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【河川敷/夕方】
[見張る、とは言ったものの、身を隠して動くことにおいて、鼠たちに勝てる道理はない。ねねの姿は見失った。とあれば、常盤を見守るのみだったが。彼女がほとんど屋敷で過ごすことを考え、一旦は目を離しても平気だと考えた。あの屋敷の結界は立花を弾くだろうし、何より今の常盤を見ているのはつらかった。]
[時折とりとめもないことを話しながら、街の中を歩いた。ここがよく遊ぶ公園、こっちは良いものが見つかるごみ捨て場。立花の案内で歩く街は、ほとんど毎日を店の中で過ごしていた成桐には新鮮なものだった。]
[こうして存在できているからか、死、というものに感慨は湧かない。立花がそうなってしまったことも、自分の意識が落ちている間に起こったことだからか、どうにも感情が動かない。しかし、あの瞬間の焼き切れるような冷たさを、常盤やアキラに一平、ねねにも味わってほしくはなかった。]
>>+22 >>+23 花
[さて、河川敷ーー立花によると、ここは一平がよく来るところらしいーーが近づいてきた頃。ふと、羽音に顔を上げた。空を1羽、カラスが旋回している。こちらが見えるはずもないが、思わず空を見たまま身構えた、その時だった。立花が驚くほどの勢いで自身の手を振り払い、駆け出したのは。]
……っおい、待てリッカ!止まれ!!
[鋭く叫ぶが、彼女は止まらない。彼女の視線の先を、遅れて把握する。一平と、あれは黒い服の女が、戦っている?]
くそっ……リッカ見るんじゃねえ!
[自身の叫びに立花の悲鳴が重なる。舌打ちをして、ただ移動する。]
[あなたは立ち尽くしている。目を見開いて、目の前の光景を見ている。後ろから追いついて、ため息をつく。どうにも、うまくいかないことばかりだ。一歩進むごとに、空を切るような感覚、足元の奈落を無視して。]
……おい。もう見なくていい。
[肩をぐいと、掴んで一度揺する。あなたが振り返って、やがて自身に取りすがって泣き出すのを、ただ黙って受け入れている。もう彼女が抱きつけるものが自分しかいないことを知っているから。]
最初は攻撃とか全然考えて無くて、主殺すわーっつったあとに、ぺちゃんこ→重力系→未練=思い=重い→怨念で重力球やろ!!!
って連想ゲームしたのはなかなか自分で気に入ってますってゆったっけ
>>+25 続き
おう泣け、泣いとけ。お前くらいしか泣いてやれるやついないだろ、今。
[そんなことを肩に手を置いて言いながら、視線は一平と倒れている女の方へ向ける。]
(バカ野郎、お前は戦いになんて出るべきじゃなかった。そんなことはもっと図太い連中に任せときゃよかったんだ。お前、もう、どうせ俺たちのことまで背負ってるんだろう。……アキラとトキワに、少しでも、背負ってもらえよ)
[知っている中でも、彼はとりわけ心根がすなおで、その分繊細だったと思う。誰かの死を、しかもその原因を担うには、まだ小さすぎるのに。]
(……そして。沙霧って、リッカは言ったな。)
[見やる。倒れた女の服は見知らぬものだったが、顔には見覚えがあった。集会に顔を出した時、妙に話が弾んだ女。ヨソモノであることを殊更意識してしまうあの場所で、何も詮索しない彼女との会話は、随分と気晴らしになった、のに。]
(……お前かよ。)
(俺、お前のことほとんど知らなかったけど……こんなこと、するやつ、だったっけ?)
[もやもやとした、重たいものが胸に溜まるような感情。やるせなかった。なんで、こんなことになるんだろうと、ようやく、ようやく思った。]
【某廃ビル/深夜】
[昼前に集会所を出てから、戻ったのはいつごろだったろうか。
男は廃ビルの屋上から外を見ている。]
[2人は戻っていない。
1人は、もう戻ってこれない事を、烏が夕方に男に告げた。
相手は向こうの天邪鬼か、小鬼か、いつか会ったあの少年ということらしい。
主を殺った彼女を──。
あの少年にそれほどの力があったのか]
[止めるべきだったか?
