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>>400
[お互いに解っていたことなのだろうけれど。
改めて言葉として耳に届く「好き」の響きは、特別なものだった。]
龍驤…
[もう二度と失いたくないから。だから――]
(…明日からも、頑張れる。)
[――大好き、ともう一度囁いて。
今はただ、その温もりを感じていた。]
>>402
ティーブレイクとも言いますし、別にお茶する時間をとること自体は咎める気はないんですよ?姉さんは時間を取り過ぎるのがいけないなんです。
[そんなことを言う顔は、穏やかだ。]
ずっと、こんな時間が続けばいいと思うくらいには、最高です。
[一口こくりと飲み込んで、幸せな実感と共に飲み下す。そう、こんな日が、永遠に続けばいいと、切に願っていた。]
>>386
[30分程で、赤城の湯浴みは終わった。
その間、果たして加賀は忠実に背中を向けていただろうか。]
加賀、足痺れてない?
―― "綾波"撃沈の数日前。埠頭にて
[ 抜けるような青空。カモメの鳴き声。海を眺めながら、なにをするでもなく佇む人影。
"あの夢"をしばしば見るようになってから…。綾波は"あの戦い"の事を、"帝国海軍"のその後を知ろうとした。
その事自体を知るのは簡単だった。"あの戦い"の事も、"帝国海軍"の事も。無機質な文字で綴られた真実でさえ、綾波には辛いものだった。
自分が沈んだのは徐々に敗勢へ向かっている時だっただろうか。あの段階で沈んだ、というのはある意味幸福であったのかもしれない、と。
あの後、最早"人間の力"を頼みにした"帝国海軍"では、機械の力を最大限に使う"連合国"に優位に立つ事は少なくなっていったのだ。
そして、次々と仲間達が戦没する様を見続けていた者達はどんな思いを抱いていたのだろうか、と。 ]
生きる事は戦う事だ、と説いておられた方もいらっしゃいましたねぇ。
[ それは、勿論多義的なものだろう。彼女たちが繰り広げていた戦い、というのもあるし、色々な事、様々な事は"戦い"と形容できるのだから。
運命の悪戯か、何かの偶然か、或いは必然か…自分は、今再び、こうやって"生きて"いる。それにはいかなる意味があるのだろうか。
仲間達を遺して逝った自分への罰なのだろうか。或いは――ない、と思っていた心残りがあったのだろうか。 ]
…自分の事なのに、解らない事だらけです。
――でも。
[ 解る事は、ある。自分は今ここに居て、今、ここに有って、今、ここで、生きている、ということ。
生きている事で、いろいろなものを得た。それは、死んだままでは手に入れることは絶対に叶わない宝物。掛け替えのないもの。 ]
>>405
…え?
[キスという単語で、あの時の飴のしょっぱい味と感じた柔らかさを思い出してしまう]
そう…。龍驤も、初めてだったのね。
[それは少し嬉しいような気がした。
…恥ずかしいけれど、覚悟を決めて龍驤の顔を見つめて]
――私も、その、キス…したいわ。
[ほんのりと頬を赤らめて、段々と照れのせいか小声になりながらも確かにそう告げる]
今は、この采配に、感謝する事しきりですねぇ。
[ そして今見えている色々なもの。生きることで得られる、得られ続ける宝物。それらすべてを賭してでも守りたいと思える仲間。
こうやって、自分を見つめ、自分の命を見つめ、そして今を生きる幸運を実感する。綾波にとっては、これは儀式のようなものだ。こうやって、自分の中で命の価値を確認すると、しっかりと生きて帰ろう、という思いがより確かになる。命の遣り取りが不可避である出撃前には、必ず、こうやって海を眺めて…この場所に戻ってくるという決意を新たにするのだ。 ]
……って、流石にぼうっとし過ぎですよね、これ。
[ はあ、と溜息を吐く。高かった太陽は、何時しか地平線の彼方にその姿を沈ませようとしていた。自室に戻る事にした綾波は…何時もどおりに… ]
――この日常が、続きますように。
[ そう、願うのだった。
彼女が…この日常を手放す事になるのは…この数日後…。 ]
>>406
[ぎゅっとしてもらえる。
その事をかてに、加賀はじっと背中の赤城を見ることをしなかったみたいだ。
水音と彼女の存在で何度か身悶えしていたが、それでも動く事はなかった。
やがて声をかけられると、振り向くことはせず一度呻いて]
ん…
…大丈夫、です。
[一言だけ返す。
ただ意識をしたからか、少しだけもぞもぞと脚を動かしている様だ。
…座っているから痺れてないのであって、立ち上がったらまた違う事になるだろう]
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