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─ 文化祭 ─
[まずはメイド服の昴と執事の自分で看板を持って外回り]
皆様のご来店お待ち申し上げておりまーす
[よく通るようになった声で宣伝してまわる。
リサや愛里のメイク指導により、昴のメイクもかなり完成度が高いのも目をひいたようで、お客の入もなかなかの模様]
うん、よろしく
末永く――
[ 絡められた指、その手を握りかえせば。
淡く照らされた2つのシルエットの頭部が重なっていった―― ]
[ そういうところは、夏樹が指摘する彼の大人な部分かもしれない――彼自身はよく分かっていないが。
一方で、彼自身でもよく気付いている、子供の部分は――傘が完成して言葉や心を交わしたあと少しして表に出て来た。 ]
あ〜〜っ!
やべぇ俺!
ビッグミステイクしちまった!
どうしようどうしよう、夏樹ごめん、俺そんなつもりじゃなかったんだ!
[ と、夏樹にしがみつく姿はまさに子供で。
キャンドルの淡い光が上手く当たれば、涙目になっているのも見えるかもしれない。
何が起こったのかと言うと…… ]
あれ…
傘の部分の真ん中は縦棒引いちゃいけなかったんだよな
[ 確かに、傘を表す二等辺三角形を二分割する直線がしっかり書かれていて――ふたりの仲も真っ二つにしてしまうからという意味で、相合い傘ではその部分は書かないのが定番である。
もちろんそんなつもりはなかったのだろうけれど、気付いたときはさぞやショックだったのだろう。 ]
声、張り上げ過ぎかな
[ニコッと昴に笑いかける。
メイドと執事の体格差が明らかに逆転してるのも目立つ要因だろう。
さらに、黙っていれば女の子レベルのメイクを施した昴にあえてふつうの声で宣伝してもらって気を引く作戦をとっている。]
[ ただ傍に居てくれる人は、今はもうそれに動揺はしないだろう。
そんなの気にしないって包んでくれるし、あるいは今から消せばいいだろうと言ってくれるだろう――だから、彼が立ち直るまでさして時間はかからなかったろう。 ]
あ、消すの待って
[ 該当の縦棒1本、消すとなると泣きかけてた彼本人が静止して。
そしてまたバッグをごそごそし始めて……取り出したのは、小さな赤い旗。
まさにその縦棒の場所に、その旗を突き立てて。 ]
どうせ消すのならさ……
今日、これが最後の勝負、やる?
敗者は勝てねーと思っても、最後まで諦めず走ってちゃんとダイブすること
[ 最後の種目、ビーチフラッグ。
勝者は不吉な縦棒を消しながら旗を手にし、敗者は勝者に飛びつくことになるだろう――。
波の音の歓声を受け、昇る月と瞬く星と…旗を照らすキャンドルの光に見守られて。
2人は手を繋いで、適当に決めたスタートラインへ。*
起きる10(10) + 走る9(10) + 飛ぶ4(10) ]
── 文化祭 ──
[白地にモノトーンのプリントが施されたTシャツに黒いパンツ。サスペンダーが胸元を強調して、髪はポニーテールにして帽子にたくしこんだ。
白と黒でまとめた服装に、首元に赤いスカーフが際立つ。
そんな愛里が目にしたのは、背の高い綺麗な桃君の姿。
胸パッドや下着まで揃えてくれると思ってなくて。
「似合うー!きゃー!!」ってはしゃいでた。]
メイクはねー、京劇風はやめた!
アイシャドウは赤を使うけどね!!
ちゃんと流行に沿ったメイクにするから、期待してて!
[ワクワクメイク教室。
今日は私より、綺麗な桃君。
ちょっとドキドキするね。
完成した桃君は、本当に色気がすごくて、我ながらクラクラした。**]
ー お弁当お弁当嬉しいな ー
[後ろからふわりと目元を覆う手。声を聞く前に誰かなんてわかってたよ。君の香りがしたから]
可愛いなぁ。
[照れて覗き込んで来る顔、目を合わせ]
お弁当、すっごく楽しみ。お腹空いたし。
[継母印のお弁当に不満はないけど、やっぱり普通のお弁当には憧れがある。
中庭の東屋でお弁当を食べながら]
母さんに裁縫習うのは良いけど、料理は習わなくて良いからね。
美味しいから、ユリ子、ちゃんの料理。
[弟たちが彼女を呼び捨てにしてるのが面白くなくて、自分も、と思うけどいざという時に照れくさくて、まだできないまま**]
ー 文化祭 ー
[慣れてないので化粧された顔が気になる。けど、触ったらせっかくユリ子が施してくれたメイクが台無しになるから我慢して]
1-B教室でーす。美男美女があなたのご来店をお待ちしています!
[ユリ子の指示で地声を出してるのでぼくはそんなにキツくもないけど、彼女は少し休むべきだろう]
そうですね、執事長。飲み物でも買って少し休憩しましょう。看板を持ったままなら宣伝効果はあるでしょうし。
[この日ばかりはどこかの教室なり、部室棟なり、運動場の出店なり、どこででも水分補給ができる]
執事長、タピオカミルクティーなるものが。ちょっと試してみますか。
[敬語で話しながらも、ユリ子と手を繋いだまま]
─ お弁当の時間 ─
[お弁当は時間がなくて手抜き。鶏のから揚げ、卵焼き、タコさんウインナー。あとはおにぎり。
お母さんから料理は教わらなくていいと言われて。]
そう?いろんな料理を教えて貰うのって良いと思うなぁ。料理じゃないかもだけどお菓子作りは上手だし。
[美味しいと言ってもらえればうれしいもので。
一応料理の特訓も続いている。昴を連れて行ってからは特に母親の指導に熱がこもっている気がするし、学ぶこちらも意欲が違うので、着実に料理の腕が上がっている。
いろんな国の料理を学べるのは悪くないのではないかと思っている。
呼び捨てにしようと一瞬とまるのが、昴らしい。
でもあえて何も言わない。
呼び方は年数を重ねれば変わっていくと思うから。**]
─ 文化祭 ─
では、休憩いたしましょうか、
[微笑みを称えて答える]
さすがメイド長、お目が高い
タピオカミルクティーですか、
それはぜひ試しておかねばなりませんね。
[昴に合わせてぴしっとした声で言ってみる
が、最後の方はおかしくて笑いだしたくて声が震えてる。
昴がふつうの声でミルクティーを頼むと明らかに周りがざわざわする。その反応がおもしろかった。*]
──文化祭当日──
桃、気合入ってますね?
[と、話しかけたのは愛里の桃へのメイクが終わったころだろうか。
こちらはといえば露出少な目でお願いしますね、とスバルの家に現地訪問までして──久々だったので何か喜んでいた気がする──お願いして。
結果仕上がってきた衣装は、透ける黒をベースに赤い生地を組み合わせた中世ヨーロッパを連想させる装飾の施されたゴシックドレス。
足首までほぼ隠しているスカートに、手袋もしているからそれこそ露出は顔と二の腕くらい。
素晴らしい仕事ですねホントに!
メイクと帽子にエクステ装備でとりあえず格好はよし。
顔を向けられれば、さっとドレスの裾をつまんでカーテシー]
そのスリットも愛里ちゃん監修? 深いですね?
[片手で口元を隠しての笑い方はにこにこにやにやから、くすくすころころにアップデート。
やるからには徹底的に楽しむ精神だよね。
文化祭期間限定。ドレスの胸元では「ユズ」と書かれた名札が控えめに自己主張していた**]
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