いや、彼女と会ってから数日しか経っていないが、きっと彼女もこちら側に来たからにはなすべきことがあったのだろう。
ふる、と1つ首を振った]
[廃ビルに戻ってきても、もう一人には会えなかった。彼女の悪友について、連絡を飛ばそうとしたが、見つけることも出来なかった。
どこかでまだ向こうの居場所を探しているのだろう。
ねずみの得意な場所は、カラスには探れない]
──ちっ。
[成果は上がっていなかった。
相手の場所がわからなければ、仕掛けようもない。
せいぜい群れから離れた者を捕食することくらいだ。]
─っ。
[直後、鼠がビルに駆け込んでくるのが見え、部屋に戻ろうと階段をかけ降りる。]
[廃ビルが喧騒に包まれ、何事か把握するのに、そう時間はかからなかった。
その言葉を解する者が、声を張り上げる。
向こうの巣が見つかった、と]
……わかった、すぐに準備をする。
[足早に部屋に戻る─誰もいない。
いや、そこにはテーブルの上でじっと何かを咥えて待つ鼠の姿が見えた]
…貸してくれ。
[鼠の口から紙を掴みそれを広げる。この部屋に、連絡を寄越す鼠の心当たりは一つしかない。
その、なすった様な文字を読むと
くしゃり、と握り込んだ。]
[場所は喧騒の中で聞いた、ならばこちら側にいる者がすることは一つだ。
窓から1羽の烏が飛んでいく**]
/*
とりあえず鳩つきました日中何も出来ずすみません…!
>>c87/**/
了承ありがとうございます!把握させていただきました!
死亡お疲れ様です!
>>c88
状況改めてありがとうございました!
到着タイミングは死亡後くらいがいいのかなーと思いつつ、状況見て動きます!
死亡頑張ってください!
*/
【東景の主の屋敷:深夜】
[人間社会で暮らす妖怪たちは夜に休息をとるものも多い。勿論、妖怪の時間は夜だという者たちもいるだろうが、殺された者たちも出ているなか、どんちゃん騒ぎをやるような場合でもない。屋敷は、静かだ。]
(……、今のは、)
[静けさの中、ふと身じろいで起き上がる。眠る意識の水面に何かが触れて波紋を作ったような、そんな感覚。
屋敷は、まだ静かだ。静かだ、けれど。
見回せば、起き上がっているのは共に結界の類を施した者たちばかりだろうか。一瞬、視線を交わせば動き出す。一挙に屋敷はあわただしくなった。
力の弱い物や子供たちから逃げる手立てを取り、そちらを守るものと屋敷の前で敵と相対するものとに分かれて走り出す。]
[そんな中、千里を見通す目を持った妖怪たちからの報告が聞こえた。
「妖鼠を中心とした小妖の大群だ」「波のようにこちらへと向かっている」]
――、
[遠方からの術での時間稼ぎや、子供たちのカバーへと動こうとしていたのを一転、結界へと触れた気配があった方角へと駆けだした。]
[結界が突き破られる気配がする。濁流のような鼠たちの轟音が遠くから髪の間突き出た狐の耳へと届く。
「――殺すだなんて。常盤。あなたにできるの?」。轟音があの時の彼女の声を頭に響かせる。
そう、この狐は虫をも殺さぬ、とは言い過ぎだけれど、暴力沙汰はもとより、小動物を駆除するのさえもどこか苦手としていたけれど、]
(馬鹿にしてんのかい。それとも馬鹿なのかい。)
(このまま続けるつもりなら、そういったのに、)
[時間稼ぎの術に惑う小妖たちが見えた。屋敷の前に集う屋敷の者たちを通り抜け、敵の群れへと駆ける。後ろから、呼び止められる声がしたけれど、無視して駆けた。深夜の暗闇、取り巻く狐火が姿を照らす。
敵の群れの中、前方へと踊りでた一度か二度見たっきりの大鼠。
けれど、その姿や駆ける様子は間違いようもない。]
取り返しのつかない傷をつけられたいのかい!!ねね!!
[駆けたそのまま真正面から挙げた声と同時、あなたや周囲の小妖へと大きな炎の塊が走った。*]
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