できるなら、掛かっていらしても構いませんよ。
[そう言って、切先を突きつけようと剣を前に。]
[シャーロットの問いには肩をすくめつつ]
絶対たぶんきっとの盾だ。とりあえず一回の効果は保障する。
Ant-lionとやらが宇宙全体を展開できるなら、こちらは太陽系の一恒星にて対抗してみようではないか。
『アタシ知ってるんだよ! そのプログラム名はどこかの言葉で「太陽」って意味だって!』
[そして再び少女の姿をしたそいつに目をやって、]
なんで泣いてるんだよ……
―???―
[どこまで行っても、その空間の景色は変わらない。
しかし無限ループでない事は、徐々に濃くなる砂嵐の存在が教えてくれていた]
しっかし……こんな場所に飛ばされるなんて聞いてないぞ。
gameに敗北した者は――死ぬ、だったか?
しかしこれじゃあ死んだ気にもならん。
[ようやく、遠目にノイズの発生源を発見した。
気付かれるかどうかはわからないが、ともかく片手を挙げる]
[ Chlonoiseの外装が変化する。]
――ッ、
なるほどね。
[ Chlonoiseの変身。MARIAと呼ばれた補佐AIの能力が外装としてChlonoiseを覆っているのだろう。
補佐AIを吸収する為に自らを危険に追いやる。その行動は、正に四次元軸移動が可能なChlonoiseだからこそ行い得る事が出来たのか。]
[周囲にクラックを発生させながら、向かい合う。
涙を零し、生きたくは無いと叫んだ>>104少女に。
invidiaを活性させる。エネルギー源なら、溢れる程あった――]
聞こえる? アイラ?
[胸の前に、ピンク色のハートを浮かべる。柔らかく鼓動しながら、Heartは囁く。
「きみならあのプログラムに対抗出来るかな?」
「きみも、そのために誰かに送り込まれたAIなんでしょ?」
次いで、ハートは形を変える。
目の前の能面のような表情の少女にそっくりな、今にも泣き出しそうな表情の少女。少女は囁く。
「私は…自分の出来る事を捜しに行きたい」
「…死なないでね。―――が死んだら、私とっても悲しい…」
そして少女を模した幻影は、涙を流しながら、蕾が綻び花弁が開くような笑顔を浮かべ>>1:17 消えた]
/*
カオスした。ちょーーーカオスした。
ちゅーしてBack upをつかって変身ってのは最初に思いついたBack upの使い方で、やりきったのはいいんだけど、文章にするとこんなにカオスだとは思わなかった。
目の前でおっさんとメイドさんのちゅーを見せつけられた関係者各位にお詫び申し上げます。平に。
しょせんいくつかの行動パターンの寄せ集めにすぎないくせに。
しょせん人間の映し身にすぎないくせに。
なんで私が捨て去った物を持っているんだよ……
[だが、その思考だだ漏れな言葉の続きは、Chlonoise――ヴィンセントとコーネリアスが次いで現れたことによって打ち切られた。
二人が立つ座標軸を、手元の赤とオレンジを基調にしたフレームが時間順に記録する]
/*
>>122
なん……だと……
そうか、プログラムだもんね……。
死んだのにまだ生きてる感じがして、ちょっと嬉しい。
[Vincentの発したcommands、『destroy』にAnt-lionは反応したか。
ソレは、アタックプログラムSuperbiaを超臨戦状態へ駆動する。
gulaを充たす膨大なエネルギーを源に、構えも予備動作もなく発生する熱衝撃波。
超攻性プログラムAnt-lionが攻撃行動に移るなら、ソレは、アタックプログラムを以て抗する心算だった]
聞こえてる――?
[雪は、いつか降り始めるだろうか]
[金属音がして、剣先が弾かれる。
男はおや、とおどけたように目を見開いてみせた。]
血気盛んですね。Babylonから破壊を命じられた私に向かって、勝算があるので?
[言いながら、男はLostOne.より距離をとろうと、一歩、また一歩、後方へ下がる。]
[雪の属性変化を代償に、「場」の記録能力は底上げされた。
結果、この場にいる全ての面々の行動が、フレーム上に記録されていく。
ヴィンセントがこの場で自らのデジタル化を行えばそれも記録されるだろう。
だが、ヴィンセントのプログラムに関する推論と返答を聞きながら、私は考える]
用意周到そうな奴のことだ……どうせこの場に入る前のセーブポイントがどこかに残ってるだろう。
それを使われて例えば――〈Sonne〉製作中の私が襲われでもしたらたまらない。
[ならば残る方法は一つ]
直接叩く。
絶対たぶんきっとの盾って、不安、だけど!
[ す、と杖を眼前に水平に構えて。
くるくると回転させ始める。それは、やがてぶんぶんと唸り始め、熾え盛り始めた。]
さあ、勝算は分かりはしないわ。
[ Chlonoiseが、Ira=Ant-lionの方面へか後退する。]
補佐AIのデータを吸収したということは、
あなたの単純な攻撃力は向上しているでしょうから。
[ 跳躍し、Chlonoiseへ叩きつけるような一閃=一打。]
お手柔らかにはお願いしたいものですけどね。
[ちかり、ちかり、男が歩くたび、白い瞬き。]
そもそも私、平和主義ですから。
MARIAの力がなければ無力なものですよ。
[先の言葉とは真逆のセリフを吐くうち、LostOne.の跳躍、撃ち出される一撃。それを受けるでも返すでもなく男の取った行動は、戻る。
たった3秒の前だった。自らの位置情報、座標を戻すだけで、撃たれた光弾を避ける。]
私の合図でECLATANTはAnt-lionを狙え。
私は、ヴィンセントをどうにかしてみる。
『分かったけど、徹底的にやっちゃっていいの? あいつの中のもう一つの――心、みたいなものが、あいつを打ち負かせば、あるいは』
敵はヴィンセント一人になる?
そんな希望的観測は、いらないよ。
[私とECALTANTの周囲で、雪が集まり、何かの形を模していく]
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